▲マーフィーの法則でいえば、高い洗車メニューを選んだときほどすぐに雨が降る? ▲マーフィーの法則でいえば、高い洗車メニューを選んだときほどすぐに雨が降る?

洗車したら雨が降るのはマーフィーの法則?

せっかく洗車をしたら雨がポツリというツイていない経験は誰しもあるだろう。中には「なんだかオレが洗車すると、すぐに雨が降るんだよな~」なんて人も多いかもしれない。これは、ある意味では「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」という公式で有名な「マーフィーの法則」のひとつと言えるだろう。

しかし、「マーフィーの法則」とは元々はジョーク的な要素が強いもの。もちろん特定の誰かが洗車をしたからといって雨が降るなんてことがあるわけがない。ここで大きく関わってくるのが、思考の方向性だ。

心理カウンセラーの五百田達成氏によると「世の中にはネガティブ思考で捉えるのが上手な人が多い」とのこと。日本の年間降水日数は100日程度といわれているので、天気予報を確認せずに洗車をしていたら、かなり高い確率で洗車後に雨に降られるのは当たり前のこと。その事態をポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかで、気持ちも大きく変わってくるというのだ。

人生はポジティブチェックで上手くいく!?

「例えば、書類などのチェックを行うとき、数字の間違いや適切でない表現などをチェックするのは、ネガティブチェックと呼ばれます。多くの大人は、仕事だけでなく人生においてもこのネガティブチェックを行ってしまう。本来は、良いところをチェックして褒めるポジティブチェックを行うべきなのですが、褒めるよりも何かを指摘する方が賢く思われるし、相手にも舐められないんです」

もちろん、仕事においてネガティブな要素をしっかりと確認して修正するのは大事なこと。しかし、私生活にまでネガティブな要素を探すクセが付いてしまっては思考自体がネガティブになってしまうという。結果的に、起こってしまった物事に対してネガティブな判断を下してしまうのだとか。

「私の知り合いで、お客さんがコーヒーをこぼしたときに“掃除する理由ができた”といった人がいました。相手に気を使わせない一言だったのかもしれませんが、起こったことをポジティブに捉えることはとても重要です」

▲心理学者リチャード・ワイズマン氏が行った実験では、自分を幸運だと考える人は実際に幸運になる確率が高かった。「幸運な人々は、人生において新しい体験を進んで受け入れる」からなのだとか ▲心理学者リチャード・ワイズマン氏が行った実験では、自分を幸運だと考える人は実際に幸運になる確率が高かった。「幸運な人々は、人生において新しい体験を進んで受け入れる」からなのだとか

雨が降ってどうしても腹が立ったときには……

なるほど。洗車してワックスをかけていたおかげで、次は水洗いだけで簡単に汚れが落とせるとか、ものは考えようか……。んー、でも先生、やっぱり洗車した後に雨が降ると、どう考えても腹が立つんですけど。

「そんなときは広い視点で見るという方法もあります。例えば、農家など雨が降ることで助かる人がいるかもしれない。他にも、この失敗をもとに、今後は天気予報を確認するようになるとか、気持ちの持ちようで、いくらでもポジティブな面を探すことはできますよ」

3日に一度は雨が降る日本。まずは、しっかりと天気予報を確認して、それでも洗車後、不意の雨にやられたときには、ポジティブシンキングで乗り切るようにしよう。

【取材協力】
五百田達成(いおた たつなり)
作家・心理カウンセラー。「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」を主なテーマに、「情報の翻訳家」として執筆・講演。「スッキリ!!」(日本テレビ系)火曜レギュラーをはじめとしてテレビ出演多数。最新刊は「『察しない男』と『説明しない女』のモメない会話術」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

text/コージー林田