真の高級を演出する滑らかな走りと極めて高い静粛性

(Tester/松下宏 Photo/篠原晃一)

コンセプト
クラウンのフラッグシップとなる新しいハイブリッド

トヨタ クラウン ハイブリッド リアスタイル|ニューモデル試乗トヨタ クラウン ハイブリッド 全面液晶メーター|ニューモデル試乗
ロイヤル系とアスリート系を揃えるクラウンに、フラッグシップモデルとなる新しいシリーズとして設定されたのがハイブリッド。すでに2月にロイヤル系などと同時に発表されていたが、発売はやや遅れてGW連休明けからとなった。

外観はグリルデザインやボディカラーに専用のものが用意されるほか、インテリア回りも世界初となる全面液晶メーターを採用するなど、先進的なイメージをもつ車らしさが見られる。また歩行者を検知するナイトビューなどハイブリッドのみの装備も設定される。注目のハイブリッドシステムはレクサスGSに搭載されたFR車用システムを改良して移植したもので、すでに定評を得ている3.5L V6エンジンと電気モーターを組み合わせて走る仕組みだ。

室内&荷室空間
液晶メーターの画面を使うウエルカム演出に大満足!!

トヨタ クラウン ハイブリッド ミッション|ニューモデル試乗トヨタ クラウン ハイブリッド ウエルカム演出|ニューモデル試乗
クラウンハイブリッドに乗り込んでドアを閉じると、全面に液晶を使ったファイングラフィックメーターが動き出す。クラウンのシルエットやロゴを映し出し、メーターが回転しながら立ち上がってくる。この“ウエルカムな演出”でハイブリッドが並の車とは大きく違うことがわかる。ファイングラフィックメーターは走行モードに応じて画面が切り替わるほか、オプションのナイトビューを使うときには、そのモニターとして使われる。

インテリアではほかにハイブリッド専用のパネルなども用意されるが、全体的にはロイヤル系やアスリート系と変わらない。バッテリーの搭載によってラゲージスペースはやや小さくなったが、影響は最小限にとどめられている。

ドライブフィール
静かで滑らかなEVモードはハイブリッドだけの魅力だ

トヨタ クラウン ハイブリッド 走り|ニューモデル試乗
状況にもよるが、走り出した当初はすぐにはエンジンがかからない。EVモードを選択すれば、さらにエンジンの始動を抑えて走ることができる。このときの静かさや滑らかさがまずハイブリッドならではのものだ。そもそもクラウンは相当に静かな車なので、ハイブリッドがさらに格段に静かになるわけではないが、並の車とは違う走りが得られる。

アクセルを踏み込んでエンジンを始動させた後は、パワフルなエンジンと電気モーターによって豪快な走りを楽しむこともできる。ただ、パフォーマンスを重視したGS450hと違って、クラウンハイブリッドは滑らかな走りに重きが置かれている。快適な乗り心地と合わせてクラウンならではの走りの気持ち良さが特徴だ。

こんな人にオススメ

クラウンハイブリッドは価格も600万円前後と相当に高い。ナイトビューなどのオプションを装着すれば700万円を超える。この価格帯の車を個人で買えるユーザーは少ない。オーナーが自ら運転するか、後席に座るかはともかく、法人として購入するケースが多くなると思う。企業イメージを重視する法人に最適の車だ。
主要諸元のグレード ハイブリッド
駆動方式 FR
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4870×1795×1470
ホイールベース(mm) 2850
車両重量(kg) 1840
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6 DOHC+モーター
総排気量(cc) 3564
最高出力[kW(ps)rpm] 218kW(296ps)/6400rpm+147kW(200ps)
最大トルク[N・m/rpm] 368N・m(37.5kg-m)/4800rpm+275N・m(28.0kg-m)
10・15モード燃費(km/L) 15.8
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/65
車両本体価格 619.0万円