ホンダ インサイト VS トヨタ プリウス PART2:使い勝手が優れているのはどっち?
2009/04/14
PART2 使い勝手が優れているのはどっち?
ホンダ インサイト
↑低いポジションや天地方向に小さいサイドウインドウ、ディテールが忙しいインパネデザインなどが、実際の数値よりも室内を狭く感じさせる。ただし、多彩なポケットが各所に配され、使い勝手は良好。ラゲージも最大400L(5名乗車)と広く、サブトランクも備わり便利 |
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トヨタ プリウス
↑アップライトなポジションの採用により、見晴らしは良好。インサイトよりもひと回り大きなボディを生かし、広さは十分。ラゲージも6:4分割可倒式リアシートの採用により多彩なアレンジが可能なうえ、デッキアンダートレイが備わるなど、使い勝手に優れる |
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最近のホンダ流デザインがよりタイト感を演出
インサイトは一見するとスタイルこそプリウス似。しかし実車で確認すると、パッケージングがまるで違うことがわかる。プリウスに対し…という言い方では、インサイトのほうが圧倒的に着座位置が低い。とくに前席は、圧迫感こそないがAピラーの傾斜の具合は相当なもの。またサイドウインドウ下端が低いのが救いだが、フロントガラスの下端は、低いポジションとは相対的に高く感じる。ディテールが忙しいインパネと相まって、いわゆるコックピット感覚のタイト感だ。
ただしステアリングポストは、チルトとテレスコピックの両方で調節可能だ。インパネのデザインは賛同しかねるが、ドライバー左手の空調関係のスイッチ(ダイヤル)の操作感は、ダイヤルを回した際のクリック感、ボタンを押したときの重さなど、非常に上質なタッチに仕上がっている。
後席もプリウスと比べると、ミニカーで言えばスケールが一つ小さくなったような(人が大きくなったような?)印象。空力スタイルを実現しつつ極限まで居住空間を求めたとも言えるが、サイドの窓も天地に小さく、ギュッと小部屋に押し込まれたようだ。
シートも前席ではサイド部の硬度を上げ、サポート性にこだわった設計というが、メリハリのつけ方がやや極端で、違和感が残る。全体での自然さ、バランスがとられていれば、より良さそうに感じる。後席はクッションのサイズ(前後長)が短め。
ミニバンを彷彿とさせるアップライトなポジション
一方で、もうおなじみのプリウスは、そのままミニバンにしても支障のない、アップライトなポジションがとられている。運転席もインサイトより高めで見晴らし感覚。インパネ形状はややIDチックだが、インパネ手前側のパッド表皮が梨地状から(ルイ・ヴィトンの)エピライン風に変更された後期型は、スッキリとしたなかにも控えめなニュアンスがあり、シンプルで目障り感がないのがいい。ステアリングはチルトのみが調整可能で、人により、ステアリングがやや遠く感じるかもしれない。
後席は頭上空間こそ欲張ってはいないものの、足元をはじめスペースは十分。インサイトよりホイールベースに余裕があるため、ドア開口部の形状に無理がなく、乗降性もスムーズでいい。
ラゲージスペースは、インサイトがボディのひと回り大きいプリウスに“張り合っている”と言える。スペースで言えば長手方向こそプリウスが勝るが、幅は互角。インサイトは床下のサブトランクを用いれば深さを利用し、スペースを稼いだ使い勝手を実現している。プリウスは幅方向のサイズでインサイトを上回っている。
バックドアはどちらも似たような使い勝手。というか、バックドアをハネ上げた際の高さ、バンパーまでの高さなどまるで誤差の範囲のように近似していて、似た印象のデザインは、そうした数値でも証明されている?と言えたりして…。
今回のまとめ
ボディサイズの差があるからやむなしだが、室内空間のゆとりで言うと、インサイトは明らかに不利。いっそ、もっとスポーツクーペ風にしたほうが割り切れる?次回予告
取り回しや駐車しやすさを検証しよう!
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今回のテスト車両
ホンダ インサイト | |
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テスト車両 | 1.3 L 205.0万円 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | CVT |
全長×全幅×全高(mm) | 4390×1695×1425 |
ホイールベース(mm) | 2550 |
車両重量(kg) | 1190 |
最小回転半径(m) | 5.0 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4SOHC+モーター |
総排気量(cc) | 1339 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
65(88)/5800 +10(14)/1500 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
121(12.3)/4500 +78(8.0)/1000 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
燃料タンク容量 | 40L |
10・15モード燃費 (km/L) |
30.0 |
実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
18.2 |
タイヤサイズ | 175/65R15 |
トヨタ プリウス | |
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テスト車両 | 1.5 S 227.0万円 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | CVT |
全長×全幅×全高(mm) | 4445×1725×1490 |
ホイールベース(mm) | 2700 |
車両重量(kg) | 1260 |
最小回転半径(m) | 5.1 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHC+モーター |
総排気量(cc) | 1496 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
56(76)/5000 +50(68)/1200-1540 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
110(11.2)/4000 +400(40.8)0-1200 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
燃料タンク容量 | 45L |
10・15モード燃費 (km/L) |
35.5 |
実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
19.9 |
タイヤサイズ | 185/65R15 |
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ホンダ インサイト VS トヨタ プリウス PART2:使い勝手が優れているのはどっち?/旬ネタ
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