安全性能へのこだわりを見た! スバル「インプレッサ」「XV」衝突試験見学会レポート
2017/06/25
スバルが、衝突実験を公開
ぶつからない車「アイサイト」ですっかり安全性の高い車としての地位を獲得した一連のスバル車。しかし、ぶつからないだけじゃあ安全性が確保されたとは言いがたい。万が一、ぶつかったときにいかに安全であるか? も両立してこそ、本当の安全性の高さが証明される。
しかしスバルのインプレッサ&XVはそのわずかな疑問を払拭することになる。毎年行われているJNCAP(ジェイ・エヌ・キャップ)という公共的機関による安全評価で最高得点となる199.7点を獲得し、ファイブスター評価を受けるとともに「衝突安全性能評価大賞」を受賞したのだ。
そして、過日。スバルはそのインプレッサの衝突安全性を披露するため、群馬製作所内にある衝突実験場にメディアを招き、インプレッサの衝突試験をはじめとする数種の試験を公開した。
スバルの衝突実験の歴史は長く、1965年にはテントウ虫の愛称で知られるスバル 360の開発において衝突実験を開始。つまりすでに50年以上の蓄積を持って開発を行っているということになる。
そのような歴史の紹介も交えながら行われた今回の公開試験。参加して改めて理解の深まったスバルの安全性能に関して、ご報告したい。
公開された試験は「オフセット前面衝突試験」と「歩行者エアバッグ試験」
最初に見学したのはオフセット前面衝突試験。記事冒頭に載せている写真も、この試験だ。
65km/hまで加速したXVが、「バリア」と呼ばれる障害物に衝突するもので、運転席側の一部がぶつかる設定。爆発したかのような音量を伴いバリアに衝突したXVは、跳ね返されそして動きが止まった。
すべての面が衝突するよりも入力が集中するので衝撃が大きくなるオフセット前面衝突試験だが、衝突後のXVは運転席側ドアが開くのはもちろん、再度ドアを閉めてもしっかりと閉まる。つまりドア部分の変形はないということだ。Aピラーの変形もなければ、フロントウインドウもそのまま。もちろんエアバッグは展開しているが、キャビンはしっかりと守られている。
続いて見学したのは歩行者保護を目的とした「歩行者保護エアバッグ展開試験」。
この試験では2種のエアバッグを展開デモンストレーションが行われた。最初は単純にエアバッグを展開させるだけ、2度目は雪に見立てた発泡スチロール粉でエアバッグ部分を覆ってからの展開となった。これはエアバッグ展開が異物によって妨げられないことをデモンストレーションするため。
歩行者保護用エアバッグは、バンパー内に設置されたセンサーによって作動するが、歩行者以外への衝突でエアバッグが展開しない工夫がされている。それを証明するため、水を入れた2リットルのペットボトル8本を載せたショッピングカートへの追突、水深20cmのウォーターハザードへの進入などもデモンストレーションされた。
スバルが歩行者エアバッグを開発した背景には、日本における交通事故死亡者は対歩行者事故が3分の1を超えるほど高いという土壌もある。
冒頭でも書いたが、スバルは対歩行者対策開発をかなり昔から行っている。現在は歩行者との衝突時に歩行者がボンネット上に巻き上げられ、ピラーなどの硬い部分に頭部をぶつけることが致命傷になることが知られているが、以前は衝突後に車体下部に巻き込んだことが致命傷となると思われていた時期もあり、スバルでは1966年発売のスバル1000を使って、衝突時にネットを展開し歩行者をキャッチする装置の開発なども行っていた。
長きにわたり安全性の向上を図ってきたスバル車は、アイサイトでその安全性の高さを広く認知、今回のJNCAP受賞でその地位を確固たるものとしたと言えるだろう。
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