トヨタ アルファード▲高値安定だったアルファードの中古車相場が下落に転じている。後期型でもお得な中古車が増加中!

デビューから6年がたち流通量が増加

キング・オブ・ミニバンであり、中古車になっても高値安定でなかなか値落ちしないことで知られるトヨタ アルファード。

新車が高額なためにそれより少しでも安い中古車を探している人が大勢いること、海外でも人気があり多くの中古車が輸出されるなど、アルファードの相場が下がらない理由はいくつかある。
 

トヨタ アルファード ▲ファーストクラスのようなシートが備わる人気グレード「エグゼクティブラウンジ」

2020年はそこにコロナ禍の影響が重なった。公共交通機関ではなく車で移動した方が感染リスクを抑えられるという考えが広がって、これまで車を所有していなかった人も購入を考えるようになり、車の需要が大きく拡大したのだ。

それに伴い人気モデルのアルファードの中古車相場は、昨年8月ごろから上昇。一時的にストップしていた輸出が動き出したことも相場上昇に拍車をかけた。

そんなアルファードの中古車相場だが、2021年2月ごろから下落に転じ、直近の平均車両本体価格は300万円台に突入している。昨年末から今年前半と比べてとかなり買いやすくなっているのだ。

理由のひとつはコロナ禍での中古車需要が一巡したこと。そして、2度目の車検を機に乗りかえられたものが中古車として市場に多く出ていることが考えられる。

トヨタ アルファード ▲カーセンサーnetにおける直近半年の平均車両本体価格の推移。2月から下落傾向が続いており、5月には300万円台に突入した

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トヨタ アルファード(現行型)×全国

総額250万円以下は走行距離が多め

現行型の人気プレミアムミニバンであるアルファードだが、予算250万円で購入できる物件もある。

総額250万円以下で流通しているのは、生産期間が2017年11月までの前期型のガソリンモデルだ。

エントリーグレードの「2.5X」や「X」の装備に加えて、専用のエアロバンパーや黒木目調シフトレバー、スーパーUVカットガラスなどが備わる「2.5S」が中心になっている。

トヨタ アルファード ▲2015年1月~2017年11月まで生産された前期型(写真はハイブリッドG Fパッケージ)

ただし、走行距離は10万kmを超えるものが多くなってしまう。使用頻度が高かったことが想定されるため、購入に際して実車の確認は入念に行っておきたいところだ。

ただ、新車時から5~6年でこの距離を走るということは、ストップ&ゴーが多い市街地だけでなく、一定速度で巡行する高速道路を走行する機会も多かったはず。そのため、走行距離の割には足回りのへたりなどは少ないものがあると推測もできる。

トヨタ アルファード ▲エントリーグレードの「2.5X」は2列目が3人掛けになる8人乗りのみの設定

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トヨタ アルファード(現行型) × 総額250万円以下

予算300万円までアップすれば装備充実グレードも

走行距離が気になるのであれば人気のブラックやパールではなく、シルバーやブルー系を選べば比較的走行距離が少ない物件を見つけることができる。

また、予算を300万円まで増やせば、走行距離5万~7万km前後のものを探し出すことも可能だ。
 

トヨタ アルファード ▲エアロ系グレードとして人気が高い「2.5S Cパッケージ」

流通台数は少ないが、「2.5S」の装備に加え、LEDフォグライトやオートワイパー、ファブリック+合成皮革シート、前席電動シート、助手席オットマンなどが備わる、装備充実の「2.5S Cパッケージ」も総額300万円で見つけることができる。

アルファードは低価格帯の中古車でも、ミニバンのマスト装備と言える両側電動スライドドアや人気の後席モニター、そしてプリクラッシュセーフティシステム(衝突被害軽減ブレーキ)が備わるものが多い。購入時は、これらの装備が備わっているものを最低条件にしてもいいだろう。
 

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トヨタ アルファード(現行型) × 走行距離7万km以下

予算350万円以下の後期でコンディション◎の物件が!!

現行型アルファードは2017年12月のマイナーチェンジで、外観デザインが大きく変わりより高級感を増した意匠に変更された。

インテリアも前期型より高級感が高められている。
 

トヨタ アルファード ▲後期型のプリクラッシュセーフティは、夜間の歩行者も検知できるようになった

そして、安全装備も大きく進化を遂げている。プリクラッシュセーフティは昼間の自転車や夜間の歩行者の検知が可能になり、レーダークルーズコントロール作動時は車線を維持するための運転支援を行ってくれるようになった。

この進化したToyota Safety Senseは、全グレード標準装備になっている。

さらに、2018年10月にはアクセルの踏み間違いなどで起こる衝突被害を軽減するインテリジェントクリアランスソナーが標準装備になり、2019年12月には「エグゼクティブラウンジ」を除くグレードにスマートフォンと連携できる9インチディスプレイオーディオと車載通信機DCMが標準装備された。
 

トヨタ アルファード ▲後期型のエントリーグレードである「2.5X」。先進安全装備は全グレード標準なので、エントリーグレードといえども満足度は高いはず

そんな後期型の最安値帯は、総額300万~330万円。このゾーンでは前期型と同じく、エントリーグレードの「2.5X」が中心だ。

年式はインテリジェントクリアランスソナーが標準装備になる前のもので、走行距離は5万kmくらいの物件が多い。

「2.5X」の新車価格は車両本体のみで359万円だ。仮に予算350万円で考えると、台数は少ないが「2.5X」の4WDや「ハイブリッドX」が見つかるようになる他、その上のグレードの「2.5S」も選択肢に入ってくる。

また、「2.5X」ならインテリジェントクリアランアスソナーや車載通信機DCMが備わる登録済未使用車を買うことも可能だ。後期型を少しでも安く手に入れたいと考えているなら、検討をオススメしたい。
 

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トヨタ アルファード(現行・後期型) × 総額350万円以下
トヨタ アルファード ▲ハイブリッド車は専用のオプティトロンメーターを装備

ちなみに、アルファードのハイブリッドは、後輪を独立したモーターで駆動させるE-Fourのみの設定。最高出力112kW(152ps)を発生する2.5Lエンジンに加え、最高出力105kW(143ps)のフロントモーターと最高出力50kW(68ps)のリアモーターにより力強い走りを味わえる。

燃費は2.5Lガソリン車が10.8km/Lなのに対し、ハイブリッドは14.8km/Lだ(いずれもWLTCモード)。

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トヨタ アルファード(現行・後期型) × 走行距離5万km以下 × ハイブリッド

今後の社会情勢によって、いつこの価格の下落傾向が変動するとも限らない。

相場がお得な状況の今だからこそ、ぜひ一度チェックをしてみてほしい。

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トヨタ アルファード(現行型)×全国

※記事内の情報は2021年5月20日時点のものです。

文/高橋満(BRIDGE MAN) 写真/トヨタ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL