▲カプチーノ、ビートとともに軽スポーツの華やかな時代を築いたマツダ AZ-1。軽自動車初のガルウイングドアに憧れた人も多いはず!▲カプチーノ、ビートとともに軽スポーツの華やかな時代を築いたマツダ AZ-1。軽自動車初のガルウイングドアに憧れた人も多いはず!

現在でも注目度の高い軽スポーツを揃えるお店に突撃!

日本のヒップホップシーン最前線でフレッシュな名曲を作り続けているスチャダラパーのMC、Boseが中古車情報誌『カーセンサー』にてお届けする人気連載「Bosensor」。カーセンサー本誌で収録しきれないDEEPでUNDERGROUNDな話をお届けっ!!

Bose:今回のBosensorは、東京にあるウエルストンにお邪魔! カーセンサーnetを見たらここはパイクカーや軽スポーツを得意としているみたい。楽しみだよ。

編集部ゆきだるま(以下、ゆきだるま):Boseさんは1980年代や90年代の軽スポーツ、好きですもんね。このコーナーでも結構な比率で取り上げている気がします。

Bose:軽スポーツってハイスピードで運転しなくても、それこそ街中の日常領域で走らせてもメチャメチャおもしろいからね。こういう車って今じゃなかなかないから。それに僕はパイクカーも大好きなんだよ。フィガロが出た頃、友達が乗ったりしていてね。やっぱりパイクカーのようにデザインが飛び抜けておもしろいと長く残るんだな。発売から20年以上経ってその結果が出たよね。だって中身は初代マーチ(K10型)だよ。

中島店長:Boseさん、いらっしゃいませ。今日はゆっくり見ていってください。

Bose:今日はよろしくお願いします。カーセンサーnetのお店紹介にはパイクカーと軽スポーツが豊富と書いてありましたが、他にもいろんな軽自動車が揃っているんですね。お店を見ながらカーセンサー本誌で紹介する車を決めさせてください。

マニアックな軽自動車って見ているだけで楽しいね


スズキ ジムニー(先代)

▲リフトアップ&オールペンされたJA22型ジムニー。現在でも人気が高く、MTで走行10万km未満だと車両価格100万円以上するものも珍しくありません ▲リフトアップ&オールペンされたJA22型ジムニー。現在でも人気が高く、MTで走行10万km未満だと車両価格100万円以上するものも珍しくありません


Bose:僕がおもしろそうだなと思った店に結構な確率で置いてあるのが先代ジムニー。現行型もいいけれど、先代ジムニーも気になるよね。先代は後部座席が座りやすくなった最後期がオススメだって言われた。こういうのって前オーナーは数十万円かけてリフトアップしているわけでしょう。それだけでもお得だよね。

ゆきだるま:Boseさんがジムニーを好きなのは、リフトアップして林道とかを走りたいからですか?

Bose:僕はキャンプかな。家族でキャンプに行くと、ジムニーでソロキャンプしているハードな人を見かけるの。やっぱり憧れるところがあるんだよ。しかもうちの車はFFで大きいから未舗装のガタガタ道だとズズズ……と滑っちゃうこともある。そんな場所をジムニーがガンガン走っているのを見ると、やっぱ4WDかなって思ったりするんだよね。

ダイハツ エッセ

▲右の黒いエッセはエアロパーツが標準で装備されたカスタム、左の赤いのはエッセの標準車をローダウンしたものです。どちらも5MTで、Boseさんは盛り上がっていました ▲右の黒いエッセはエアロパーツが標準で装備されたカスタム、左の赤いのはエッセの標準車をローダウンしたものです。どちらも5MTで、Boseさんは盛り上がっていました


Bose:おっ! エッセが2台もあるじゃん。しかもどっちも走りっぽいスタイルになっているよ。

ゆきだるま:エッセってシンプルなデザインで、走りっぽいイメージはないですけど……。

Bose:もちろんメーカーのコンセプトはそこで、女性がターゲット。シンプルさがイタリアンコンパクトっぽい雰囲気なんだよね。しかも軽自動車って背が高いモデルが主流だけど、エッセは車高を上げずに我慢した感じが伝わってくるんだ。背を高くした方が売れるのは分かっているのにあえてバランスがちょうどいいデザインをキープした。エッセは僕のカーセンサーnet定点観測リストに入っているんだけど、MT車はなかなか相場が下がらない。僕と同じように目を付けている人がたくさんいる証しだよ。

スズキ アルトワークス(2代目)

▲赤いボディが眩しい、現在の軽規格になる前のアルトワークス。この車もBoseさんが目を付けたお店によくあるモデルです ▲赤いボディが眩しい、現在の軽規格になる前のアルトワークス。この車もBoseさんが目を付けたお店によくあるモデルです


Bose:アルトワークスだ。これも乗りたい1台だよ。

ゆきだるま:お店で見かけるたびにBoseさんがはしゃいでいる気がします(笑)。

Bose:今ってMTで乗りたい軽自動車がなかなかないでしょう。だからアルトワークスのような車が現在でも人気がある。僕がずっと注目している理由もそこだもん。

中島店長:Boseさんと同じ理由で買ってくれる若いお客さんも多いですよ。手頃な価格でコンパクトスポーツが欲しいという人にオススメです。

古い車の色を変えることで全く新しい魅力を追加!


ダイハツ ネイキッド

▲1998年10月の軽自動車規格改正から1年後にデビューしたネイキッド。バンパーやフェンダーを留めるネジをあえてむき出しにしてギア感を高めたモデルです ▲1998年10月の軽自動車規格改正から1年後にデビューしたネイキッド。バンパーやフェンダーを留めるネジをあえてむき出しにしてギア感を高めたモデルです


Bose:リアシートが脱着できたり、室内にポールを組んでロッドを置けたりできて、釣り好きの人から人気があるみたい。この車はパッと見た感じは背が高そうだけれど、実はエッセと同じように“我慢”しているのもいいところだよ。

▲インテリアにはポールをさせる穴があります。室内を好きなようにカスタムできるのもギアっぽいですね ▲インテリアにはポールをさせる穴があります。室内を好きなようにカスタムできるのもギアっぽいですね


ゆきだるま:こうやって見るとハスラーに雰囲気が似ていますね。

Bose:というか、これってハスラーと同じ色に塗ってるでしょう!

中島店長:分かりますか(笑)。

▲「こういうネイキッド、いいでしょう」と中島店長。形は同じなのに、ノーマルのネイキッドとは全然違う雰囲気になりますね ▲「こういうネイキッド、いいでしょう」と中島店長。形は同じなのに、ノーマルのネイキッドとは全然違う雰囲気になりますね


Bose:わかるよ。だってオリジナルのネイキッドの色はシルバーやアーミーっぽいグリーンだったじゃん。こんなポップな色はないよ。

中島店長:うちのスタッフのアイデアでハスラーと同じ2トーンにしてみたんです。結構アリかなと思っているんですよね。

Bose:これねえ……大アリかも(笑)。色が変わると急に魅力が変わるからね。僕の奥さんも「この車カワイイ!」って言うときに実は色しか見ていないこともあるから。色って時代ごとの流行があるから、同じ赤でも並べると結構違うもの。今どきの色になると新型車みたいって感じになるもんだね。

中島店長:まったく別物になりますよね。ネイキッドは2トーンカラーにする前提でデザインされていないので、ルーフの白い部分の境目はかなり塗るのが難しいのですが……。

Bose:ダイハツにはキャストというハスラーの対抗馬があるけれど、こうやって見ると実はネイキッドが時代の先陣を切っていたのかもしれないね。ネイキッドの色変え、流行るかもよ。

ガレージの中にお宝モデルがたくさん!

▲展示場の脇にあるコレクションルーム。この中にはお宝がたくさん! ▲展示場の脇にあるコレクションルーム。この中にはお宝がたくさん!


Bose:ところで店長。肝心のパイクカーなんかはどこにあるんですか? まさか今は在庫がないとか?

中島店長:大丈夫、ちゃんとありますよ(笑)。希少車は別のガレージで保管しているんです。

Bose:コレクションルームだって。普段はシャッターが閉まっているんだ。

中島店長:じゃあ開けますよ。

Bose:すげえ! ビート、カプチーノ、AZ-1じゃん。90年代の軽ABCトリオが揃っているのって初めて見たよ。

ゆきだるま:私も初めて見ました。せっかくだから今回のカーセンサー本誌ではこの中から紹介しませんか?

Bose:そうだね。どれも魅力的だけれど、希少性を考えると今回はAZ-1かな。ガルウイングの軽自動車なんて二度と発売されないだろうし、そもそもこの時代にAZ-1をきちんと取材できるのはカーセンサーの特権だもんね。90年代に憧れた人はカーセンサー本誌を絶対チェックしないと!

▲スーパーカーを連想させるガルウイングドア。AZ-1が発売されたときの衝撃を覚えている人も多いはず! ▲スーパーカーを連想させるガルウイングドア。AZ-1が発売されたときの衝撃を覚えている人も多いはず!
text/高橋 満(BRIDGEMAN)
photo/篠原晃一