■今回のお題■

-今、アナタの思うスーパーカーの条件-

マルチパフォーマンススーパーカーというフレーズで登場した日産GT-R
スーパーカーという言葉は70年代後半にフェラーリやランボルギーニなどの
ハイパフォーマンスカーに対して使われていた
今、スーパーカーという言葉が当てはまる車とはどんな車なのかをライター2人に聞いてみました
御堀 直嗣

加速性能や速さという20世紀のスーパーカーの
価値観を打ち破ってこそ今を代表する車になる

御堀 直嗣さん●フリーランスライター
●みほり なおつぐ
フォーミュラレースに参戦経験があるフリーライター
著書には燃料電池車や電気自動車に関するものが多くメカに強い

ランボルギーニ レヴェントン スーパーカー!とは、いい言葉だ。飛び切り上等な、超高性能自動車だ。30年も前の日本のスーパーカーブームがいまだに人々の記憶に残るのも、スーパーカーのもつ特別な世界が強烈な印象として心に焼きついているからだろう。
しかしスーパーカーが、いかなる車であるかという定義は必ずしも定かではない。その人、一人ひとりにとって飛び切り上等で、超高性能な車であると実感できる一台であることが大切だ。そしてこれまでは、最高速度が高いとか、加速が猛烈とか、格好がいいといった条件を満たせば、スーパーカーというに恥ずかしくない一台であった。
だが今日は難しい。例えばレクサス600hはハイブリッドカーの高級セダンだが、目にも鮮やかな加速性能である。ヨーロッパでは、ディーゼルターボエンジンを積んだ高級車が俊足を誇る。加速性能や速さが、必ずしもスーパーカーを決定づける条件とはならなくなりつつあるといえるだろう。

21世紀の今日、ただ速く格好いいだけでは、周りの目が「アイツ、世間からズレている」と見るかもしれない。それほど車の置かれた立場は厳しい。
今年の東京モーターショーには数々の環境適合車が出展された。そして21世紀にスーパーカーが存続するための条件とは、燃費が良く、排ガスも極めてクリーンであり、安全に対する配慮と先進性があることが、速さや加速の良さに加えて必要になるだろう。
レクサス LSハイブリッド 600h いつまでも20世紀の価値観の延長でいると、スーパーカーの名に恥じる結果になってしまいかねない。それでも、やはり見た目に魅惑的なデザインであり、運転の醍醐味を味わわせてくれなければ、スーパーカーとは呼ばれない。21世紀のスーパーカーはなかなか大変だ。