▲北陸新幹線は、東京から大宮、高崎、長野、上越妙高、富山などを経て金沢へと走る路線。車体の空色は沿線に広がる空の青さを、銅色は日本の伝統工芸品である銅器などを表現している ▲北陸新幹線は、東京から大宮、高崎、長野、上越妙高、富山などを経て金沢へと走る路線。車体の空色は沿線に広がる空の青さを、銅色は日本の伝統工芸品である銅器などを表現している

春のお出かけは北陸へ。でも新幹線と車、どっちがいいの?

3月14日、いよいよ開業する北陸新幹線。東京駅−金沢駅を従来よりも1時間以上短い約2時間30分で結び、北陸をより近くしてくれる。すでに各メディアでは北陸観光特集が組まれ、地元でもその経済効果に期待を寄せている。

しかし、カーセンサー的には、できれば車で北陸観光に行ってほしいもの。そこで、ナビゲーションアプリ「NAVITIME」を使って、北陸新幹線と自動車の所要時間を調べてみた。

条件は、開業日の3月14日に、住みたい街ランキングの常連である吉祥寺の井の頭公園をスタートするというもの。ゴールは金沢の兼六園で、12:00に到着するように設定した。

まずは北陸新幹線。東京駅−金沢駅は2時間35分だが、吉祥寺から東京駅、金沢駅から兼六園への移動が発生するので、所要時間はだいたい3時間52分となった。12:00に兼六園に到着するには、井の頭公園を7:52に出なくてはならない。

一方、車での所要時間は、6時間28分。井の頭公園を6:22に出発して、兼六園に12:00に到着するという結果だった。所要時間は5時間37分。ただ、渋滞は考慮していないので、注意が必要だ。

所要時間だけを見ると、北陸新幹線の方が1時間45分ほど早く着く。しかし、乗り換えや現地での移動を考えたとき、この1時間45分は決定的なデメリットにはならないような印象を受ける。むしろ、金沢を含めた北陸を満喫するなら、車があった方が便利なのではないだろうか? レンタカーを借りるという手段はあるが、その分お金も手間もかかる。

2人以上で行くなら、車の方が断然コスパが優秀

そう、お金は重要である。そこで、東京-金沢間の移動にかかるお金も比較しよう。北陸新幹線を利用した場合、すべての移動費を含めて1万4450円の切符代がかかる。車の場合は、ETCの休日割引が発生するので、高速代は7050円。NAVITIMEはとっても仕事ができる子で、ガソリン料金の概要も教えてくれる。カタログ燃費が13.66Km/Lの車で平均ガソリン価格が134円(レギュラー)の場合、かかる料金は4631円。合計で1万1681円となる。

北陸新幹線が1万4450円、車が1万1681円。一見、大差ないように感じるが、もしも2人で行った場合、車の交通費は1人あたり約5841円となり、北陸新幹線よりも約8609円もオトクとなる。これは金沢で美味しい料理を満喫できる金額だ。

▲写真は加賀百万石の開祖、前田利家公の銅像。金沢城公園と兼六園の途中にある。兜は金沢の伝統工芸品の金箔を思わせるゴールド使用。きっと、北陸新幹線の開業を喜んでいる……はず ▲写真は加賀百万石の開祖、前田利家公の銅像。金沢城公園と兼六園の途中にある。兜は金沢の伝統工芸品の金箔を思わせるゴールド使用。きっと、北陸新幹線の開業を喜んでいる……はず

寄り道は旅の醍醐味。SA・PAグルメも楽しみたい

そう、旅といえば美味しい料理である。そういった意味で、車での移動による最大のメリットは、各パーキングエリアに寄りながら土地の名物を存分に楽しめること。「これから金沢に行くのに、つまみ食いしてどうする!」というお叱りもあるかもしれないが、寄り道は旅の醍醐味だろう。

個人的なオススメだが、米山サービスエリアで北陸の名物サバを使った「サバサンド」に舌鼓を打つのもよいだろう。ラーメン好きなら、尼御前サービスエリアの「能登いしるラーメン」も食べておきたい。スープには能登の魚醤「いしる」を使用。岩のりやエビなど海の恵み満載の一杯だ。

ちなみに、尼御前サービスエリアは海沿いで日本海の絶景を眺めることができる。ちょっと意地悪だが、北陸新幹線は道中の多くがトンネル走行。トンネルから出たときの景色は素晴らしいというが、景色を楽しむなら車の方に分がありそうだ。

車好きであるカーセンサーのライターが書いたということで、そうとうひいき目で偏った感想かもしれない。しかし北陸に旅行に行くなら、やっぱり車がオススメだと言いたい。ぜひ早春の北陸路をお楽しみあれ。

text&photo/コージー林田