デジタルネイティブ世代の車選びは、簡潔な自己紹介を強化する“キャラ映え”重視?
2019/04/22
車は持ち主のキャラクターを物語るアイテム
年度初めとなる4月は、転勤や就職などで新生活を始める人が多いシーズン。
「はじめまして」のあいさつが一通り終わった今頃は、新たな上司や同僚、ご近所さんの人柄が気になり始めるタイミングだろう。
職場で頻繁に会う人ならいざ知らず、たまにしか顔を合わさないご近所さんの人柄を知るのは意外と難しい。
とりわけ、都心と違い地方都市の住宅地では無関心を貫くわけにいかないだろう。
そんなとき、ガレージに止まっている車が重要な情報源になることもある。
大衆車なのか高級車なのか、国産車なのか輸入車なのか、などなど……。
人柄を見抜けなくとも、大まかな印象くらいはイメージできるに違いない。
このように、車はファッションや髪型以上に、持ち主のキャラクターを物語るアイテムとなりうるのだ。
そこで気になるのが、スマホ&SNS全盛の昨今における“プロフィール問題”だ。
実際のところ、そんな問題は存在しないのだが、個人と個人、もしくは社会と簡単につながるようになり、これまで以上に自己紹介の機会が増え、自身を簡潔に語るスキルが求めらる状況をそう呼ぶことにする。
また、折からの価値観の多様化も相まって、ライフスタイルという水平的な文脈で人柄を捉える傾向があるのも、自己紹介のハードルを上げている一因だろう。
特にステータスのような、垂直的序列が多くを物語っていた時代を知る40代以上にはなおさらだ。
その点、幼い頃からSNSが身近にあり、物心ついた時から価値観が多様化した時代だった20代・30代のデジタルネイティブ世代は、職業やステイタス、デモグラフィックに頼らずとも自己を表現できる。
例えば「カフェ好き」や「イクメン」など、ライフスタイル軸上の分類に自分をプロットし、キャラ化して見せることに慣れているようだ。
しかも、写真を簡単にアップできるSNSは、簡潔なプロフィールを可視化する場としても、自分のキャラを印象づける手段としても最適。
同じ趣味や価値観をもつ友人や恋人、一生の伴侶と出会うかもしれないSNSだからこそ、簡潔なプロフィールだけではなく、そこで“キャラ化した自分”を強化してくれるライフスタイルの実践が重要になってくる。
このことは、ライフスタイルのロールモデルとなりうる人を通じて、商品の魅力を伝えるインフルエンサーマーケティングが広告の世界で注目されていることと、おそらくどこかでリンクしているはずだ。
車に求めているのはライフスタイルの記号性
下の①のグラフをご覧いただこう。
「車はファッションの一部か」という問いに対する年代別の回答をまとめたものだ。
若い世代ほど「そう思う+まあそう思う」の割合が多い。
だが下記のグラフ②が示すとおり、彼らが「誰とも被らない自分だけの車」に必ずしも乗りたいと思っているわけではなさそうだ。
これを大胆に翻訳すると、車は自分のライフスタイル=キャラを強化するアイテムだが、キャラの文脈からはみ出る個性は求めていない、と解釈できる。
さらに、彼らが車に求めているのは、周囲から「アウトドアが好きな人」とか「家族との時間を大切にしている人」であることが見て取れる“ライフスタイルの記号性”と言い換えることもできそうだ。
この先、車ユーザーのデジタルネイティブ世代率が高くなるのは明かだ。
自分のキャラを強化してくれるような、“キャラ映え”を重視して車を選ぶ人が増える可能性もある。
そうなれば、低予算で手に入れられるというだけではなく、キャラにマッチした1台の見つけ先として、古今東西の車から選べる中古車の価値が再評価されていくに違いない。
予算100万円で狙える注目の“キャラ映え”モデル4選
1:トヨタ クラウンエステート(初代)
2:ホンダ N-BOX+(初代)
3:ルノー カングー(初代)
4:日産 ラシーン(初代)
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