新車を選ぶ心理、中古車を選ぶ心理、その違いとは
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2015/11/02
男は自分色に染めたがる生き物
「世の中には2種類の人間がいる。中古車を買う人間と買わない人間だ」。ちょっと使い古された言い回しを用いたが、これはある意味、真実だ。もちろん、買う人、買わない人、それぞれにこだわりがあってのことだろう。
「中古車は買わないという人は、モノに対する処女性に重きを置いているのかもしれません」と分析するのは、心理カウンセラーの五百田達成氏。
「“俺だけのもの”、“自分色に染めたい”というのは、男性にありがちな心理。よく、男は女にとって最初の男に、女は男にとって最後の女になりたい、なんて言いますよね。そういう意味で、男性の方が新車にこだわる人が多いとも言えるでしょう」
例えば、新車にこだわる人ならば、中古車のニオイや癖などは、それ自体というよりも、そのニオイや癖をつけた前オーナーに怒りの矛先が向かうのだとか。新車の状態から自分色に染めていった方が、自分だけの1台という所有欲が高まるというわけだ。では、中古車にこだわる人はどんな心理なのだろうか。
中古車にこだわる人は合理的
「価格にこだわっているのならば、合理性が高いと言えます。また、新車と違いすぐに納車される点を重視するのも、合理的ですね。ただし、希少車にこだわって中古車を購入するのは少し異なります。これは、本当の車好きで、レアアイテムを収集する心理に通じる部分があります」
例えば、現行型なら周りから見れば新車と中古車のどちらを購入したのかわからない。現行型に安く乗りたいという理由で中古車を選ぶのは合理性が高いといえる。もちろん、車は乗れば劣化が進むので、同型だからといって並列に語るのは乱暴だが、そこを差し引いても「新車と中古車の差額には、プライドや見栄、という要素も入っている」と五百田先生は語る。
最近の中古車は、10年落ちでも2005年の車。21世紀に入って製造された1台は、以前に比べると故障も少なく、程度が良いものも多い。もし見栄やプライドだけで新車を選んでいるのならば、中古車という選択も悪くないのではないだろうか。
【取材協力】
五百田達成(いおた たつなり)
作家・心理カウンセラー。「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」を主なテーマに、「情報の翻訳家」として執筆・講演。「スッキリ!!」(日本テレビ系)レギュラーコメンテーターをはじめテレビ出演多数。最新刊は「アラン先生と不幸な8人」(ワニブックス)