メルセデス・ベンツ Eクラスクーペ 【ニューモデル】
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
タグ: クーペ
2009/09/28
14年ぶりに復活した美しいクーペ
↑Bピラーレスのサイドウインドウはフロントからリアまでフルオープンが可能(左)エアコンのダイヤルが廃され、すっきりとしたインパネ。シフトセレクターの後方にAVシステム操作用ダイヤルが付く(右)
誰が見ても、それが新型Eクラスの血族だということは明らか。しかしこちらは圧倒的にエレガントで華がある。124型以来実に3世代ぶりにEクラスクーペが帰ってきた。フロントマスクをはじめ、スタイリングにはセダンと共通のモチーフが随所にちりばめられているが、実はボディパネルにセダンと共用のものは一点もなく、そのシルエットはまるで別の車である。特にサイドビューは、メルセデスのクーペの伝統として継承されてきたピラーレスのサイドウインドウと、緩やかなアーチを描くルーフ、そしてそこから滑らかに絞り込まれていくリアエンド等々が相まって、惚れ惚れするほどの流麗さだ。しかも単に美しいだけでなく、CD値0.24という量産車世界最高の優れた空力特性をも実現しているのである。まさに機能と美の完璧な融合と言える。
インテリアもセダンとは別物。ATのセレクターレバーもコラムではなくフロアから生えている。シートは前後ともハイバックタイプで後席は2人掛け。乗車定員は4名である。
人生を楽しむことを忘れたくない大人にふさわしい
↑前席を倒すと自動で席が前へ移動し、後席への乗降をアシストする(左)夜間時に自車の存在をアピールするLEDナイトドライビングライトを装着(右)
E550クーペはV型8気筒5.5Lエンジンを搭載する。同じエンジンを積むE550セダンより140㎏も軽い車重のおかげで走りはパワフルそのもの。しかも電子制御式減衰力可変ダンパーやギア比をクイックにしたステアリング、18インチタイヤなどをセットにしたダイナミックハンドリングパッケージを標準装備とすることで、フットワークもV型8気筒エンジンをフロントに積むとは思えないほど反応鋭いものに躾けられているから、大排気量FRスポーツらしい走りの醍醐味を満喫できる。もっと軽やかな走りがお望みならE350クーペがお勧めだ。こちらは車重がさらに60㎏軽いだけでなく、V型6気筒3.5Lエンジンの吹け上がりやレスポンスも軽快。ダイナミックハンドリングパッケージはオプションとなるが、そもそもセダンより125㎜短いホイールベースのおかげで、それナシでも動きは俊敏なのだ。17インチタイヤの当たりのソフトさも相まって、快適かつ爽快な走りを楽しめる。
美しく、走りも良い。さらにはこのEクラスクーペ、歩行者保護用のアクティブボンネットや居眠りを警告するアテンションアシスト等々セダンと同じく安全装備も充実。4座クーペの贅沢な世界に何の憂いもなく浸ることができる。
苦境の時代にも人生を楽しむことを忘れたくない。そんな大人にふさわしいクーペの登場だ。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | E350クーペ | E550クーペ |
全長×全幅×全高(mm) | 4705× 1785× 1395 |
4715× 1785× 1395 |
車両重量(kg) | 1670 | 1730 |
エンジン種類 | V6DOHC | V8DOHC |
総排気量(cc) | 3497 | 5461 |
最高出力[ps/rpm] | 272ps/6000rpm | 387ps/6000rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 35.7kg-m/ 2400~5000rpm |
54.0kg-m/ 2800~4800rpm |
車両本体価格 | 860.0万円 | 1095.0万円 |
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