スバル VIZIV FUTURE CONCEPTも魅力的だけど、XVで「足るを知る」を知る 【東京モーターショー2015】
カテゴリー: クルマ
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2015/10/29
「きっと、あなたのココロが走り出す。」“Your Heart Will Race.”そんなテーマをもつ東京モーターショー2015の見どころとして各メーカーのコンセプトカーたちは外せない。コンセプトカーは今すぐには手に入らないけれど、今買える車たちだって、その時代時代の人々が考えた素敵な未来を具現化するために生まれてきたのだ。今回は最新のコンセプトカーがもつテーマに通ずる「今、手に入る車たち」をセレクトした。
その先にある自動運転をにらみ自慢のアイサイトがさらに進化
スバルがワールドプレミア(世界初公開)する目玉の一つが「SUBARU VIZIV FUTURE CONCEPT(スバル ヴィジヴ フューチャー コンセプト)」。新型SUVとして提案されるヴィジヴ フューチャー コンセプトは「安心で愉しい」クルマ作りの将来ビジョンを具現化したモデルで、アクティブに出かけたくなるデザインに加え、アイサイトを進化させた先にある自動運転技術や、ダウンサイジングターボとハイブリッドシステムを組み合わせたパワーユニットの採用など、スバルらしい技術を提案している。
ボディデザインはスバルAWDの信頼感を表現した力強く張り出すフェンダーと合わせ、安全性、安心感と愉しさを想起させるデザインを採用。インテリアはベージュと黒のコントラストに加え、内外装共通のアクセントカラーとしてオレンジを用いることで「スポーティで愉しい空間」を演出している。
技術面ではアイサイトによる高度な前方認識と全方位レーダーの組み合わせにより、車両周囲の交通環境や危険リスクを全方位で把握。そして高精度GPSなどを活用することで自車位置を高精度に特定し、走行経路上のカーブ、車線等に応じた最適な制御を行なう。これら技術により前方直進時の衝突回避に加え、交差点右左折時や後退時の車両や自転車、歩行者との全方位での衝突回避を実現。さらに高速道路上における全車速での自動運転や、駐車場での自動駐車を実現していくという。
パワーユニットはXVハイブリッドで導入したシステムを全面進化させた次世代型ハイブリッドシステム。次世代ダウンサイジング直噴ターボエンジンとの組み合わせで燃費性能を向上させている。またプロペラシャフトを廃止したことで、AWDでありながらフラットなフロアを実現しているのも特徴だ。
現時点でコレに近い魅力を備えているスバル車といえば……
市販間近と噂されるヴィジヴ フューチャー コンセプトだけあってスペック面の解説が長くなってしまったが、それだけ「市販前の最終型に近い」ということであり、各種安全性とスバルらしい「愉しさ」が同居しているはずの市販バージョンには強い期待を抱かざるを得ない。詳細はもちろん不明だが、もしかしたらコレが「次期型フォレスター」なのかもしれない。
その登場を待ってみるのもステキな話だが、とりあえず現時点ではヴィジヴ フューチャー コンセプトが備える美点に近いモノを確実に備えている何らかの現行あるいは旧型モデルに乗るしかない。しかし様々な安全性能やハイテク装備がここまで進化してしまうと、対抗できるモデルを探すのはなかなか難しいが、しいて言えば現行スバルXVハイブリッドの「2.0i-L アイサイト」が、ヴィジヴ フューチャー コンセプトに近い魅力を備えた1台ではあるだろう。
次世代アイサイトが登場するまではコレで十分以上
直接対決(?)をするなら車格的にはフォレスターを当てるべきなのだろうが、最新コンセプトカーと張り合うためには設計年次の新しさが欲しいところ。それゆえ推しはXVとなるわけだ。で、XVにおいてスバルがうたっている「新しいヒラメキのスイッチが入る独創的なスタイル」というのはまさにそのとおりであり、見方や趣味にもよるだろうが、個人的にはヴィジヴ フューチャー コンセプトにも決して負けないステキな外観デザインであると思う。
まあハイブリッドシステムにしてもアイサイト関連にしても1世代以上の開きがあるため、全体的にはヴィジヴ フューチャー コンセプトのほうが上であろうことは言うまでもないが、かといってXVハイブリッド2.0i-L アイサイトの動力性能や燃費性能、そしてアイサイトの機能にさほどの不満があるわけではない。というか「全然OKでしょう」と言うこともできる。
ヴィジヴ フューチャー コンセプトが次期フォレスターとしてほぼそのままの形で販売されるかどうかはわからないが、仮にそうだとしてもデリバリー開始はまだ先の話であり、さらに「お手頃な中古車」になるのはずいぶん先のことだ。それまでの間はスバルXVハイブリッド2.0i-L アイサイトを駆って、それこそ「安心で愉しい」「スポーティで愉しい」車生活を存分に楽しんでおくのは、わたしたちの人生にとって大きなプラスになることは間違いないだろう。