あぁ現行3シリーズ、君はなんてマルチで優秀な「選手」なんだ!

愛車選びの苦悩はザッケローニ監督の苦悩と同じ?

日本時間6月13日(金)早朝、いよいよ2014 FIFAワールドカップが開幕する。計32の国と地域を代表するチームによる熱戦が今から待ちきれないフットボール愛好家は多いことだろう。不肖筆者もその1人である。

各国の熱戦を楽しみにすると同時に思うのは、「もしも自分が代表監督だったらどんな選手選考をするか?」ということだ。過日、日本代表メンバーが最終決定した際も「俺だったら誰それを絶対入れるのに! ザックはわかってない!」というにわか監督が全国に1000万人ほど誕生した。不肖筆者もその1人である。

しかし代表チームのメンバー数には絶対的な上限があるため、どうしたって全員をそこに加入させることはできない。残念だが仕方のない話なのだ。

そして愛車を選ぶ際の我々も、ある意味ザッケローニ監督のような心境になるものだ。「憲剛も乾も高萩も欲しいけど、登録人数には限りがあるからなぁ……」というように、「カニ目も911もイヴォークも欲しいけど、車庫の数にも予算にも限りがあるからなぁ……」となるのが一般的である。

それでも「2台持ち」ができるならば、戦術の幅はかなり広がる。「攻めの911と守りのGクラス」「サイドアタッカーとしてのスマートロードスターと、鉄壁のディフェンス力を誇る、その名もディフェンダー」など、人生を楽しむための組み合わせは無限大だ。

しかし、ほとんどの場合(特に都市部にお住まいの場合)、所有できる輸入車は1台だけというケースが多い。そうなったとき、例えばだがサイドアタッカー的なスマートロードスターだけではチーム戦術(ご家庭の行動戦術)は成り立ちにくい。「Gクラスだけ」というのはしばしば見かける戦術だが、筆者の好みからすると、やや敏捷性に欠けるチーム作りになってしまう気がする。

現行3シリーズは今、最高にポリバレントな存在

ということで、諸々の都合で1台だけしか輸入車を所有できないならば、必要とされるのは「圧倒的な万能選手」だ。サッカーでいえば守備と攻撃の双方をほぼ完璧にこなすだけだけでなく、3人の交代枠を使い切った後にゴールキーパーが退場処分になった際はゴール前でグローブをはめ、敵のPKをビシッと弾き返す。そんな、ミラクルな選手である。

そういった超万能型の輸入車には様々な候補があるかと思うが、筆者が推したい「選手」はBMWの現行3シリーズだ。

セダンでもステーションワゴンでもいいが、とにかく「3」は最高の万能選手である。走行性能を「攻撃力」とするならば、現行3の攻撃力は本職のフォワード(スポーツカー)と比べれば劣るものの、それに近いレベルではある。維持の容易さや積載性に代表される「守備力」は実用モデルだけにまったく問題はなく、スタミナ(燃費)も320dであれば長友並み。人気の面でも、本田圭佑に匹敵するのは間違いない。

現行3シリーズという選手の唯一の問題点は、「年俸」が決して安くはないことだろう。下記物件リンクには比較的手頃な物件のみを集めたが、それでも支払総額は360万円前後となる場合がほとんどだ。

しかし、どんな分野でも良いプレーヤーというのは値が張るもので、そしてその値段なりか、またはそれ以上の働きをしてくれるものだ。

ということで今回の伊達セレクションはずばり「最高の万能プレーヤー、現行BMW3シリーズ」だ!

山道を走って良し、高速道路を巡航して良し、そして世間的なウケも良しという現行BMW3シリーズ。1台ですべてをこなすならコレしかない?

山道を走って良し、高速道路を巡航して良し、そして世間的なウケも良しという現行BMW3シリーズ。1台ですべてをこなすならコレしかない?

スポーティな成り立ちの車ではあるが、車内スペースは上質で落ち着いた味わい。そのあたりもまた、この車が「万能選手」である理由の一つだ

スポーティな成り立ちの車ではあるが、車内スペースは上質で落ち着いた味わい。そのあたりもまた、この車が「万能選手」である理由の一つだ

こちらはステーションワゴン版である3シリーズツーリング。セダンとほぼ変わらぬ「攻撃力」を持ちつつ、様々な守備力にも秀でている

こちらはステーションワゴン版である3シリーズツーリング。セダンとほぼ変わらぬ「攻撃力」を持ちつつ、様々な守備力にも秀でている

【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中

【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中

文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE