日産は電気自動車(EV)用の急速充電器を改良し12月2日(月)より発売する。静粛性の向上や充電コネクターの軽量化など、使い勝手が改善されているほか、ICカードの読み取りなど別売りの課金システムが本体に装着できるようになっている。

急速充電器は2011年11月から日産が販売している。改良された急速充電器は日産リーフを約30分で8割まで充電できる。標準仕様に加えて寒冷地仕様と耐塩化の機能があり、バリエーションに応じて139万6500~185万8500円と、従来品より約60万円高くなっている。

ただし、価格は国のインフラ補助金を利用することで、最大で充電器本体と工事費の3分の2の補助を受けることが可能。そのため、急速充電器本体の実質価格は約45万円~となっている。また交換が必要な部品数を減らすことで、保守コストも低減されている。

現在、国内に設置されている急速充電器は約1900基。ほとんどがディーラーや地方自治体の施設、高速道路のサービスエリア、パーキングエリアなどで、日産はディーラーに設置している急速充電器の数を、現在の約800店舗からさらに増やしていく予定だが、充電を気にせずにEVを走らせるのは難しいのが現状だ。

11月からは、日産をはじめトヨタ、ホンダ、三菱の4社が共同し、充電インフラの普及に向けた支援を決定している。商業施設や宿泊施設など、一定の要件を満たす施設に設置する充電器に対し、設置費用や維持費用がサポートされる。2014年春には「会員制充電サービス運営組織」も設立され、充電インフラの普及はさらに後押しされる予定だ。

標準仕様と寒冷地仕様は12月2日に発売。標準仕様+耐塩と寒冷地仕様+耐塩は2014年1月下旬の発売が予定されている

標準仕様と寒冷地仕様は12月2日に発売。標準仕様+耐塩と寒冷地仕様+耐塩は2014年1月下旬の発売が予定されている

日産は2014年度中に電気商用車「e-NV200」を日本市場に投入予定。EVのバリエーションも徐々に広がっていきそうだ

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