■今回のお題■

-セダンが不人気になった理由-

一部の輸入車ブランドや高級車を除いて、セダン人気は低調だ
しかし人気薄となると中古車においては俄然価格が安くなり
“安くて良いものを”というトレジャーハンターにはぴったりの物件が増える
一時は乗用車=セダンという図式だった日本でナゼここまで人気が凋落したのだろうか
セダン好き? と思われる2人のライターに聞いてみた
島崎七生人

利便性や実用性の高さで
乗用車=ミニバンになったこと

島崎 七生人さん●モータージャーナリスト
●しまざき なおと
車だけでなくデザインへのこだわりが深いライター
アルファ166を2台乗り継ぐ

ミニバンホームセンターやスーパーに行くと、かつて海外でしかお目にかからなかった大型のカートをどこでも見かけるようになった。週末に家族ぐるみでそういう場所に出かけ、たっぷりと買い物を楽しんで帰って来る“プチレジャー”も、ミニバンなら可能にしてくれる…というわけだ。もはやミニバンは、今の日本における“乗用車のホームラン王”。その圧倒的な利便性、実用性の高さにかけて、さしものセダンもかなわない。
だとしたらセダンは(タクシー仕様車を除き)、いっそもっとスペシャリティ路線を推し進めてもイイと思うのである。
もともと輸入車のセダンは堅調というより人気が高い。各ブランド固有の個性が積極的に選べるからだろう。対して日本のセダンというと、限られた車種を除き、トンと低調。だってそうだ。「アナタが今、日本のセダンで欲しいと思うのは何ですか?」と聞かれ、車種名が挙がりますか?

かく言うボクは今、乗り継いで2台目のアルファ166に乗っているが、理由はアルファロメオらしく情感のある車であるうえ、スカしたスタイルが気に入っているから。本来はクーペ好きで、しかし166はセダンながらひらめきのあるスタイルに惚れた(その前に乗っていたアルファ156も同様)。“Cピラーフェチ”で、ここがありふれたデザインのセダンはNG、逆ならばOK!
アルファロメオ166…そんな勝手な判断基準まで設けているのだが、ともかく、セダンでも「乗りたい」と言える理由、説得力が必要で、そのキーになるのはスタイル(や雰囲気など“演出”の部分)だと思う。ジャガーXFなど、乗れる、乗れないは別にしてかなり好み。最近は欧州車でも後席が決して広くないスタイル優先のセダンが登場し驚くばかりだが、これは市場を分析してのこと? 日本のセダンも頑張ってほしいものだ。