▲今回はマツダ CX-3に乗り、北海道をロングドライブした。ポテンシャルの高さは試乗会で十分に理解していたが、CX-3の良さを再発見できた旅だった ▲今回はマツダ CX-3に乗り、北海道をロングドライブした。ポテンシャルの高さは試乗会で十分に理解していたが、CX-3の良さを再発見できた旅だった

CX-3は会話が盛り上がる車である

今回はマツダ CX-3 でロングドライブをした。場所は北海道。日本でこれ以上雄大な景色を味わえる場所はないだろう。走れば走るほど最高の景色を探したくなる。ただ、悲しいかな男3人のドライブである。

長時間乗るとディーゼルのノイズが気になることもある。そのあたりも確かめながら旭川からトマムに向かった。私は助手席の乗り心地を確認したかったので、ドライバーはカーセンサー編集長の中兼氏。後部座席には編集部員のペリー氏が座る。

北海道らしい景色を楽しみながらゆるやかなアップダウンや、リズムの良いコーナーが続く道を軽快にスポーティに走る。成人男性が3人乗車してもパワー不足は感じない。シートは日本人の体型にはジャストフィットな印象だ。マツダが意図しているシートジオメトリーは前後ともに車内コミュニケーションが取りやすいレイアウトになっているため、リアシートでくつろいでいるペリー君も交えて会話が弾む(しかし男3人だ……)。きっとこれが家族や友人達、恋人とのドライブなら、なおさら盛り上がるに違いない。

▲CX-3はマツダのデザインテーマである“魂動”が凝縮していて、個人的にはマツダの中では最も好きなデザインである ▲CX-3はマツダのデザインテーマである“魂動”が凝縮していて、個人的にはマツダの中では最も好きなデザインである

今、最も勢いのあるモデルのひとつだと再認識した

トマムからの復路は私がドライバーだ。往路では走らなかった約30kmの林道を通った。道幅は3mに満たない未舗装路。マツダの4WDシステムを試すにはうってつけだ。

上りではあえてATのMTモードを使い常に動力をかけて走ったが、滑りを補正してスムーズに走る。悪路走破を目的とした本格的な4WDではないが、浮いた砂利の路面でも上りのスタビリティは確保している。

下りでブレーキングをするとリアが容赦なく左右に振られた。これはサスペンションのストロークのゆとりが少なく四輪の接地が不安定になるからだ。このことからCX-3の4WDは、いざというときの“脱出可能”なシステムと言えるだろう。例えば冬季に除雪が甘い路地などで有効だ。

ただ、舗装路では驚くほどスポーティだった。ATのコントロールはアクセルに応じたシフトの選択をしてキビキビと走らせてくれる。エクステリアのデザインは欧州車に決して引けを取らないし、長距離を走破してもディーゼルのノイズもさほど気にならなかった。今最も勢いを感じるモデルであることを再認識した。

▲ちょうど良いサイズ感で、幅の狭いカントリーロードの譲り合いでも不安を覚えないだろう ▲ちょうど良いサイズ感で、幅の狭いカントリーロードの譲り合いでも不安を覚えないだろう
▲道があれば好きな景色を追って自由に移動できることが、車の醍醐味のひとつ。その楽しさをCX-3はより引き出してくれた ▲道があれば好きな景色を追って自由に移動できることが、車の醍醐味のひとつ。その楽しさをCX-3はより引き出してくれた
text/松本英雄 photo/松本英雄、中兼雅之(カーセンサー編集長)、ペリー