M・ベンツ Sクラス ハイブリッド ロング 【ニューモデル】
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2009/10/26
軽量小型化の進むハイブリッドシステム
↑輸入車初となるハイブリッドモデルを追加(左) ウッドトリムやクロームパーツを増やし質感を高めた内装。夜間に室内を照らすアンビエントライトは3色から選択可能に(右)
輸入車初のハイブリッドで、エコカー減税対象車。鳴り物入りで登場したSクラスハイブリッド。先に発売されているドイツでもすでにSクラスの約2割を占めるセールスを記録しているという。ちなみに彼の地での車名はS400ハイブリッド。350と550の間の立ち位置ということらしいが、日本ではハイブリッドのみとなった。エンジンはS350に搭載される3.5LのV6をベースに20ps/16.3㎏-mをアドオンする薄型モーターを組み合わせたもの。いわゆるトヨタ式フルハイブリッドではなく、EV走行はしないホンダ同様のパラレル式だ。ただし、エンジンルーム内のバルクヘッド際に収まる量産車世界初搭載のリチウムイオンバッテリーは重量約28㎏と驚くほど軽量コンパクト。
エンジンルームをのぞきこむとその小ささをひと目で確認できるモーターも重量はわずか20㎏と、システムが小型化されたことで、レクサスLSに見られるようなトランクルームへの干渉がない。ガソリン車とまったく同じ524Lのトランク容量を確保したことは、朗報と言えるだろう。
運転席に乗り込んでハイブリッドであると気づかされるのは、メーター内のバッテリーやモーターアシスト状況を表示するエナジーフローディスプレイとセンターパネルに控えめに飾られたHYBRIDのエンブレムくらいだ。
ハイブリッドであることを気づかせないほど違和感なし
↑減速時のエネルギーを回収し、バッテリーを充電する回生ブレーキを搭載(左)軽量かつ小型なリチウムイオンバッテリーはエンジンルーム内に収まる(右)
発進の手順はガソリン車とまったく同じ。動きだしにもまったく違和感はなく、アクセルを踏み込むとモーターがアシストを始める。ディスプレイを見ていなければ、モーターが介在することに気づかないほどスムーズに動作する。ブレーキは制動初期には回生ブレーキが作動、さらに強く踏み込むと通常の油圧ブレーキも働きだす。急ブレーキの際には油圧ブレーキのみと、速度やペダルの踏み込みスピードに応じて統合制御しているという。特に回生ブレーキ作動時にはグググッという独特のタッチが足の裏に伝わってくる。最初は多少の違和感を覚えたが、低速時のスピードコントロールが難しいというわけではなく、慣れの問題かと思った。
気になる燃費は高速道路で13㎞/L台、渋滞路も含めた街中で9㎞/L台と、約200㎞を走行して、平均で10・15モード燃費11.2㎞/Lとほぼ同じ数値を記録。これはS350比約30%プラスという。
このシステムのコンパクトさを見るにつけ、欧州勢のハイブリッド化ももうすぐだろう。実はこれ、Eクラスにもそのまんま搭載可能という。輸入車もまたおもしろくなりそうだ。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | HYBRID ロング |
全長×全幅×全高(mm) | 5230×1870×1485 |
車両重量(kg) | 2070 |
エンジン種類 | V6DOHC+モーター |
総排気量(cc) | 3497 |
最高出力[ps/rpm] | 279ps/6000rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 35.7㎏-m/3000~5500rpm |
車両本体価格 | 1405.0万円 |
M・ベンツ Sクラス ハイブリッド ロング 【ニューモデル】/試乗レポート
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