今回のテーマ

-予算100万円!アナタはどんな車を買いますか?-

「100万円ぐらいでイイ車ない?」
そんな声をよく耳にするが、実際に多くのユーザーが中古車購入の目安としているのが予算100万円 現行モデルでも100車種以上、旧型、絶版を含むとそう簡単には選べないほどの車種数に上る そこで自動車評論家の2人にアナタなら予算100万円でどんな楽しい車選びをするのかを聞いてみました
森口将之

王道で攻めるなら初代パンダ
個人的にはルノーキャトルに乗りたい



森口将之さん●モータージャーナリスト
もりぐち まさゆき 車雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身
フランス車に特に強いライター
フィアットパンダ  「100ドロ」って知ってますか? 正式名称は「100万円でドロ沼に陥る!」。昔僕もいた某誌の年末恒例企画です。紅白みたいなもんでしょうか。もちろん制作費は天と地ほど違いますが、顔ぶれの豪華さじゃ負けていません。昨年はロールスロイスが登場したぐらいですから。
 でもですね、背伸びはイケマセン。取材で数え切れないほどの100ドロカーと出会い、実際に何台か買ったこともある身として、そう痛感してます。車両は安く買えても、部品代や整備代はディスカウントしてないのですから。そもそも100ドロの客は、自分を含めてお金がないわけで、せっかくの楽しいドロ沼が、苦しい泥沼になってしまいます。と言いつつ買った車は目いっぱい自慢したい、というのがワガママなユーザー心理。ということで、人に勧めるなら初代フィアットパンダにします。あのジウジアーロがバカンス返上で設計に没頭し、「ワタシの最高傑作の一つ」という名車。このストーリーだけで元が取れるってもんです。
 でも自分は脇役好みでありまして。世界一のB級大衆車、ルノーキャトルを選びます。同じフランス生まれのシトロエン2CVの陰に隠れがちだけれど、生産台数はその2倍以上、813万台も作ってます。しかも開発コンセプトは、2CVが「こうもり傘にルノー4(キャトル)車輪を付けた車」と哲学めいているのに対して、キャトルは「ブルージーンズのような車」などと呼ばれます。この脱力感がまたいいでしょう。そしてなによりも自分は、2CVは乗ったけれど、キャトルは所有経験がない。フランス車好きとして、ベーシックカーの2大巨頭は押さえておかないと、という思いもあるんです。生産中止から15年たって、実用として使えるのもそろそろって頃だし、行っといたほうがいいですかね?