植田圭輔

植田圭輔 × ポルシェ 718 ケイマン

現在発売中の雑誌版「カーセンサー7月号」では、2.5次元作品を中心に、舞台俳優として絶大な人気を誇り、最近では声優や歌手として活躍する植田圭輔さんへのインタビュー記事を掲載している。

今回は紙幅の関係で収めることができなかったエピソードや写真を追加し、WEB用に再構成しお届け!

「車といえば一番に思い出す、あの名曲の歌詞を再現したい!」ということで、緑の中を“真っ赤なポルシェ”で走ってきました。

植田圭輔

俳優、声優、歌手

植田圭輔

うえだ・けいすけ/1989年9月5日、大阪府生まれ。2006年 第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストを機に俳優デビュー。以降いわゆる「2.5次元作品」の中心的な俳優として100を超える舞台作品に出演。2021年は舞台『鬼滅の刃』、『ワールドトリガー the Stage』などに出演予定。また、2018年『START LINE~時の轍~』でのCDメジャーデビュー以降、歌手活動も精力的に行っている。

あの懐メロに登場する、真っ赤なポルシェに憧れて

――今回は山口百恵さんの有名な曲『プレイバック Part2』に触発されて、この「真っ赤なポルシェ」をリクエストされたとのことですが?
そうなんですよ! 神宮外苑は、都心なのにかなり緑が多い場所ですよね? そんな素敵な景色の中を、ぜひ「真っ赤なポルシェ」で駆け抜けてみたかったんです。

――あの歌のAメロのとおり「緑の中を駆け抜けて」みて、いかがでした?
最高でしたね。大好きなあの歌の、超有名な歌詞ワンフレーズ分をとりあえず制覇できましたし(笑)、そしてポルシェというスポーツカーの凄さみたいなものの一端も、垣間見ることができました。

――素朴な疑問なんですが、1989年生まれである植田さんも、1978年の大ヒット曲である山口百恵さんの『プレイバック Part2』をご存じなんですね?
もちろんです! 母があの歌を大好きで、家の中で口ずさんだり、音源をかけてましたから、よ~く知ってますよ。ていうか僕世代の人間も、あの曲はみんな知ってるんじゃないですか? 緑の中を1台の真っ赤なポルシェが駆け抜けていく――という超印象的なパワーフレーズを含めて。あと僕、たぶんですが80~90年代歌謡曲のイントロクイズをやらせたら、けっこう強いですよ(笑)。

――懐メロと同時に車も昔からお好きで、現在はご自分の車も所有されているとのことですが、ポルシェに接するのは初めてですか?
はい、初めてですね。911の場合はエンジンが後ろにあったり、今回のケイマンはミッドシップで、車の前と後ろにトランクがある――みたいな基本情報は知ってましたが、間近でポルシェに触れたのは今回が人生初です。

――「初ポルシェ」はいかがでしたか?
いやもうエンジン音は素敵ですし、加速感も半端じゃない。とても気に入りました。そして山口百恵さんのあの歌の影響なのだと思いますが、緑の中を真っ赤なポルシェで走っていると、周囲の人たち全員が、本当に“全員”が、車をガン見するんですよね(笑)。それも面白かったですし、同時に「次はこの車でサーキットを走ってみたい」という気持ちにもなりましたね。

植田圭輔
植田圭輔
植田圭輔

――ポルシェではなくご自分の車の方は、普段どんな感じで使ってるんですか?
最近はほぼ休みがない状況なので、「主に仕事に使ってる」という感じですね。

――お仕事に使うというと、ホールや稽古場などまでの移動手段としてですか?
それもそうなんですが、本当に「仕事のために活用してる」って感じなんですよ。よく運転しながらセリフを覚えます。あと、僕は歌の練習も。主旋律を歌ったり、ハモりパートの練習をしたり。車ってそういうことにも使えるパーソナルなスペースじゃないですか? 大きな声も出せますし。だから、車は僕にとって趣味の対象であると同時に「大切な仕事道具」でもあるんですよね。

――植田さんが演じたり歌ったりすることの「質」と、ある意味仕事道具である車の「質」との間には、何らかの関係がありますか? いや……さすがに特に関係はないですよね?
いや、それが実はかなりあるんですよ! やっぱり、心底リラックスするためにはある程度のラグジュアリー感は正直必要だと思いますし、あとはオーディオの音質が悪いと、ハモりパートがよく聴こえなかったりもするんですよね。

――それだとハモりの練習にならない、つまり仕事になりませんね。
そう。そして運転自体が楽しい車だと、本番の昼夜公演が終わって本当にクタクタになって帰宅する際も、運転しているうちに元気になっちゃったりもするんです。そういった意味でも、「仕事の質と車の質」には何らかの関係があると感じてます。

――植田さんの場合、芸能活動を始めたのは2006年の第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでファイナリストに選ばれたのがきっかけなわけですが、その頃から「本気で俳優業をやろう」と思ってましたか?
や、いちばん最初の頃は「ちょっと有名になりたい」ぐらいの、若者にありがちな気持ちしかありませんでしたね。で、最初の仕事が舞台だったのですが、もう演出家からダメ出しされまくって、怒られ続けて……。そして当時は僕も尖ってましたから、「なんでオレばっか怒られんだよ? 意味わかんねえよ」ぐらいに感じてたんですよね。でもその初舞台で、僕はトラブルを起こしてしまい、最後までやりきることができなかったんです。

――何があったんですか?
本番中に脱水症状を起こして舞台上で気を失っちゃったんです。

――なんと!
特攻隊のお話で、気をつけして立っている――みたいなシーンだったのですが、たぶん極度の緊張のせいだったんでしょうね。そのときは周囲の先輩がなんとかつないでくれたそうですが、楽屋で意識を取り戻してから、思ったんですよね。「オレ、覚悟がぜんぜん足りなかったんだな。こんなんじゃ、芝居に本気で向き合ってる人たちに失礼だよな……」って。そこからですね。本気で、覚悟をもって俳優業という仕事に立ち向かおう――と思えるようになったのは。

植田圭輔
植田圭輔

――そんな「本気」と「覚悟」は、ポルシェという車からも感じられる部分ですよね……というのは、すみません! ちょっと話をうまくまとめようとしすぎちゃいました!
いや……あると思いますよ。僕は車の専門家ではないから細かい部分まではわかりませんが、「ポルシェという車は本気だな。ガチだな」ということだけは、ビンビンに伝わってきましたから。大阪にいる僕の父もガチな車好きなので、ぜひポルシェで大阪に帰省して、親父を横に乗っけてドライブしてみたいですね。

ポルシェ 718ケイマン
ポルシェ 718ケイマン
文/伊達軍曹、写真/阿部昌也

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伊達軍曹

インタビュアー

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。