スクリーンを飾ったあの名車、少ししか映らなかったけれど忘れがたい車…
そんな映画に登場した“気になる車”をカーセンサーnetで見つけよう!

世界初!車好きによる車好きのための車しか出てこないアニメ映画!

カーズ|映画の名車
(C)2006 Disny Enterprises inc./Pixar Animation Studio.
DVD『カーズ』発売中! 2006年・米 監督:ジョン・ラセター 出演:ラリー・ザ・ケーブル・ガイ、ボニー・ハント、トニー・シャルーブ、ボブ・コスタス、ダレル・ウォルトリップほか 販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 3,360(税込)
当コーナーが紹介する初のアニメ作品は、車以外出てこない、車好きによる車好きのための映画、その名も『カーズ』。登場するのは擬人化された車たち。ブンブンと飛んでいる小さな虫さえも、車の形をしているのだから徹底している。製作は『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』などでおなじみのピクサーだ。

主人公は新人レーサーのライトニング・マックィーン(公開当時コルベット説も飛び交ったが、どうやら、ストックカーとル・マンカーを合成して創作したオリジナルカーのようだ)。狙うはレーシング・スポーツの最高峰“ピストン・カップ”史上初となる新人王者なのだが、決勝レースを目前に控えたマックィーンは、レースが開催されるカリフォルニアへ移動中に、居眠りトレーラーから放り出され、見知らぬ町へ迷い込んでしまう。そこは、ハイウェイができたおかげで地図から消えてしまったラジエーター・スプリングスだった。

決勝へ向けて気ばかり焦るマックィーンだったが、紆余曲折あって、しばらく町にとどまることに。最初は田舎者扱いをしてバカにしていた住民たちに対して、しだいに親しみがわいてくる。自分勝手で友人のいなかったマックィーンに、いつしか不思議な感情が芽生え始めていた…。光の加減までも自由自在に操るピクサーの圧倒的技術力で、リアルに作りこまれた背景や車たちが繰り広げる人間顔負け!? の名演に感服しきりである。

クライマックス。どうにか決勝レースに出場したマックィーンを応援するため、ラジエーター・スプリングスの住人たちが駆けつけ、急造のピットクルーに変身してサポートするシーンは、車好きならずとも胸に迫ることだろう。公開時期が『ゲド戦記』とかぶってしまったがために、日本での動員は伸び悩んだが、当サイトをのぞいてくれるアナタには、ぜひレンタル店で手に取ってほしい珠玉の一本だ。

映画に登場する車たち

ポルシェ 911カレラ(996)

町をめちゃくちゃにしたマックィーンを目のカタキにするサリー・カレラのモデルは、その名の通りポルシェ911カレラの996型。それまで30年にわたりマイナーチェンジを続けてきた911が、1997年発売の996型から刷新され、トレードマークだった空冷エンジンが世界的な環境問題への対処を目的として水冷化された。ラジエーター・スプリングスの中では飛びぬけた高級車だが、都会の生活に疲れたサリーは偶然たとりついたこの場所にやすらぎを覚え、モーテルを経営しながら根を張ったのだ。

フェラーリ F430

サプライズ登場となったミハエル・シューマッハ(声)のモデルは、もちろんフェラーリ(公開当時は、フェラーリ所属の現役F1ドライバー)。2004年に360の後継モデルとしてモンディアル・ド・ロトモビルでデビューしたF430だ。突如来訪したシューマッハに、「ライトニングにいい店があると聞いた」とイタリア語で話しかけられたフェラーリ・フリークのルイジ(フィアット500)たちは舞い上がって気絶した。

マツダAZ-1

行方不明となったマックィーンを世界のニュースが報じているシーンでは、日本の女子アナ役としてピンク色の車が登場。流暢な日本語で「マックィーン選手の行方がわからないとの情報が入ってきました!! 」とカメラの前で伝えている。車種はAZ-1のようだ。AZ-1は1992年に発表された2シーターの軽スポーツクーペ。スズキ製3気筒DOHCのF6Aターボエンジンを搭載し、「究極のハンドリングマシン」と謳われたが、1995年には生産中止。トータルで4392台しか生産されず、現在の中古車市場でも、程度のいいものは高値で取引されている。ガルウィングが特徴的だ。
Text/伊熊恒介