【電気自動車作ってみた】どんな車がEV化に向いている?
2016/10/12
▲古川さんが最近手に入れた初代ロードスター。中古車としては値頃感もあるし、軽量でFRだし、トランクにバッテリーを搭載しやすいEV化するには軽量・FR・MT車が理想
マツダ CX-3を買おうという、50を過ぎたおっさんのささやかな老後の楽しみをないがしろにして、中古車を電気自動車に改造して乗るならあの車がいいんじゃないか、これも捨てがたいなどと我がことのようにはしゃいでいる編集部Nと、改造電気自動車のスペシャリストであるオズコーポレーションの古川さん。
そうだよね、車を買うときってこうやって選んでいるときが一番楽しいよね……って和んでいる場合じゃない!
ぴえいる(以下、ぴ): 金を払うのは、私だぞ! 私の未来の愛車、つまりは私の未来をもてあそぶんじゃない!
編集部N(以下、N): じゃあ、ぴえいるさんは何をEVにしたいですか?
そう問われてハタと気がつく。そういや、どんな車がEV化に向いているんだ?
古川さん(以下、F): まずエンジンを取り出して代わりにモーターを入れるスペースが必要だから……まあ作業しやすいのはFRですね。FFだとフロントがぎっしりしていて、3気筒や4気筒くらいの小さいエンジンだとモーターが入らない可能性があります
N: 6気筒とか8気筒の車はどうですか?
F: その手のエンジンを積んでいる車は、今度はサイズも大きくて車重も増えがちでしょ? そうなるとモーターも大きくしないといけないし、バッテリーも余計に積む必要がでてきます
N: なるほど。ガソリン車でもサイズの大きい車は排気量の大きいエンジンを積むのと同じ理屈か
F: その点、FRなら駆動させるパーツがある程度リアに行くから、FFよりはエンジンルームが空くんですよ
ぴ: つまり、軽量なFR車が理想ということですか
N: なるほど! だから軽トラがいいって言ってたんだ! 軽トラは軽量でFR、しかもバッテリーを積める荷台がありますからね
F: さらに、ミッションはMTの方が理想。ATだとギアチェンジをスムーズにするためにクリープ現象を擬似的に作ってあげないといけなくなるんです。その分、余計なパーツが必要になります
N: ぱいせん、軽量でFRのMT車、何がいいですか?
ぴ: でも古川さん、トヨタ プリウスやホンダ シティもEVにしてますよね?
F: (笑)ま、結局なんとかやってしまいますね。でも、簡単なのは軽量でFRのMT車ですよ
N: どうせ中古車を買ってEVにするなら、やっぱり今まで誰もやったことのない車がいいですよ!
▲古川さんがかつて手がけたホンダ シティカブリオレのEV。FFだが軽量で、MT車ということで選ばれたそのとき、ふとFRでこそないが、コンパクトでMT車も豊富な車が頭に浮かんだ。しかも予算100万円(本当はマツダ CX3が欲しかったから300万円だったけれど、EV化に200万円かかるので)で買えそうだ。
ぴ: そうだ、初代パンダ!
F: なるほど。パンダはまだ誰もやったことがないんじゃないかな
N: クラシックミニや初代フィアット 500みたいに中古車価格が上がっているわけじゃないし……さすが長年カーセンサーをやっている、ぱいせん!
人間、50歳になっても褒められればすぐ木に登る。「じゃあ、パンダをEV化できるかどうか、早速古川さんと見に行きましょうよ!」とNの意見に激しく同意して、一緒に販売店へと向かった。
勢いでパンダ購入? ルノー 4も捨てがたい!?
やって来たのは神奈川県横浜市にあるエーゼット オート横浜。イタリアやフランスのレアな車からお手頃な車、50のおっさんには懐かしい車まで所狭しと置いてある。到着するやいなや、古川さんはNが見つけていたMTのパンダをチェック。
最初に見たのはキャブレター式の4気筒OHVエンジンを搭載した並行輸入のパンダ。ボンネットを開けてモーターが入るかどうか確認。どうやらエンジンを取って、代わりにモーターを取り付けるスペースがありそうだ。
▲エンジンスペースを確認する古川さん。この車のエンジンはOHVだが、中古車の台数が多いのはインジェクション式の4気筒SOHCエンジン搭載車。インジェクション式の4気筒SOHCエンジン搭載車でもEV化はできそうだが、OHVの方が部品点数が少なく、またこの車はクーラーもないためEV化には向いているという
▲不要となる燃料タンクを外して、そこにバッテリーを載せられるか確認。古川さんいわく「ちょっと変わった形状の足回りだから、リフトアップしてみないとわからない」が、少しは載せられそう。他にトランクに搭載することも検討N: じゃ、あとはお金を払って……
ぴ: ま、まだ買うと決めたわけでは……
いきなり現実が目の前にやってきたら、木に登っていたことを思い出した。
N: えーここまできて? パンダでいいじゃないですか!
F: それともルノー 4にします? これもイケそうですよ
▲インパネにあるシフトレバーがエンジンの上を通ってミッションにつながる、独特のエンジン/ミッションのレイアウトを持つルノー 4。古川さんいわく、これもエンジンルームに余裕があり、EV化できそうとのことN: あ、あっちにルノー エクスプレスがある!
F: あれならラゲージスペースが大きいし、バッテリーがたくさん……
やっぱり、私の未来はもて遊ばれているのか?
【関連リンク】
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(前編)
【フェルディナント・ヤマグチ×編集長 時事放談】自動車業界と半導体について(後編)
【フェルディナント・ヤマグチ×編集長 時事放談】自動車業界と半導体について(中編)
マツダ CX-8の中古車流通量が増加中! 総額250万円からの選択肢が豊富に
【試乗】マツダ MAZDA3ファストバック|その特徴的なデザインにも負けないパワーユニットへ進化した「SKYACTIV X」
おでかけは、あえて2台で。家族のようなランドローバー ディフェンダー90とルノー カングー
本場ドイツの名門レース「DTM」が、再び注目を集めるワケ!【EDGE MOTORSPORTS】
【マンガ】ホンダ N-ONE(現行型)ってどんな車? 詳しく解説【人気車ゼミ】
ホンダがスポーツEVを投入か!?
手ごろなライトウェイトFRスポーツだったマツダ ロードスター(2代目・NB型)も値上がり傾向。狙うなら今しかない!









