9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
2021/06/09

低回転から最大トルクを発生する独特なサウンドのエンジン
アウディの直列5気筒ターボエンジン「アウディ2.5 TFSI」
日本国内で発表される乗用車の中から、年間を通じて最も優秀な車に与えられる「日本カー・オブ・ザ・イヤー」、そして世界28ヵ国93名の自動車ジャーナリストの投票によって選出される「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」。どちらも自動車業界を代表する賞のため、ご存じの方も多いだろう。
では、「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」という賞があるのはご存じだろうか?
1999年から始まったインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーは、その名のとおり優れたエンジンに与えられる賞だ。
大賞の「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を筆頭に、エンジン排気量別や環境性能に優れたパワートレインに与えられる「グリーン・エンジン・オブ・ザ・イヤー」などの部門賞で構成されている。(※2019年には、エンジンの排気量別に部門賞が廃止され、出力別部門賞へ変更となった)
今回は、「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー 2.0~2.5L部門賞」を、2010~2018年までのなんと9年間にわたり連続受賞した直列5気筒ターボエンジン、「アウディ 2.5 TFSI」を紹介しよう。
このエンジンは、アウディの子会社で「RS」モデルの製造・販売などをしている「クワトロ社(quattro GmbH)」が開発した。なお、クワトロ社は2016年に「アウディスポーツ(Audi Sport GmbH)」に名称を変更し、現在も高性能モデルや2.5L直列5気筒エンジンの製造をしている。
アウディ 2.5 TFSIは、ターボチャージャーとガソリン直噴技術を採用した高性能直噴ターボエンジンで、2009年に発表されたアウディのコンパクトクーペ「TT RSクーペ」とともにデビューした。
当時のスペックは、最高出力340ps/5400~6500rpm、最大トルクが450N・m/1600~5300rpmとなっている。特徴は、低いエンジン回転から最大トルクを発生し、6500rpmまでほぼ途切れることなくパワーを生み出し続けることだ。
その後「アウディ 2.5 TFSI」は、2013年の「TTRS plusクーペ」で最高出力360ps/5500~6700rpm、最大トルク465N・m/1650~5400rpmにパワーアップした。さらに、2015年に販売が開始された「RS3スポーツバック」では、最高出力367ps/5500~6800rpm、最大トルク465N・m/1625~5550rpmと最高出力が7ps向上している。
2016年には、アルミニウム合金のクランクケースを採用した新設計の2.5L直列5気筒ターボエンジンに生まれ変わり、エンジン単体の重量が従来の183kgから26kg軽量化して157kgとなった。
2017年に販売を開始した「RS3スポーツバック」では、最高出力400ps/5850~7000rpm、最大トルク480N・m/1700~5850rpmになっている。2009年の登場当初と比較すると最高出力が60ps、最大トルクが30N・mもアップした。また、最大トルクを発生する1700rpmから、最高出力を発揮する7000rpmまで途切れることなく力強い動力を生み出し続ける。
このエンジンは、1-2-4-5-3という点火順序によって生み出される直列5気筒ターボエンジンならではのエグゾーストノートと、480N・mの最大トルクを低回転域の1700rpmで発生させるトルク特性がエンジン・オブ・ザ・イヤーで高い評価を受けた。
【アウディ2.5L直列5気筒ターボエンジン(Audi 2.5 TFSI)】
■エンジン種類:直列5気筒DOHCインタークーラーターボ20バルブ
■エンジン型式:DAZ
■排気量:2480cc
■最高出力:340ps/5400~6500rpm
■最大トルク:450N・m/1600~5300rpm
■圧縮比:10.0
■ボア×ストローク:82.5mm×92.8mm
※エンジンスペックは登場時のTT RSクーペのデータ
2.5L直列5気筒ターボエンジンの「アウディ 2.5 TFSI」を搭載するモデルの中には、新車販売価格の半額以下から中古車が見つかるモデルが出てきている。
今回は、そんな今が狙い目ともいえる3つのモデルを紹介しよう。
直列5気筒ターボのデビューとなったコンパクトスポーツクーペ
アウディ TT RSクーペ(初代)


2010年に日本での販売を開始した「TT RSクーペ」は、エンジン・オブ・ザ・イヤー部門賞を9年連続受賞する「アウディ 2.5 TFSI」を初めて搭載したモデルである。
TT RSクーペは、アウディのコンパクトスポーツカー「TT」の2代目に設定されたトップエンドモデルで、最高出力340ps・最大トルク450N・mを発生する。
エンジンパワーは、6速MTを介し、フルタイム4WDの「クワトロ」によって路面へ伝達される。0-100km/h加速は4.6秒、最高速度250km/h(リミッター作動)で、新車販売価格が835万円だった。
翌2011年には、7速のデュアル・クラッチ・トランスミッションの「Sトロニック」を搭載するグレードを追加。新車販売価格が863万円となった。
2013年に最高出力を20ps、最大トルク15N・m引き上げた「TT RS plusクーペ」を追加。最高出力360ps・最大トルク465N・mになった2.5L直列5気筒ターボエンジンは、0-100km/h加速が4.1秒となり、従来のTTRSクーペよりも0.2秒短縮され歴代TT最速モデルとなった。また、カーボンパーツやリムがレッドに塗装された19インチアルミホイールなど専用装備を多数採用しているのも特徴だ。新車販売価格は890万円だった。
2021年6月2日時点での中古車価格は、支払総額260万円台からとなっている。当時の新車販売価格の半額以下で高性能コンパクトクーペを手に入れられると考えれば、お買い得だといえるだろう。
【アウディTT RSクーペ(初代)の主要スペック】
■全長×全幅×全高=4200mm×1840mm×1380mm
■エンジン:2.5L直列5気筒DOHCターボ(340ps/450N・m)
■燃費(10・15モード):10.6km/L(6速MT)
▼検索条件
アウディ TT RSクーペ(初代)×車両価格420万円以下×全国▼検索条件
アウディ TTRSクーペ(初代)×全国直列5気筒ターボのホットハッチ
アウディ RS3スポーツバック(初代)


アウディのコンパクトハッチバック「A3スポーツバック」をベースにしたハイパフォーマンスモデルが「RS3スポーツバック」だ。A3スポーツバックがもつ扱いやすいボディサイズや5ドアならではの使い勝手をそのままに、高性能な2.5L直列5気筒ターボエンジンを搭載している。
2015年に登場したモデルでは、最高出力367ps・最大トルク465N・mを発生させるエンジンに、7速Sトロニックを組み合わせ、RS3スポーツバック専用の制御プログラムのフルタイム4WD「クワトロ」を介して路面へ動力を伝達する。0-100km/h加速は4.3秒とTTRSクーペと同等の加速性能を誇る。新車販売価格は756万円だった。
2017年に登場したマイナーチェンジ後の「RS3スポーツバック」は、最高出力400ps・最大トルク480N・mを発生させ、従来型と同じく7速Sトロニックと4WDのクワトロを組み合わせる。出力・トルクともに向上させたことにより、0-100km/h加速が-0.2秒の4.1秒になった。RS3スポーツバックは、スポーツカー並みの動力性能を発揮しながら、使い勝手が良く運転もしやすいホットハッチだ。
2021年5月時点での中古車価格は、370万~790万円と幅広い価格帯になっている。また、直列5気筒ターボエンジンを搭載するモデルとしては流通台数が多く、新車販売価格よりもお得な車両も見つけることが可能だ。
【アウディRS3スポーツバック(初代)の主要スペック】
■全長×全幅×全高=4335mm×1800mm×1440mm
■エンジン:2.5L直列5気筒DOHCターボ(400ps/480N・m)
■燃費(JC08モード):11.0km/L
▼検索条件
アウディ RS3スポーツバック(初代)×車両価格380万円以下×全国▼検索条件
アウディ RS3スポーツバック×全国コンパクトスポーツSUV
アウディ RS Q3(初代)


アウディが展開するSUV「Q」シリーズ初の「RS」として2014年に登場したモデルが「RS Q3」だ。コンパクトSUVのスポーツモデルとして登場したRS Q3は、RS専用の外装・内装デザインが与えられ、BOSEサラウンドサウンドシステムも標準装備になっている。
エンジンのスペックは、最高出力310ps・最大トルク420N・mと控えめだが、7速Sトロニックとフルタイム4WD「クワトロ」によって、高速安定性と操縦安定性を実現。さらに、JC08モード燃費11.5km/Lという高い環境性能も特徴だ。新車販売価格は698万円だった。
2015年のマイナーチェンジでは、エクステリアの意匠を変更するとともにエンジンの出力を向上。最高出力は30psアップの340psに、最大トルクは30N・mアップの450N・mになっている。0-100km/h加速は4.8秒と従来型より0.7秒も短縮しながら、燃費は13.0km/Lに向上した。新車販売価格は771万円だった。
2016年には、RSモデルをベースに性能を磨き上げたハイパフォーマンスモデルの「RS Q3 パフォーマンス」の販売を開始。エンジンは、最高出力367ps・最大トルク465Nmを発生させる。また、0-100km/h加速は-0.4秒の4.4 秒へ短縮。最高速度は250km/hから270km/h(スピードリミッター作動)まで高められている。新車販売価格は818万円だった。
2021年5月時点での中古車価格は、300万円を下回るものも見つかり、新車時の半額以下で高性能コンパクトSUVを購入できる。個性的なコンパクトスポーツSUVを探しているのであれば、RS Q3はオススメな1台だ。
【アウディRS Q3(初代)の主要スペック】
■全長×全幅×全高=4410mm×1840mm×1595mm
■エンジン:2.5L直列5気筒DOHCターボ(367ps/465N・m)
■燃費(JC08モード):13.0km/L
※スペックはRS Q3 パフォーマンス
▼検索条件
アウディ RS Q3(初代)×車両価格350万円以下×全国▼検索条件
アウディ RS Q3(初代)×全国
ライター
齊藤優太
国産ディーラー販売員、教習指導員(普通自動車、普通自動二輪、応急救護)、中古車買取業務を経て、フリーライターに転身。自動車関連の業務に従事してきた経験を生かし、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車は、アウディ A4。
この記事で紹介している物件
アウディ
TT RSクーペ 2.5 4WD 6MT スズカグレー ホワイトレザー クルコン 可変バルブスポーツマフラー エントリーストリップ パーキングアシスト DIS 固定式ウイング 5アームローターデ19 レーダー ドライブブレコーダー
本体価格388.0万円
支払総額402.3万円
アウディ
RS Q3 2.5 4WD アクティブレーンアシスト サイドアシスト クルーズコントロール バイキセノンライト MMIナビ地デジ バックカメラ ファインナッパレザー 純正OP20インチアルミ 取説保証書 記録簿3枚 スペアキー
本体価格175.8万円
支払総額199.9万円
アウディ
RS Q3 パフォーマンス 4WD パノラマサンルーフ/パワーバックドア/純正ナビTV/BOSEサウンド/カーボンインパネ/ハーフレザー/シートヒーター/ETC/Bカメラ/20AW/レッドキャリパー/
本体価格216.0万円
支払総額245万円
あわせて読みたい
西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
【試乗】新型 日産 ノート|市販モデルではプロトタイプのネガ部分が消え、スタビリティの高さが際立った
5年落ち以内が車両本体価格200万円以下から狙える! スタイリッシュな輸入車SUV4選
【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品
掲載率1%未満! 大人気コンパクトカーの2代目日産 ノートを狙うなら、激レアグレードも要チェック!
閑静な住宅街に潜む、跳ね馬と闘牛がいるガレージ【EDGE HOUSE】
【名車への道】’14 BMW i8
アルピナマジック!~大人の車好きがたどり着く、ひとつの極致~【カーセンサーEDGE7月号】









