ポルシェ 911ターボ (大谷達也)【海外試乗】
2013/10/10

もっと速いスポーツカーはほかにもあるし、もっとひと目を引くスポーツカーだってなくはない。でも、実際に「使い切れるパフォーマンス」という意味で新型911ターボは最強の存在。運転好きで、機械としてのモノの良さがわかる人にこそオススメである
もはやひれ伏すしかない全方位型スーパーカー
スポーツカー界における世紀の一大事業
今年で50年周年を迎えたポルシェ 911の歩みは、快適性や信頼性を高め、安全性や効率を改善する歴史でもあった。おかげで最新の991は、もはやヘタなスポーツセダン顔負けなくらい乗り心地がいいし、毎日乗っても不満が出そうにないほど実用性が高い。
ただし、本来であればスポーツカーにとって堕落ともなりかねないそうした施策を実施しながら、スポーツカーとしての本質的な価値をしっかり守り続けている点にこそ、ポルシェのポルシェたるゆえんがある。それは、生半可なスポーツカーメーカーには真似ができない気高い志と名門としての強い責任感が支えた、「スポーツカー界における世紀の一大事業」といえる。
このほどデビューした新型911ターボも、まったく同様の進化を果たしていた。なにしろ快適性と操安性のバランスにかけては傑出した存在の911シャシーに、従来型よりピックアップを改善した3.8L水平対向6気筒ターボエンジンを搭載。
もう、これだけでも十分に完成度の高いGTカーができあがっていただろうに、新型GT3でデビューしたリアアクスルステアリングを採用して基本的なスタビリティ高めたうえで、その副産物としてステアリングギア比を10%速めることに成功。
さらにディファレンシャルロック機構を盛り込んだPVT Plus(ポルシェ・トルク・ベクトリング プラス)、それにPDCC(ポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロールシステム)を搭載し、ハンドリングレスポンスに磨きをかけたのである。
快適にして俊敏
試乗会の舞台はドイツ北部にあるビルスターベルグという名のサーキット。低中速のS字コーナーが続くこのコースはスポーツカーの俊敏性を確認するにはうってつけだが、新型911ターボは1.6トンという車重が信じられないほどシャープなハンドリングを示した。
快適にして俊敏。
次期モデルに何を期待したらいいのか想像もできないほど、新型は全方位的な進化を遂げていたのである。
SPECIFICATIONS
グレード | TURBO S | ||
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | 7DCT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4506×1880×1296 | ||
ホイールベース(mm) | 2450 | ||
車両重量(kg) | 1605 | ||
乗車定員(人) | 4 | ||
エンジン種類 | 水平対向6DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 3800 | ||
最高出力[ps/rpm] | 560/6500-6750 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 700/2100-4250 | ||
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