▲スバルの軽自動車作りは他とは一線を画しています。スバル 360からスタートし、RRを軸にした開発や、ECVTやスーパーチャージャーの採用など、スバルならではのこだわりが大きく影響していたのでしょう ▲スバルの軽自動車作りは他とは一線を画しています。スバル 360からスタートし、RRを軸にした開発や、ECVTやスーパーチャージャーの採用など、スバルならではのこだわりが大きく影響していたのでしょう

リアエンジン、リアドライブがスバル軽自動車の魂

インプレッサ、レガシィ、レヴォーグ、フォレスター……。どれも水平対向エンジンと四輪駆動というスバルのお家芸を投入したモデルです。「スバル」とは富士重工業の自動車部門のブランド名で、エンブレムには6つの星(六連星=プレアデス星団)が描かれています。

さて皆さん、エンブレムになぜ六連星が描かれているかご存じですか? 富士重工業は1953年7月15日に富士工業、富士自動車工業、大宮冨士工業、東京富士産業、宇都宮車輛という5つの会社の共同出資で創立されました。そして1955年4月に富士重工業が出資5社を吸収する形でひとつの会社になったのです。

エンブレムには「5つの会社がひとつの大きな会社になる」という意味が込められていると言われています。6つの星のうちひとつが大きく描かれているのはそのためです。

冒頭に記したように、スバルというと真っ先に水平対向エンジンや4WD(スバルはAWDと呼んでいます)を思い浮かべる人が多いと思いますが、もうひとつ忘れてならないのが、軽自動車です。

スバルは創立以来、歴史に残る軽自動車の名車を数多く世に送り出してきました。残念ながらスバルは2008年4月に軽自動車の生産撤退を発表。2012年2月末にサンバーが生産終了となり、スバルの軽自動車はダイハツからのOEMのみとなりました。今回はスバルのエポックメイキングな軽自動車を振りかえります。

▲エンジンが後輪車軸より後ろにあるRRで登場したスバル360。愛らしいスタイルから「てんとう虫」と呼ばれました。しかしその可愛らしさに反して、開発では平均勾配13度の悪路である赤城山山頂付近までの全力登坂など、過酷なテストが繰り返されました ▲エンジンが後輪車軸より後ろにあるRRで登場したスバル360。愛らしいスタイルから「てんとう虫」と呼ばれました。しかしその可愛らしさに反して、開発では平均勾配13度の悪路である赤城山山頂付近までの全力登坂など、過酷なテストが繰り返されました
▲360の後継モデルとなるR-2は、360よりホイールベースを長くとり居住性や積載性をアップ。さらにエンジンにアルミシリンダーを採用し、パワーも高められました。わずか3年で次世代のレックスへと生まれ変わるなど“幻の車”的な存在です ▲360の後継モデルとなるR-2は、360よりホイールベースを長くとり居住性や積載性をアップ。さらにエンジンにアルミシリンダーを採用し、パワーも高められました。わずか3年で次世代のレックスへと生まれ変わるなど“幻の車”的な存在です
▲1972年にデビューした軽のロングセラーがレックス。初代はRRでしたが、1981年登場の2代目でFFに。そして1986年登場の3代目ではフルタイム4WD(1987年)、スバルがVDT社とともに世界で初めて実用化したECVTの搭載(1987年)など、数々の挑戦が行われました。1988年にはスーパーチャージャー搭載モデルも登場しました。なお、写真は3代目レックスです ▲1972年にデビューした軽のロングセラーがレックス。初代はRRでしたが、1981年登場の2代目でFFに。そして1986年登場の3代目ではフルタイム4WD(1987年)、スバルがVDT社とともに世界で初めて実用化したECVTの搭載(1987年)など、数々の挑戦が行われました。1988年にはスーパーチャージャー搭載モデルも登場しました。なお、写真は3代目レックスです
▲スバルの軽自動車を語るうえで絶対に外すことのできないモデルがサンバーです。1961年からダイハツのOEMとなる2012年までリアエンジン方式にこだわり、初代から四輪独立懸架式のサスペンションを採用するなど、乗り心地と運搬性に優れます。マニアからは「農道のポルシェ」と呼ばれ、サンバーを指名買いする事業者もたくさんいました。写真は自社生産最終モデルの特別仕様車であるWR BLUE LIMITED ▲スバルの軽自動車を語るうえで絶対に外すことのできないモデルがサンバーです。1961年からダイハツのOEMとなる2012年までリアエンジン方式にこだわり、初代から四輪独立懸架式のサスペンションを採用するなど、乗り心地と運搬性に優れます。マニアからは「農道のポルシェ」と呼ばれ、サンバーを指名買いする事業者もたくさんいました。写真は自社生産最終モデルの特別仕様車であるWR BLUE LIMITED
▲軽自動車がスペース効率を追求し、どのモデルも広さをアピールする中、R1はまったく違うコンセプトで2004年に登場しました。軽規格より小さいボディ、レザー&アルカンターラで高級感を高めた室内、スポーティなアルミペダルなど、個性を重視したスタイルは既存の軽自動車に満足できない人、人とは違う車に乗りたい人から支持されました ▲軽自動車がスペース効率を追求し、どのモデルも広さをアピールする中、R1はまったく違うコンセプトで2004年に登場しました。軽規格より小さいボディ、レザー&アルカンターラで高級感を高めた室内、スポーティなアルミペダルなど、個性を重視したスタイルは既存の軽自動車に満足できない人、人とは違う車に乗りたい人から支持されました
text/高橋 満(BRIDGE MAN)