いつのまにか気がつけば
だいぶ身近な存在になっていた車たち

中古車相場って、よくよく見ると結構なスピードで変動しています。現行型から旧型になった場合や、景気変動、消費者嗜好の変化などが要因に挙げられます。ピックアップした10台は、ちょっと前まで高値安定していた車ばかりです。ようやく中古車相場がこなれてきて、優れたコストパフォーマンスを発揮し始めています。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。


第10位はポルシェカイエン(旧型)。“本当に売れるの?”なんて思っていましたが、世界中でバカ売れしました。中古車相場もしばらく高止まりして、人気の高さをうかがわせるものでした。2代目の登場で、ようやく中古車相場も下がり始めた雰囲気です。かなりの車重があるヘビー級のSUVですが、物理の法則を覆すかのようなスポーティな走りを満喫できます。ポルシェバッジを付けているだけのことはあります。スポーツカーよりウケますしね、最近は。


第9位はBMW6シリーズクーペ(現行)。ここ最近に誕生したクーペのなかでは、個人的に最も美しい一台だと思っています。快適、優雅で、スポーティ具合は本格的です。威風堂々としたボディサイズですから、リアシートにだってフツーに大人2名が座れます。一般的にクーペは実用性に欠けていると思われがちですが、6シリーズクーペはセダンのように“使えます”。カブリオレもオススメですが、まだクーペより約100万円高く流通しているのがネックです。


第8位はポルシェボクスター(旧型)。ハイパワー化とともに物理的に911のRRが限界に近づいてきたなか、ポルシェがミッドシップでできることを具現化したような車です。乱暴な言い方をすれば初期型100万円台、後期型200万円台、現行モデルの初期型300万円台といった中古車相場のヒエラルキーが形成されています。ファッション感覚で楽しむなら初期型、優れた走りを期待するなら後期型以降、予算にゆとりがあるなら現行型をオススメします。


第7位はプジョークーペ407(現行)。ネコ科の猛獣を意識したデザインらしいですが、フロントマスクはサメのようなシャープさが特徴的だと思います。ベースになっているセダンよりも全長が長くなっているクーペって、なかなかありません。すべてはデザインと走り(?)のためです。従来、プジョー車のATには文句をつけたくなるものでしたが、クーペ407のは日本のアイシンAW製で良いです。200万円弱から狙えるようになったのは、つい最近です。


第6位はマツダロードスター(現行)。現行モデルながら、すでに新車時の半分以下である100万円弱から狙えます。軽量コンパクトな2シーターFRオープンで、ドライバーの運転に忠実に反応する名車です。「人馬一体」というキャッチフレーズは、宣伝文句ではなく的確にロードスターを表現しています。うまく走るも、下手に走るもドライバー次第なんです。荷重移動の重要さを体感できる、スポーツドライビングの教習車的な存在だと言ってもいいでしょう。

Report / 古賀 貴司