▲Googleで「軽自動車 男性」で検索すると「私、女だけど軽自動車に乗っている男は無理」とか「男性が軽自動車に乗っていたら嫌ですか?」などのまとめが多数ヒットする ▲Googleで「軽自動車 男性」で検索すると「私、女だけど軽自動車に乗っている男は無理」とか「男性が軽自動車に乗っていたら嫌ですか?」などのまとめが多数ヒットする

軽自動車は思想や生き方の象徴だった!?

ネット上に溢れる「初めてのドライブデートに彼が軽自動車で来て引いた」とか「男なのに軽自動車に乗っているヤツwww」といった分かりやすい煽り言葉。ご存じのとおり、最近の軽自動車は低燃費で室内も広いなど性能が高く、税金や高速料金も優遇され維持費も安い。冷静に考えると非常に賢い選択で、実際、売れ筋のランキングでも上位を占めている。それなのに、いったいなぜ煽りの対象になってしまうのか?

「軽自動車は、ある意味で思想の象徴。だからこそ、異なる思想同士で対立が生まれるんです」と教えてくれたのは、心理カウンセラーの五百田達成氏。いったい、どんな思想の象徴なのだろう。

「軽自動車を選ぶのは“車=道具”と割り切り、身の丈に合わないお金のかけ方はかっこ悪いと思っている層。一方で、車にステータスを求める層もいて、大きいことはいいことだ、高級車は凄いなど“車の価値=自分の価値”と置き換えています。ここで対立が生まれるんです。つまり、これは車というよりも、生き方や思想の対立なんです」

車を見ればその人の生き方が分かる……かも

軽自動車は売れているので、あえて煽り気味に取り上げられている一面がある。しかし、どんな車選びにも、その人の生き方、思想が表れていると五百田先生はいう。

「高級車や大きな車はマッチョ思想、軽自動車やコンパクトカーは合理的、欧州車やデザインが個性的な車はセンス重視、5ナンバーサイズミニバンは家族優先、といった側面を見て取ることができます」

▲2015年上半期に新車で最も売れた車はトヨタ アクア。しかし、2~5位はすべて軽自動車が占める。ちなみに、軽自動車で最も売れたのはホンダのN-BOX ▲2015年上半期に新車で最も売れた車はトヨタ アクア。しかし、2~5位はすべて軽自動車が占める。ちなみに、軽自動車で最も売れたのはホンダのN-BOX

ライフステージが変化すると車選びも変化する

そして、生き方や思想が根底にあるということは、ライフステージが変わることでその部分が変わり、車の選び方も変化することがあるのだとか。

「例えば“軽自動車でのデートはありえない”と言っている女性でも、結婚を意識した途端に“身の丈に合っていない高級車に乗っているなんてありえない”と感じるようになることは多いと思いますよ」

確かに、独身時代はデカイ車に乗っていたけれど、結婚を機に軽自動車やミニバンに乗り換えたという人は多いはず。車は自分を表す鏡のようなもの。自分のライフステージの中で、費用対効果も含めて、満足のいく1台を選びたいものだ。

【取材協力】
五百田達成(いおた たつなり)
作家・心理カウンセラー。「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」を主なテーマに、「情報の翻訳家」として執筆・講演。「スッキリ!!」(日本テレビ系)レギュラーコメンテーターをはじめテレビ出演多数。最新刊は「アラン先生と不幸な8人」(ワニブックス)

▲こちらが五百田達成先生。モットーは「大人でも知らないことを、子どもでもわかる言葉で」。28万部を超える「察しない男 説明しない女」シリーズ他、著書多数) ▲こちらが五百田達成先生。モットーは「大人でも知らないことを、子どもでもわかる言葉で」。28万部を超える「察しない男 説明しない女」シリーズ他、著書多数
text/コージー林田