▲最高級モデルのトレーラーハウス「ブリッケンリッジ社のパーフェクトコテージ」。リビングにキッチン、寝室、シャワー、ロフトなどを備える ▲最高級モデルのトレーラーハウス「ブリッケンリッジ社のパーフェクトコテージ」。リビングにキッチン、寝室、シャワー、ロフトなどを備える

実はかなり本格的な「ハウス」もある

シニア世代を中心に人気が高まっているキャンピングカー。「車に住みながら、全国各地を旅したい」という願望は、多くの男子の憧れではないでしょうか。しかし、「住む」という点においては、よりダイナミックな車があります。それが「トレーラーハウス」。いわば「タイヤがついた住宅」です。

「タイヤがついた住宅」と表現しましたが、この住宅の部分がピンキリ。最高級モデルは、一般住宅でも使われる2×4工法を採用。壁には断熱材、窓には断熱効果が高いペアガラス、そして内装には無垢材が使われているものもあるのだとか。価格は1000万円くらいします。

まさに家そのものではないか! 日本でも2012年の法改正により大型トレーラーハウスの公道走行が可能になりましたし、コレで全国を回れるなんて素晴らしい! と思いきや、大型トレーラーハウスの公道走行には、大型牽引免許や行政への道路使用許可が必要。そもそも所管官庁である国土交通省は、同じ場所に一定期間留まることを念頭においており、頻繁に移動することを想定していないようです……。

トレーラーハウスは「家」として認めてもらえるのか?

では、安い土地を購入してトレーラーハウスを購入すれば、格安で家を持てるかといえば、必ずしもそうではないようです。日本トレーラーハウス協会によると

「トレーラーを一定の場所に定置し、土地側の給排水配管電気等の接続が工具を使用しないで脱着できる構造体であり、公道に至る通路が敷地内に確保されており、障害物がなく随時かつ任意に移動できる状態で設置したものをトレーラーハウスと呼ぶ」

とのこと。もし、家のように水道や電気をしっかりと引くと、随時かつ任意に移動できる状態でなくなったと見なされ、その時点でトレーラーハウスではなく違法建築物に該当するので居住はできないそう。

しっかりと基準を守ることが前提ですが、トレーラーハウスの使用方法としては、敷地内に子供部屋として設置したり、別荘として使ったりなどが考えられます。他にも、借地での事務所や店舗にも使われているようです。中古車販売店でも、トレーラーハウスを使っている店舗を見たことがあります。また、東日本大震災の際には、仮設の店舗や事務所、宿泊所として使用された例もあります。実はトレーラーハウスも復興に一役買っていたのです。

このようにいろいろな所で活用されているトレーラーハウスですが、気ままに旅をしたり、半永久的に「家」として使用するのはちょっとハードルが高そうです。

▲「ブリッケンリッジ社のパーフェクトコテージ」のリビング。ソファを置いてもこの広さ ▲「ブリッケンリッジ社のパーフェクトコテージ」のリビング。ソファを置いてもこの広さ
「ブリッケンリッジ社のパーフェクトコテージ」のキッチン。広いし収納もたくさんついて使い勝手も良さそう 「ブリッケンリッジ社のパーフェクトコテージ」のキッチン。広いし収納もたくさんついて使い勝手も良さそう
text/コージー林田 photo/トレーラーハウスデベロップメント