▲ドリドリですね。実はこれ、自動運転によるM235iのドリフト走行。ドリフトアングルが大きめなところはサービス精神旺盛といったところなのでしょうか ▲ドリドリですね。実はこれ、自動運転によるM235iのドリフト走行。ドリフトアングルが大きめなところはサービス精神旺盛といったところなのでしょうか

BMWの自動運転がすごすぎる!

BMWはドライビングプレジャーを重んじるブランド。例えば、電気自動車BMW i3は発進加速が凄い。ストップ&ゴーの多い街中では、信号前にて“常勝状態”です。そんなBMWですから、自動運転も単に「できました!」とは言いませんでした。そう、「ドリフトできました!」です。

ちなみに、BMWの自動運転についても少し触れておくと、2015年初のCES(北米最大の家電ショー)で自動バレーシステムを公開しています。ショッピングモールの立体駐車場でi3を乗り捨てると、空きスペースを見つけて勝手に駐車。スマートウォッチを着けたオーナーが買い物から戻ってくると勝手に起動して迎えに来てくれるというものでした。

究極のドリフト挑戦の衝撃的な中身

本題に戻りましょう。実は自動ドリフト運転そのものは2014年の同じくCESで公開されていました。「ライダー(LIDAR)」などと呼ばれる、光を使って対象物との距離を測定するシステムに、ウルトラソニックやカメラ、そしてレーダーを加えて実現したものです。今回はその技術を使って北米「フォーミュラドリフト」でチャンピオンになったこともある吉原大二郎選手に挑んだ動画を公開しています。その名も「The drift challenge. Trailer.」。究極のドリフトバトルといったところでしょうか。

まずは自動運転システム。タッチパネルのファンクションキーに触れてスタート。ドライバーはステアリングから完全に手を離しています。ついにはドヤ顔で腕組み。一定のアングルをキープしながら完璧にドリフト。ほとんど真円のような定常円旋回が永遠に続きそうです。

▲自動運転のM235iのドライバーズシートには、優等生風のスタッフが腕組みをしたまま、ステアリングには指一本触れていません ▲自動運転のM235iのドライバーズシートには、優等生風のスタッフが腕組みをしたまま、ステアリングには指一本触れていません
▲インパネにセットされたタッチパネルに触れてセット完了。運転技術を学ばなくても、スイッチひとつでプロのドライバーと勝負できるようになる? ▲インパネにセットされたタッチパネルに触れてセット完了。運転技術を学ばなくても、スイッチひとつでプロのドライバーと勝負できるようになる?

次にチャンピオン登場。M235iを意のままに操り、リアタイヤから白煙を上げながら美しくも定常円旋回を続けます。時折、小刻みにステアリングに修正舵を与えますが、まったく危なげありません。コンパクトな後輪駆動車であるM235iもイカしています。

▲自動運転のM235iが挑むのは吉原大二郎選手。北米の「フォーミュラドリフト」でチャンピオンになったことがあるプロフェッショナルです ▲自動運転のM235iが挑むのは吉原大二郎選手。北米の「フォーミュラドリフト」でチャンピオンになったことがあるプロフェッショナルです
▲華麗なハンドルさばきでM235iを美しいドリフトで旋回させています ▲華麗なハンドルさばきでM235iを美しいドリフトで旋回させています

このままいくと、いつかは人間より車の方が運転のうまい時代がやってくるかもしれません。しかし、タイトルの「The drift challenge. Trailer.」や説明文の「The ultimate drift challenge」から読み取れるように、今回の挑戦者がどちらかといえば、まだ車のような気がします。なぜなら、吉原大二郎選手が運転するM235iはドライ路面を走っているから。自動運転は水を流したスキッドパッドの上を走っています。タイヤが減るのを嫌ったのか、システムの都合上なのか理由はわかりませんが、スキッドパッドがドリフトに有利なのは事実でしょう。

自動運転か否かは別にしてM235iのドリフトが美しいことは疑いようがありません。そういう意味で勝者はBMWかもしれません。いずれにせよ、まずはこの素晴らしいドリフト動画をご覧になってみてください。

▲迫力のあるドリフト走行は吉原大二郎選手によるもの。そもそもM235iはコンパクトでハイパワーなFR。究極のドリフトマシンです ▲迫力のあるドリフト走行は吉原大二郎選手によるもの。そもそもM235iはコンパクトでハイパワーなFR。究極のドリフトマシンです
▲どちらも勝者の文字。勝負はドローです。自動運転は水を散布したスキッドパットで、吉原大二郎選手はドライ路面だったのはハンディを与えたということでしょうか” class= ▲どちらも勝者の文字。勝負はドローです。自動運転は水を散布したスキッドパットで、吉原大二郎選手はドライ路面だったのはハンディを与えたということでしょうか
▲こちらが「THE ULTIMATE DRIFT CHALLENGE」。BMWの自動ドリフト運転を見ることができます
text/ブンタ Photo/BMW