三菱 エクリプスクロス PHEV ▲急速充電にも対応する差込口は、右リアフェンダーに設けられる。電気系の取り回しや、制御ユニットを収めるために、ボディ後部はわずかに延長される模様だ。長めのフロントオーバーハングに見合っていて、バランス的にも悪くない

PHEV投入を宣言したものの

三菱が、RVRとアウトランダーのすき間に、クーペSUVと投入されたエクリプスクロス。いまひとつ、販売に勢いがない。エクリプスクロス発表の場で、「PHEVをなるべく早く出したい。これから開発する」と宣言してから、2年が経過しようとしている。

アウトランダーでお馴染みのPHEVシステムは、床下に大容量バッテリーが搭載され、燃料を使わずに近距離移動をこなすことができるというもの。

また、アウトドアレジャーや災害時などに、電気を取り出せる給電機能もセールスポイントだ。最大出力1500Wの大出力によって、ドライヤーやコーヒーメーカーといった、消費電力の大きい家電製品を使うこともできる。

こうした魅力がエクリプスクロスにも分け与えられることで、同車の魅力が向上することは言うまでもない。
 

三菱 エクリプスクロスPHEV▲床下に大容量バッテリーが敷き詰められるなど、基本コンポーネントとレイアウトは、アウトランダーPHEV(写真)から流用される見通しだ。後輪はモーターで駆動し、最適な前後トルク配分を実現。高い走行安定性がもたらされるだろう

PHEV移植に問題発生

アウトランダーとエクリプスは、シャシーを共有していて、ホイールベースも2670mmと同じ。このため、システムを移植して、適合性を確かめれば完成か?と簡単に考えてしまう。

じつは想定外の難問が待ち受けていたのだ。どうやら、リアオーバーハングの短い現行エクリプスクロスでは、電気系の取り回しをそのまま実現することが、困難だったようだ。

そこで、わずかに全長が伸ばされる模様。後輪モーターの制御ユニットや、右リアフェンダーに設置される充電口などを、限られた寸法に収めるには、限界があったのだろう。

アウトランダーよりコンパクトな分、車重は1800kg程度にとどまるか。結果、EV走行距離もアウトランダー比+2.4kmのWLTC測定値60kmを超える公算が大きい。

PHEV投入と同時にマイチェンか

エクリプスクロスPHEVは、2020年末に予定されている、マイナーチェンジ時に加わる見通しだ。

初の手直しでは、ラジエターグリルや、フロントバンパーといった外観ディテールがリニューアルされる他、シート表皮、ディスプレイ画面付きオーディオの使い勝手なども見直されるだろう。

新ボディカラー追加によって、質感の高いイメージが醸し出される可能性もある。

※2020年4月24日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません
 

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2020年12月
■全長×全幅×全高:4520×1805×1685(mm)
■搭載エンジン:2L 直4+モーター
 

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、三菱自動車