ホンダ N-BOX+▲初代N-BOXに遊びの要素をプラスしたN-BOX+

ホンダ N-BOX+の中古車は今

大ヒットした軽ハイトワゴン、初代N-BOXの派生モデルとして登場したN-BOX+(エヌボックスプラス)。N-BOXの利便性はそのままに、遊べる機能をプラスしたモデルだ。

N-BOX同様に標準モデルとカスタムモデルが用意され、さらにスペース効率を生かした車いす仕様車も注目を集めた。ポップな雰囲気を演出した、ツートーンカラースタイルも人気だ。

2017年に生産が終了となり、後継モデルもないため、現在は中古車でしか手に入れることができない。

中古車の流通台数は550台程度だが、予算50万円台から物件を探せるなどお得な状況だ。

ここではN-BOX+の特徴や中古車を選ぶ際のポイント、現在の中古車相場について紹介する。
 

N-BOX+(初代)の特徴と中古車相場

■N-BOX+(初代)DATA
生産期間:2012年7月~2017年8月
中古車流通量:約550台
中古車価格帯:20万~140万円
 

ホンダ N-BOX+ ▲センタータンクレイアウトと、最小化したエンジンルームにより、広い室内空間を備える

■N-BOX+(初代)の特徴
2011年12月、革新的なパッケージングを採用して登場した軽自動車のN-BOXは、デビューと同時に大ヒットモデルとなった。

そしてその翌年に、“新しい可能性をプラスする”というコンセプトで、N-BOXの利便性を高めた派生モデルとして登場したのがN-BOX+だ。
 

ホンダ N-BOX+ ▲迫力あるフロントマスクが特徴の、カスタムモデルも設定されている

N-BOXが買い物や送り迎え、家族でのちょっとした旅行など、日常生活の利便性を高めた軽ハイトワゴンなのに対し、N-BOX+は“遊び”に特化することでその機能をN-BOXよりも大幅に向上させた軽レジャービークルだ。

ホンダ独自のセンタータンクレイアウトに加え、パワープラントの効率的な配置でエンジンルームを最小化したことで、軽自動車とは思えない広大なキャビンを備えている。
 

ホンダ N-BOX+ ▲N-BOX+には大きな荷物を積みやすいようスロープを設置できる
ホンダ N-BOX+ ▲スロープはこのような形で車内に格納可能

N-BOX+は荷室の床面に傾斜をつけたうえで、荷室の外側にスロープを設置できるように設計されている。これにより、電動自転車や小型のオフロードバイクなどの大きな荷物を、楽に積めるようにしているのだ。
 

ホンダ N-BOX+ ▲軽ハイトワゴンは自転車を積載する需要が高い。N-BOX+はそれよりも大きな小型バイクを積むことができる

ただ、床面が斜めだと普段使いではバックドアを開けると荷物が滑り落ちてしまう可能性もある。そこで荷室床面をフラットにできるマルチボードを搭載し、普段使いでも荷物が転がらないようにした。

マルチボードの設置は、荷物に合わせて高さを変えられるのがポイント。後部座席を格納したときでもフラットになるよう、マルチボードは2枚用意されている。対荷重は200kgあるので、たいていの荷物であれば重くて積めないという事態にはならないだろう。
 

ホンダ N-BOX+ ▲マルチボードは3つのパーツから構成される

前席背もたれまで倒してマルチボードをセットすると、広大な室内空間にベッドが出現し、そのまま車中泊を楽しむことができる。旅先でちょっと休みたいときや、短いソロキャンプのベース基地として便利だ(最大就寝人数は2名)。

ベッドモードにした際、ある程度の荷物はマルチボードの下に収納することができ、横になって好きな音楽を聴きながらくつろげるように天井にスピーカーが設置されている。さらに、荷室部分にはオプションで、PCやスマホの充電に便利なACコンセントを取り付けることもできた。
 

ホンダ N-BOX+ ▲N-BOX+のインストルメントパネル
ホンダ N-BOX+ ▲N-BOX+カスタムのインストルメントパネル

N-BOX+には、標準モデルとカスタムモデルがを設定されている。内外装のデザインはN-BOXのものを踏襲しながら、標準モデルはツートーン仕様を設定することで遊び心をプラスしている。一方のカスタムは、迫力あるフロントフェイスや、専用エアロを装備しているのが特徴だ。

パワートレインは標準車、カスタムともにNA(自然吸気)エンジン+CVTと、ターボエンジン+パドルシフト付きのCVTをラインナップ。駆動方式はFFと4WDが用意された。
 

ホンダ N-BOX+
ホンダ N-BOX+ ▲N-BOX+のスロープ構造を生かした車いす仕様車

2012年8月には、車いす仕様車を発売。荷室が斜めになっているうえ、スロープも付けられるので、車いすに座ったまま乗り降りしやすいのが特徴だ。

2013年5月には、リア右側の電動スライドドアなどを装備した「SSパッケージ」、ディスチャージヘッドライトなどを装備した「ターボSSパッケージ」、ナビ装着用スペシャルパッケージなどを装備した「ターボSSパッケージ」という3つの特別仕様車が用意された。

また、2013年12月には燃費性能が向上するとともに、カスタムのグレード名が「G Lパッケージ」から「G Aパッケージ」に、「G ターボパッケージ」から「G ターボAパッケージ」に変更されている。

そしてこのタイミングで、低速走行時に前方車両と追突の恐れがある場合にブレーキ操作を支援する、“シティブレーキアクティブシステム”などを装備した「あんしんパッケージ」がオプション設定された。
 

ホンダ N-BOX+ ▲安全装備のシティブレーキアクティブシステムは、約30km/h以下で作動する

2015年2月にはマイナーチェンジを実施し、内外装のデザインを変更。また、カスタムのグレード名が「Aパッケージ」から「Lパッケージ」に戻されている。
 

ホンダ N-BOX+ ▲マイナーチェンジしたN-BOX+カスタム。グリルやライト内がブラックアウトされている

■N-BOX+(初代)の中古車相場
N-BOX+の中古車は、標準モデルが約300台、カスタムが約200台流通と、標準モデルの方が選びやすい状況だ。いずれも、NA/ターボ、2WD/4WDのグレードが存在するので、まずはどちらにするかデザインの好みで選べばOKだ。

そのうえで、N-BOX+らしくたくさん荷物を積んで遊びに行くことを考えるなら、パワーに余裕があるターボモデルがオススメ。ただし、流通台数は100台弱と多くはない。

総額70万円前後から狙えるが、この価格帯ではエントリーグレードの「G ターボパッケージ」が中心だ。予算を100万円程度までアップできれば、上級グレードで走行距離6万km前後の物件が射程圏内になってくる。
 

ホンダ N-BOX+ ▲N-BOX+ 2トーンカラースタイル

選択肢を多く確保したいなら、流通量の多いNAをメインターゲットにした方がいい。予算60万円前後から狙うことができ、両側電動スライドドアを備えた物件も見つかる。

中でも外観にこだわりたいという人は、ツートーンカラースタイルをオススメしたい。標準モデルの「G Lパッケージ2トーンカラースタイル」は20台程度と流通量は少ないが、予算100万円で買うことができる。

イメージカラーだったブルー×ホワイトの組み合わせが多いが、レア度を追求するなら数少ないレッド×ブラックなんていうスポーティな色合いを探してみるのもいいかもしれない。
 

▼検索条件

ホンダ N-BOX+(初代)× 標準モデル × 全国

▼検索条件

ホンダ N-BOX+(初代)× 車いす仕様車 × 全国

※記事内の情報は2021年6月23日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/ホンダ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL