女性ファッション誌でよく見る「コケティッシュ」ってどんな意味? ついでに車でも考えてみた
2018/04/30
「ボーイッシュ」に近いニュアンスかと思っていたが
普段は「1000円カット」なのだが、諸事情あって生まれて初めて美容院に入った。しかし初めてゆえ勝手がわからない。そのため自分は店の者に財布を丸ごと渡し、「これでオレを格好よくして」とだけ伝え、あとは雑誌を読みふけることとした。
置かれていた20代女性向けのファッション誌を読んだ。すると、誤植というか間違いを発見した。
今、女性向けのファッション界では「コケティッシュ」なる概念が流行っているようなのだが、その着こなし例がどれも「色っぽい感じ」なのだ。肩や胸元が露わになっていたり、スカートの丈がけっこう短かったりと。
「違うだろ!」
独り言を言った。コケティッシュという単語は昔よく聞いたが、それはボーイッシュというか何というか、例えば「オードリー・ヘップバーンが短髪になったような感じ」であったはずだ。
自分は盛大な間違いをカマしたその雑誌編集部をあざ笑いつつ、散髪の勘定を済ませて店外に出た。しかしふと不安になり、手元の電話機で「コケティッシュ」という単語の意味を調べてみた。
「英辞郎 on the WEB」によれば、コケティッシュ(coquettish【形】)とは「1. 男たらしの、男にこびを売る。2. なまめかしい、ちょっと色っぽくてかわいらしい」とのことだった。
なんと……間違っていたのは自分の方だった。
コケティッシュとは「ボーイッシュでかわいい感じ」ではなくて「男たらしな感じ」であったのだ。30年以上、誤って覚えたまま生きてきました。本当に申し訳ございません……と、先の編集部に心の中で陳謝した。
コケティッシュな車=男たらしな車
陳謝を終えてスッキリすると、当然ながら「では、車で考えた場合、『コケティッシュな車』とはどれのことであろうか?」との想念が浮かんでくる。や、「当然ながら」なのかどうか知らないが。
で、もしも「1. 男たらしの」という意味を採用するのであれば、これはもうコケティッシュな車=ケータハム セブン 160で決まりである。
セブンといえば自動車愛好男子の永遠の憧れ。しかし非常にスパルタンな車(要するに超不便な車)でもあるだけに、それに実際に乗っている男子はひたすらのリスペクトの対象となる。いわゆる「漢」ってやつだ。
だが普通のセブンでは若干嫌味というか、スノビッシュで鼻持ちならない感じも周囲に与えてしまうのかもしれない。だから、あえて「160」なのだ。
セブン160はいわゆる軽自動車規格。それゆえ、そこには若干の「笑い」が伴う。だが、それが逆に良いのだ。共感を呼ぶのだ。
「うは~! 軽のセブンかよ(笑)。でも……なんかいいよね」といった感じで。これぞパーフェクトな「男たらしCAR」だと断言できるだろう。
しかしここでふと思うのが、「でもオレ、別に男をたらしたくないな」ということだ。
もちろん同性にモテるのも光栄なことであり、世の中にはLGBTの方も多数いらっしゃることは知っている。しかしあくまで自分個人は、むちゃくちゃ正直に言ってしまえばやはり女性にモテたい。できれば、たらしたい。
そうなってくると、ここで本当に考えるべきはコケティッシュという言葉の本来の意味を若干変え、「女たらしの車、女性から見てなまめかしい車」とは何か? ということであるはずだ。
キーワードは「強い」「大きい」
「なまめかしい車」というと自動的にフェラーリなどの妖艶なスポーツカーが連想されるわけだが、この場合、それはちょっと違うだろう。
フェラーリなどは「男から見てなまめかしい」のであって、女性からするとまたちょっと違うはず。要するにスポーツカーというのは筆者が思うに「女神様」であって、女性に女性神をぶつけてもダメなのだ。
女性には「男性神」をぶつけなければならないのである。
自分が考える男性神的な車、つまり女性から見て「なまめかしい」と感じられる車には、「強さ」と「大きさ」が絶対的に必要なはず。「守られてる感がある」といいますか。
自分は男女同権の現代社会を否定するものでは決してないが、やはり女性はどこかで「自分の生命を守ってくれる強い男」に惹かれる傾向があると、これまでのフィールドワークから実感している。
であるならば、ここでいう「コケティッシュな車」の筆頭格はメルセデス・ベンツ Gクラスなのではないだろうか。
そもそも軍用車がベースのSUVだが、そんな予備知識などなくても一発で伝わる、いかにも守ってくれそうな強さのオーラ。
そしてその強さは物理的なものだけではない。「新車価格1000万円を軽く超える車を維持できている」という事実は、そのまま「狩りの能力が高い」という意味での強さも暗示している。ちなみに現代社会における狩りとは当然「カネを稼ぐこと」だ。
女性はこういったモロモロをGクラスから敏感に感じ取り、「うわ~コケティッシュ!(なまめかしい!)」と思うのではないかと、自分は推測するのである(あくまで推測ですが……)。
「羽生結弦」的な色気があるのはシトロエン DS3カブリオか?
同様の路線としては英国のランドローバー レンジローバーもアリだろう。
こちらもGクラス同様「強くて大きくて高い車」だが、英国製ゆえだろうか、どことなく「優しさ」みたいなニュアンスも感じられる。言うまでもないが「優しさ」というのも、世の女性陣がついついグッときてしまうポイントだ。
しかし、コケティッシュという言葉には「なまめかしい」だけではなく、「ちょっと色っぽくてかわいらしい」という意味もある。
今、女性誌を賑わせているのはむしろこちらの「色っぽいのにカワイイ」という概念なのかもしれない。
もしもそこを重視するとしたら、コケティッシュな車=シトロエン DS3カブリオということになるだろうか。
基本的にはかわいらしいのだが、しかし同時にどこか妖艶な色気も感じるという、まるでフィギュアスケート羽生結弦選手のような車。それが、シトロエン DS3カブリオであるような気がしてならない。
もちろん本来の意味でのコケティッシュな車、つまり自分のような車好きの男連中が思わずグッときてしまう、たらされてしまう、色っぽくてかわいい車はどれなのか? ということについても考えてみるべきなのだろう。
しかしそれは、車好きの男が100人いれば百通りの答えになるはず。フェラーリに萌える男もいれば、日産 マーチの改造に1000万円かけたイチローだっている……ということだ。
それゆえあまりにもキリがなくなってしまうため、「コケティッシュ」に関する妄想はとりあえず以上とさせていただきたい。敬具。
▼検索条件
ケータハム セブン160(現行型)× メルセデス・ベンツ Gクラス(現行型)× ランドローバー レンジローバー(現行型)× ランドローバー レンジローバーヴォーグ(現行型)× シトロエン DS3カブリオ(現行型)× 全国日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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