▲志村……いやちがった。福嶌、後ろ! 後ろー!! ▲志村……いやちがった。福嶌、後ろ! 後ろー!!

最初の停車位置さえキッチリすれば、ほぼ成功したも同然!?

突然ですが……皆さん、バックでの駐車に自信ってありますか?

教習所であれだけ教えていただいたというのに、そのほとんどを忘却の河に流してしまったワタシ。それがたたって、バック駐車をするときは上の写真のように後ろを見ながらテンパるのがデフォルトです。

「このままではイカン!」ということで、今回はプロのドライバーにバック駐車のノウハウを教えてもらうことに。登場していただいたのは、神奈川県にお住まいの田中和夫さん。普段はフェリーなどで車をすし詰めのように止めたり、キャリーカーに車を積載するお仕事をしています。あらゆるサイズの車を何万台もバックで駐車し続けた、まさに達人なのです。

我々が用意したのは、編集部所有のエスティマハイブリッド。ワタシなら少なくとも3回は切り返すところを、田中さんがハンドルを握ると一発でキメて駐車完了! わずか40秒ほどの速ワザでした。

さっそうと車から降りた田中さんに話を伺うと、ポイントは入車するときの車の角度 。ラインが引いてある駐車場で、左後ろのスペースにバック止める場合、ハンドルを右に切ったとき、左側のラインの先端に車の左リア部分がくればバック駐車は7割方、成功したも同然なのだとか。

▲バック駐車は車の位置がキモ。車の角度はだいたい45~50度くらいがちょうどいい様子 ▲バック駐車は車の位置がキモ。車の角度はだいたい45~50度くらいがちょうどいい様子
▲バック駐車時の田中さんの車内での様子。死角になりがちな左側のサイドミラーをよく見ています ▲バック駐車時の田中さんの車内での様子。死角になりがちな左側のサイドミラーをよく見ています

「枠の中に入れるとき、一番気を付けないといけないのが左側。右ハンドル車の場合、どうしても左の後ろが死角になるので、自転車などの障害物には十分注意してください」と田中さん。もし、枠が見えないときは左サイドミラーの角度を下げてから行うとスムーズに行えるそうです。

もうひとつ、注意しないといけないのがアクセル動作。速いと、ハンドル操作が追いつかないため、隣の車や後ろの障害物に激突する原因になるのだとか。イメージとしてはAT車のクリーピングくらいのスピード。田中さんによると、おおよそ10km/h以下くらいがベターとのことでした。

ただ、アクセルやブレーキを踏み込む際には注意が必要です。特に、長距離を走った後などは疲労でアクセルやブレーキの踏み込みが雑になることも。気になるときは、ふくらはぎを軽くマッサージしてから行うのがいいそうです。

なるほど。シンプルなようですが、とても大事なことばかり。田中さん、ありがとうございました!

▲アクセルを踏む足にも注目。写真左のようにかかとが浮いてしまうと、踏み込みが不安定になるためNG。写真右のように、膝にゆとりを持たせ、かかとを床に付けながらアクセルを操作すると良いそう ▲アクセルを踏む足にも注目。写真左のようにかかとが浮いてしまうと、踏み込みが不安定になるためNG。写真右のように、膝にゆとりを持たせ、かかとを床に付けながらアクセルを操作すると良いそう

焦らずゆっくりやることが、駐車の極意?

取材後、「で、実際にYouはバック駐車をバッチリできるようになったの!?」と編集部一同からダメ出しを頂いちゃったワタシ。……というわけで、実践してみました。

結論を先に書くと、あれだけ苦労していたバック駐車が一発でピシッとど真ん中に車体を収められるという快挙(?)を達成。やっぱり、プロの教えは、一味違います。

▲今まではテキトーな位置からバックし始めていたワタシですが、「45度くらいの角度」という目安を知ったことで駐車場に入ってくるときから変化が。自分が運転する車の左側を意識して停車して、そこからバックを始めると……あれ、ワタシこんなにキレイに車を止められましたっけ? ▲今まではテキトーな位置からバックし始めていたワタシですが、「45度くらいの角度」という目安を知ったことで駐車場に入ってくるときから変化が。自分が運転する車の左側を意識して停車して、そこからバックを始めると……あれ、ワタシこんなにキレイに車を止められましたっけ?
▲このとき、白線は左のサイドミラーにこんな感じで映っていました。見づらかったので、アドバイスどおり、ミラー位置を下げました ▲このとき、白線は左のサイドミラーにこんな感じで映っていました。見づらかったので、アドバイスどおり、ミラー位置を下げました

最後に、田中さんに伺った「バック駐車で重要なこと」をひとつ。「大事なのは、やはり焦らないこと。時間を争う必要はないのだから、ゆっくりやればうまくいきますよ」とのこと。

ただ、コインパーキングやショッピングモールの駐車場とかで、後から来た車が待っていたりすると焦ってしまいますよね。そういうときは、事前にハザードランプをつけておくと良いそうです。“ここに止めます”という意思を後続の車に伝えることで、後続車の無言のプレッシャーもだいぶ和らぐと思いますし、安全に車を止めることができます。

駐車に苦手意識はある方、よろしかったら参考にしてみてください!

text&photo/福嶌弘(編集部)