第11実験:トヨタ プリウスとホンダ ライフの駐車支援システムをテスト!(縦列駐車編) 【神田錦町ラボ】
2008/05/30
■車庫入れはライフの勝利。では縦列駐車は?
助手:さぁ博士、前回の車庫入れに続き、プリウスとライフのパーキングアシスト比較とまいりましょう!博士:うむ、今回は縦列駐車編じゃな。
助手:車庫入れ編ではライフの勝ちでしたね。
博士:ライフのシステムは、初心者の気持ちをよく理解した上で作られた感があったの。一方のプリウスは確かに優れたシステムなのは認めるが、細かい設定がなにかと面倒じゃった。
助手:縦列駐車ではどうなるか、早速チャレンジしてみましょう!
■今回の検証方法
神宮外苑の縦列駐車スペースを使って検証。検証は前後にクルマが駐車している状態で、パーキングアシストを使って縦列駐車を試みる。判断基準は駐車にかかる時間の速さだけでなく、使いやすさ、安全性なども考慮し、総合的に判断する。
助手:ではプリウスから始めましょう。一応手順の確認をしておきますか。神宮外苑の縦列駐車スペースを使って検証。検証は前後にクルマが駐車している状態で、パーキングアシストを使って縦列駐車を試みる。判断基準は駐車にかかる時間の速さだけでなく、使いやすさ、安全性なども考慮し、総合的に判断する。
博士:手順は一緒じゃろう?駐車したいスペースを通り過ぎて停車。ギアをバックに入れて、今度は「縦列駐車」を選択。モニターのカーソルを動かして、設定が完了したら実行ボタンじゃな。
助手:ハイ、その通りです。意外と記憶力良いんですね。
博士:一言多いぞフクダ君!ではまいる!!
停車→ギアをバックに→縦列駐車選択
博士:ここから矢印を動かす設定に時間がかかるのじゃ・・・ってラクじゃないか。前後に動かすだけじゃ。
助手:車庫入れと違って駐車スペースと平行に止まってますからね。
博士:おっ、これは速いぞ。
助手:停車から駐車まで1分程度ですね。かなり速いです。
博士:やるじゃないかプリウス。モニター上の設定がカンタンだと非常にスピーディに駐車が可能じゃ。アシストを上手に機能させるコツとしては、駐車スペースとの距離を1mぐらい離して設定することじゃな。
助手:では続いてライフをやってみましょう。
博士:まずは駐車したいスペースの手前にあるクルマの先端にドアの目盛りを合わせる、と。そして縦列駐車ボタンを押して前進、と。
ピー アシストを中止します
博士:む。スピードが速かったか?プリウスと同じくらいのスピードだったのじゃが・・・。しかもクリープじゃぞ・・・。
助手:もう一度やりましょう。
縦列駐車ボタンを押すところまでやり直し
博士:ブレーキを引きずりながらソローリ前進、と。で今度はハンドルを固定したままバックじゃな。これまたソローリと。
助手:博士!後ろからクルマが来ます!
博士:わ、わかっておる!じゃがこれ以上スピードを出せば(ブレーキを緩めれば)間違いなくアシスト中止じゃ!早くピンポンと鳴ってくれ!
ピンポン!
博士:よぉし、で次はなんじゃ?早く言ってくれ、後ろがつかえておる。
助手:機械に怒っても仕方ないですよ。
博士:ハンドルを右に切る、と。
グリグリグリ ピンポン!
博士:よしバックじゃ!
ピンポン!
博士:ふぅ、ここまで来ればとりあえず駐車枠の中に収まっているので安心じゃ。あとはハンドルを真っすぐにしてバックで完了、と。
助手:失敗を除いて考えれば、プリウスより20秒くらい遅いですね。
博士:ふむふむ、なるほどな。よくわかった。このような後続車が来る状況では、プリウスの勝ちじゃな。
助手:その心は?
博士:縦列駐車の場合、車庫入れ時と違って、駐車が完了するまでは走行車線を塞ぐわけじゃ。すなわち、後続車からのプレッシャーは車庫入れ時の比じゃない。となれば、駐車が完了するまでの時間というのは非常に大きなウェイトを占める。
助手:確かにプリウスのほうが速かったですね。
博士:まずプリウスは、アシスト時のスピードの許容範囲がライフに比べて若干広い。ライフはプリウスと同じスピードではアシストが中止してしまったからの。そして何よりモニターでの駐車枠の設定が車庫入れ時に比べ、圧倒的にラクなことじゃ。
助手:では逆にライフはどの辺がダメだったんですか?
博士:いや、ダメというほどではないのじゃが、やはり時間がかかってしまう点がネックじゃの。まず一番最初に止めるのが、自分が駐車したいスペースの後ろになる。そこでドアの目印に合わせてからアシストが介入し、前に進んでバックとなるわけじゃ。一方プリウスは駐車スペースを通り越して止まるので、いきなりバックからスタートできる。
助手:確かにそうですよね。
博士:それと、ピンポンの合図が鳴るまでがたまらなくもどかしい。スピードを出せばアシストを中止してしまうし、でも素早く駐車しないと後続車に迷惑がかかる。なんとも歯がゆいのじゃ。「ハンドルを右に回して」などアナウンスを聞いている時間もロスになるからの。
助手:それで縦列駐車はプリウスの勝ち、と。
博士:これが後続車が来ないような道であればライフも決して不満ではないと思うがの。ただ縦列駐車ではなかなかそういったケースはないじゃろうて、プリウスの勝ちとした。
助手:車庫入れはライフ、縦列駐車はプリウスの勝ちでしたが、トータルではどちらのシステムが優秀でしょう?
博士:それはライフじゃろう。一般的な車庫入れと縦列駐車を比べて、どちらの駐車を行う頻度が高い?縦列駐車は車庫入れに比べ圧倒的に少ないじゃろう。駐車に慣れていない人にやさしい設計も高得点じゃ。
助手:結論は、ライフのパーキングアシストの勝ち!!
■飯田橋博士
何か気になりだすと、徹底的に検証したがる名物博士。猪突猛進な性格だが、いつも大事なところが抜けている。IQ200を超える真の天才
■助手フクダ
博士に惚れこみ研究のお手伝いをする勤勉な助手。博士の穴を巧みにカバーし、錦町ラボを正しい方向へ導いている
■今回の検証車両・装備
●トヨタ プリウス
「21世紀に間に合いました」のフレーズでデビューしたプリウス。2代目は初代のセダンから5ドアハッチバックスタイルに一新。さらに大きくなったボディサイズも相まって、リアシートの居住性、荷室の実用性が格段に向上した。
ハイブリッドシステムのエンジン部分は1.5L直4のままだが、可変電圧システムの採用など制御系を進化させ、モーターの出力を高めると同時に応答性の良さを飛躍的に向上。10・15モード燃費で35.5km/Lを達成した。さらにインテリジェントパーキングアシスト、世界初のEVドライブモードなど革新的な技術を惜しみなく注いだ。グレードは車両安定化装置を装備した上級グレードのGとスタンダードのSの2種類だ。
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●インテリジェント
電動パワーステアリングとバックガイドモニター技術を応用した駐車支援システム。車庫入れや縦列駐車の後退時のステアリング操作を支援することで駐車を補助してくれるシステム。設定時は世界初の技術であったが、現在は様々なトヨタ、レクサス車にも導入されている。
この機能はHDDナビゲーション選択時(初期はDVDナビ装着車にオプション)に同時に装着される。価格は36万3300円(G ツーリングセレクション)。
ハイブリッドシステムのエンジン部分は1.5L直4のままだが、可変電圧システムの採用など制御系を進化させ、モーターの出力を高めると同時に応答性の良さを飛躍的に向上。10・15モード燃費で35.5km/Lを達成した。さらにインテリジェントパーキングアシスト、世界初のEVドライブモードなど革新的な技術を惜しみなく注いだ。グレードは車両安定化装置を装備した上級グレードのGとスタンダードのSの2種類だ。
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●インテリジェント
パーキングアシスト
電動パワーステアリングとバックガイドモニター技術を応用した駐車支援システム。車庫入れや縦列駐車の後退時のステアリング操作を支援することで駐車を補助してくれるシステム。設定時は世界初の技術であったが、現在は様々なトヨタ、レクサス車にも導入されている。この機能はHDDナビゲーション選択時(初期はDVDナビ装着車にオプション)に同時に装着される。価格は36万3300円(G ツーリングセレクション)。
●ホンダ ライフ
個性的で背の高いスタイリングで高効率の室内スペースを追求した軽自動車が3代目ライフ。ボディは車両相互の衝突時に衝突エネルギーを効率良く分散・吸収するコンパティビリティ対応タイプとし、前席エアバッグやEBD付きABSの標準化などの相乗効果で高い安全性を実現。
エンジンは新開発直3SOHC6バルブのNAとターボで、 i-DSIと呼ぶ1気筒当たり2本の点火プラグを備えて高い燃焼効率を実現している。ミッションは全車が電子制御4ATを採用し、全グレードで FF/4WDが選択可能。抹茶などカフェ感覚のボディカラーに室内は明るいイメージでまとめられている。
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価格は5万2500円と比較的リーズナブルな設定なので、コーナーセンサー(2万7300円)と合わせて駐車に自信のない人にはオススメしたい装備だ。
エンジンは新開発直3SOHC6バルブのNAとターボで、 i-DSIと呼ぶ1気筒当たり2本の点火プラグを備えて高い燃焼効率を実現している。ミッションは全車が電子制御4ATを採用し、全グレードで FF/4WDが選択可能。抹茶などカフェ感覚のボディカラーに室内は明るいイメージでまとめられている。
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●スマートパーキングシステム
プリウスのアシストが後退時のステアリングのサポートをするのに対して、ライフのスマートパーキングシステムはまず第一に後退を開始する最適な位置まで車両を前進させるサポートに重きが置かれている。その内容は、駐車場所の枠線とドアのマークが合ったところで停車し、操作スイッチを押すというとても簡単なもの。価格は5万2500円と比較的リーズナブルな設定なので、コーナーセンサー(2万7300円)と合わせて駐車に自信のない人にはオススメしたい装備だ。
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