レクサス新モデルの予想図 ▲まだ、影も形もないがトヨタ社内では新しいFRプラットフォームの開発が検討されていてIS級の車に用いられるという。計画にはワゴンやSUVも含まれるとのことなので、ここではシューティングブレークを予想してみた

GA-Lプラットフォームは失敗作なのか

トヨタが新たなFRプラットフォームの開発を検討していることが発覚した。FR方式の車種が減ったにもかかわらず、なぜ新しいシャシーが必要なのか。現在、採用されているGA-Lプラットフォームは失敗作だったのだろうか。

取材を通して見えてきたのは、レクサス LSやクラウンに使われているGA-Lプラットフォームは重量が重く、しかも軽量が図りにくいことだ。

それもそのはずでこのシャシーは、V8エンジンの強靭なパワーにも耐えられる構造を織り込んで開発されているのだ。

究極のスポーツカーを目指すつもりだったレクサス LC-F。ポルシェ カイエンをライバル視した、ハイパフォーマンスSUVも同プラットフォームから生み出す前提で、それらにも耐えられる高い剛性と耐久性が計算に入っていた。

結果、重くなってしまったわけだ。しかもこの2モデルはお蔵入りとなった。前述のV8エンジンを開発するマンパワーが新型コロナウイルスの影響で確保できなくなったからだ。

新開発のFRプラットフォームの正体

前述したようにGA-Lプラットフォームは重さとコストがハードルになり、格下の車に使いまわせない事態に直面している。では、トヨタが開発を検討しているFRプラットフォームは何に使われるのか。

ずばり、次世代レクサス ISとその派生車である。また、新プラットフォームはセダンだけでなくクーペのRC、さらにはワゴンやSUVへの流用も視野に入れているようだ。

次期RCは、前述したとおりV8エンジンの次世代ユニットが存在しないこともあり、V6ツインターボへのダウンサイジングが考えられる。

トヨタ アルテッツァジータ▲かつて販売されたスポーツワゴンとして思い出されるのはアルテッツァジータだ。セダンの発売から約3年後に投入されたショートワゴンになる
トヨタ アルテッツァジータ▲セダンより全長は約10cm伸ばされてハッチゲートはアルミ製となる。上下に位置を変えられるラゲージ床面ボードが備えられていた

他社で売れている商品ならば自社にも

興味深いのは、現存しないワゴンの設定だ。かつて初代IS(国内名アルテッツァ)にスポーツワゴンがラインナップされていた。

ユーティリティに重点を置いたモデルの設定はそれ以来となるが、単なるワゴンではなくスタイリッシュ路線に舵を切る可能性もある。上記のイラストは、もしトヨタがメルセデスベンツのシューティングブレークや、BMWのグランツーリスモ群を意識して開発した場合を予想したものだ。

「他社にあってウチにないのは避けたい」と考えることの多いトヨタなら実現しそうだ。

※2020年12月18日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2023年以降
■全長×全幅×全高:4765×1850×1450(mm)
■搭載エンジン:2.4L 直4+ターボ 他
 

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、トヨタ