デザイン、走り、すべてが軽快。カジュアルメルセデス

  • M・ベンツ Cクラス スポーツクーペ 走り|ニューモデル試乗
  • M・ベンツ Cクラス スポーツクーペ リアスタイル|ニューモデル試乗
コンセプト

女性に乗ってもらいたい新開発の小型クーペ

試乗会場で私のメモ書きの様子を見たプレスの方に「クーペではなくて、スポーツクーペです」と言われてしまった。スポーツクーペは初登場モデルである。現在メルセデスにはSLK、CLK、CLなどロードスター、クーペ、カブリオレといったスポーティモデルがある。スポーツクーペもこの一員と考え、スポーツモデルのラインナップの幅、果てはユーザーの幅を広げたいと言う。

セダンやワゴンではファミリィ層をユーザーターゲットに挙げているものの、スポーツクーペでは2ドアモデルらしく、若者や熟年夫婦はもちろんだが、今回は特に女性にユーザーターゲットを設定している。アベンチュリオレンジという明るいカラーの採用はまさに女性ユーザーを意識したものだ。
室内&荷室空間

コンサバだけどスポーティ。2ドアだけど後席も快適

スポーツクーペは何と言ってもフォルムが特徴的である。さらに言えば大きく開く全車ブラックで統一したスライディングルーフが新鮮かつスポーツクーペをより印象強いモデルにしているのではないか。スライディングルーフ採用モデルはそれを閉めた状態だとサンルーフ分、ヘッドクリアランスを取られてしまうことになり、大柄の人が乗ったり着座位置を高く取ると圧迫感を感じる場合もある。だが、頭上が広く開いたときの開放感は新鮮、もちろん気持ちもいい。

インパネやステアリングホイール、ファブリックシートの表皮などは専用デザインを採用し、Cクラスとはいえ独特の雰囲気がある。居住スペースは大人4人が快適に過ごせるスペースを確保。ラゲージスペースも十分な広さだろう。
  • M・ベンツ Cクラス スポーツクーペ リアシート|ニューモデル試乗
  • M・ベンツ Cクラス スポーツクーペ ポップアップ式パノラミック・スライデインングルーフ|ニューモデル試乗
ドライブフィール

スポーツカーではないがテイストを楽しむには○

スポーツクーペは基本的にはセダンと同じシャーシを採用している。が、スポーツクーペ用のチューニングが施され超スポーティとか、スポーツカーのようなハンドリングとは言わないまでも、スマートに走り、しなやかな乗り心地ながら、軽快さも感じられる。

また、AMGデザインのエアロやホイール&ワイドタイヤとともに専用スポーツサスペンションを採用しているスポーツラインも興味深い。サスペンションストロークがやや短めで、軽快かつコーナーでの安定感の高いハンドリングが得られる。

搭載エンジンは2Lスーパーチャージャーのみ。もっとトルクがあってもいいかもしれないが、伸びやかな加速性能は必要十分で、バランスのよさは感じられた。
こんな人にオススメ
快適性を求めるのならヘッドクリアランスの十分な標準モデルでいいか…。しかしスライディングルーフ(20万円)を採用するとリアウインドウまでガラスエリアが続くような造形が得られる。スポーツクーペの魅力はやはりデザインにあり。そこでファブリックシートもオススメ。
SPECIFICATIONS
グレード C200 コンプレッサー スポーツライン
駆動方式 FR
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4345 x 1730 x 1405
ホイールベース(mm) 2715
車両重量(kg) 1470
乗車定員 4人
エンジン種類 直列4気筒DOHCスーパーチャージャー
総排気量(cc) 1998
最高出力 120kW(163ps)/5300rpm
最大トルク 230N・m(23.5kg-m)/2500~4800rpm
車両本体価格 450万円
写真:桜井健雄 文:飯田裕子