トヨタとEV開発を進めるマツダ
2017/06/27
トヨタとの距離を縮小
自動車メーカーが直面している技術的な課題が電動化だ。すでにハイブリッドやEVを手がけているメーカーが存在する一方で、体力の面で劣る中規模メーカーは、提携関係を築くなど、何らかの方法で技術をまかなう必要がある。マツダも例外ではない。
マツダがトヨタとEV(電気自動車)を共同開発している。両社ともEVブームとは一定の距離を置いてきたが、アメリカでの燃費およびZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)規制などに加え、深刻な大気汚染に悩む中国政府が「新エネルギー車」として、EVの普及に力を入れ始めている。
これらを踏まえ、開発や量産コストを分担しながら、EVをラインナップに加えることにしたようだ。マツダは、アクセラ級のCセグメント車で実現する模様だ。
EVに関して、微妙な発言をするマツダ
トヨタとマツダの両社は、2015年5月に包括提携に向けた覚書に調印。これまでトヨタが、ハイブリッド技術をマツダにライセンス供与したり、メキシコ産のマツダ2(デミオ)をトヨタにOEM供給(北米向け)してきた関係を、さらに発展させる方針を明らかにしていた。こうした中、明らかになったEVの共同開発は、数少ない目に見える成果と言えるだろう。マツダの小飼CEOは2016年末、報道各社のインタビューに「2019年に独自開発のEVを発売する」と答えている。今回の共同開発話とは、微妙に食い違う。
しかし、一方で小飼CEOは、「技術開発で協調できる部分があれば、(トヨタと)一緒にやっていく」とも発言している。「独自」「共同」の言葉はいろいろな受け止め方があり、自社のエンジニアや系列サプライヤーに配慮して、独自性を強調したのかもしれない。実際のEV開発は、エンジニア数や蓄電池への知見などで、圧倒的な強みを持つトヨタ主導で行われているようだ。
マツダのあのエンジンが再登場か
マツダには、ロータリーエンジンという技術資産がある。軽量コンパクトで、振動が極めて少ないという利点はEVの弱点を補うレンジエクステンダーに最適だ。過去にプロトタイプが披露されたように、実用化に向けての研究も進んでいる。トヨタへの供給を含め、共同開発プロジェクトでどのように扱われるかは不明だが、このロータリーの存在も小飼CEOの強気な発言の背景になっていることは、間違いないだろう。
三菱 i-MiEVや、日産 リーフの登場から約10年が経過する2020年目前、第2世代スカイアクティブで快走しているであろう、マツダが発売するEVの実力が楽しみだ。
※2017年6月27日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません
【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2019年以降
■全長×全幅×全高:4500×1800×1450(mm)
■搭載エンジン:電気モーター
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