PSAグループピュアテックターボエンジン

インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー部門賞を4年連続受賞!
PSAグループ「1.2L ピュアテックターボエンジン」

日本国内で発表される乗用車の中から、年間を通じて最も優秀な車に与えられる「日本カー・オブ・ザ・イヤー」、そして世界28ヵ国93名の自動車ジャーナリストの投票によって選出される「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」。どちらも自動車業界を代表する賞のため、ご存じの方も多いだろう。

では、「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」という賞があるのはご存じだろうか?

1999年から始まったインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーは、その名のとおり優れたエンジンに与えられる賞だ。

大賞の「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を筆頭に、エンジン排気量別や環境性能に優れたパワートレインに与えられる「グリーン・エンジン・オブ・ザ・イヤー」などの部門賞で構成されている。(※2019年には、エンジンの排気量別に部門賞が廃止され、出力別部門賞へ変更となった)

今回は、「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー 1.0~1.4L部門賞」を、2015~2018年までの4年間にわたり連続受賞した「直列3気筒 1.2Lピュアテックターボエンジン」を紹介しよう。

このエンジンは、プジョー、シトロエン、DSオートモビルなどを販売する「PSAグループ」が開発したエンジンで、二酸化炭素排出量を抑えつつ、優れた燃費性能を発揮するエンジンとして部門賞を連続受賞した。1.2L ピュアテックターボエンジンの詳細スペックは次のとおりとなっている。

【1.2Lピュアテックターボエンジン】
■エンジン種類:直列3気筒DOHCターボ
■排気量:1199cc
■110ps版の出力(型式:HN01):110ps/5500rpm、205N・m/1500rpm
■130ps版の出力(型式:HN02):130ps/5500rpm、230N・m/1750rpm
■圧縮比:10.5
■ボア×ストローク:75mm×90.5mm


1.2L ピュアテックターボエンジンには、110馬力「HN01型」と130馬力「HN02型」の2種類。いずれも燃料を気筒内に直接噴射するシステムとターボチャージャーを組み合わせ、アイドリングストップ機構を採用し、高い動力性能と環境性能を両立している。

また、1気筒あたり5つの噴射口をもつインジェクターから200barの高圧燃料をスパークプラグに近い位置に噴射し、効率の良い燃焼を実現しているのが特徴だ。

このエンジンを搭載するモデルには、「プジョー 308(2代目)」、「プジョー 208(初代後期)」、「プジョー 2008(初代後期)」、「DSオートモビル DS3(後期)」、「シトロエン C3(3代目)」、「シトロエン C4(2代目後期)」など、新車時の半額程度から狙えるようになってきているものがある。

お手頃な価格で、世界が認めたコンパクトなエンジンを搭載したモデルを狙ってみてはいかがだろうか。

では、各モデルの特徴や現在の相場を見ていこう。
 

プジョーのCセグメントハッチバック
プジョー 308(2代目)

プジョー 308(2代目)▲新エンジンと新プラットフォームを採用したプジョー 308(2代目)

2013年に発表され、2014年から日本での販売を開始したプジョー308(2代目)は、Cセグメントハッチバックの「308」とステーションワゴンの「308SW」の2モデルを展開する。

2代目308では、新しいプジョーデザインが取り入れられた。フロントまわりでは、これまでの大開口グリルから、2段に分割されたグリルへ変更され、エレガントかつシャープな印象になっている。また、ハッチバックの308には、3本の爪痕をモチーフとしたリアコンビランプも特徴だ。

インテリアは、小径ステアリングやヘッドアップインストルメントパネル、ドライバー側に向けられたタッチスクリーンなどで構成される「i-Cockpit(アイ・コックピット)」を採用している。

エンジンは、130ps/230N・mを発生する「HN02型」が搭載され、トランスミッションに6速AT(EAT6:Efficient Automatic Transmission)が組み合わされた。また、新たに開発されたプラットフォーム「EMP2(Efficient Modular Platform 2)」により、70kgの軽量化をしている。よって、軽快でスムーズな走りを実現している。

2014年の日本発表時、新車販売価格が279万~339万円だった。2021年5月17日時点での中古車価格は、支払総額が約100万円からとなっている。新車販売価格の半額以下で世界に認められたエンジンを搭載するCセグメントモデルに乗れるのはお得といえるだろう。

【プジョー 308(2代目ハッチバック)の主要スペック】
■全長×全幅×全高=4235mm×1804mm×1457mm
■エンジン:HN02型1.2L ピュアテックターボ
■出力:130ps/230N・m
■燃費(JC08モード):16.1km/L
 

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2代目プジョー 308×1.2L ピュアテックターボエンジン搭載×全国

プジョーのBセグメントコンパクトカー
プジョー 208(初代・後期)

プジョー 208(初代)▲コンパクトで躍動感あるスタイリングのプジョー 208(初代)

プジョー 208は、2012年に販売を開始したBセグメントのコンパクトカーで、207の後継モデルとして登場した。

エクステリアは、ネコ科の動物をモチーフとしたスタイリッシュで躍動感あるスタイリングを小さなボディに凝縮している。また、メッキで縁取りされた大型のフロントグリルがプジョーらしさを感じる一面だ。

インテリアには、小径ステアリングや7インチのタッチスクリーンを採用している。

デビュー当初は、1.6L自然吸気エンジンとターボエンジン、1.2L自然吸気エンジンをラインナップしていた。2015年のマイナーチェンジのタイミングで、より洗練されたスタイリングに変更すると同時に、1.2Lピュアテックターボエンジンの搭載を開始した。

アイドリングストップ機構を備える効率が良いピュアテックターボエンジンと6速AT(EAT6)により燃費が向上。マイナーチェンジ前は、JC08モード燃費13.4km/L(1.6リッター自然吸気)だったが、18.2km/Lと大きく向上した。

エンジン出力については、1.6L自然吸気が120ps/160N・mであるのに対し、1.2L ピュアテックターボエンジンが110ps/205N・mと、最高出力こそ10psダウンしたが、最大トルクが向上したことで、日常領域でのパワー不足を感じないほどになった。

2015年のマイナーチェンジ時点での新車販売価格は、1.2Lピュアテックターボエンジン搭載モデルで、217万~259万円。2021年5月17日時点で、ピュアテックターボエンジンを搭載する初代208後期の中古車は、支払総額約100万円からとなっている。マイナーチェンジにより洗練されたスタイリング、パワーと燃費を両立したエンジンを搭載する輸入コンパクトカーが新車販売価格の半額程度で購入できるのはお買い得といえるだろう。

【プジョー 208(初代後期)の主要スペック】
■全長×全幅×全高=3975mm×1740mm×1470mm
■エンジン:HN01型1.2L ピュアテックターボ
■出力:110ps/205N・m
■燃費(JC08モード):18.2km/L
 

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初代プジョー 208×1.2L ピュアテックターボエンジン搭載×全国

扱いやすいボディサイズが魅力!
コンパクトクロスオーバーSUV プジョー 2008(初代・後期)

プジョー 2008(初代)▲扱いやすくサイズのコンパクトクロスオーバーSUVプジョー 2008(初代)

2012年にデビューしたプジョー 2008は、Bセグメントのコンパクトカー208をベースにしたコンパクトクロスオーバーSUVで、全長4160mm、全幅1740mmの扱いやすいボディサイズが魅力だ。

フロントのグリルまわりのデザインやルーフラインなどには2008専用のデザインが与えられ、ボディ下部をブラックパーツにすることでSUVらしさを演出している。

インテリアは、ルーフイルミネーションまたはサンシェード付きパノラミックルーフが装着され、2008独自の世界観や開放感を楽しむことができる。

デビュー当初のエンジンは、1.2L自然吸気エンジン飲みのラインナップだったが、2016年のマイナーチェンジのタイミングで、1.2L ピュアテックターボエンジンへ一新。また、フロントグリルが横基調から縦基調になった。

エンジンの出力は、自然吸気のときが82ps/112N・mであったのに対し、ピュアテックターボになったことで110ps/205N・mに向上。また、自然吸気エンジンの最大トルクは2570rpmで発生するのに対し、ピュアテックターボエンジンの最大トルクは日常のドライブでよく使うエンジン回転領域の1500rpmで発生する。日頃の買い物や街中ドライブでの運転のしやすさが向上した。

マイナーチェンジをしたタイミングの新車販売価格は、262万~285万円だった。2021年5月17日時点での中古車価格は、支払総額約150万円からとなっている。スポーティでエレガントなスタイルになり、世界で評価されるエンジンを搭載した2008は、支払総額150万円という手が届きやすい価格で購入できる。

【プジョー 2008(初代後期)の主要スペック】
■全長×全幅×全高=4160mm×1740mm×1570mm
■エンジン:HN01型1.2L ピュアテックターボ
■出力:110ps/205N・m
■燃費(JC08モード):17.3km/L
 

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初代プジョー 2008×1.2L ピュアテックターボエンジン搭載×全国

フランスのラグジュアリーコンパクトカー
DSオートモビル DS3(初代・後期)

シトロエン DS3▲小さな高級車と言っても過言ではないシトロエン DS3

DSオートモビル DS3は、2009年に発表され、2010年から日本での販売を開始した小さな高級車と言える3ドアハッチバックだ。

「DS」と聞くと、1955年のハイドロニューマチックを装備する「シトロエン DS」を思い浮かべるかもしれない。しかし、シトロエンの公式情報によると、「DS3」をはじめとした「DSシリーズ」の「DS」は、"従来のモデルラインナップとは一線を画し、より独創的で革新的な個性を兼ね備えた特別なモデルに与えられる名称"だという。

エクステリアは、「驚き・魅力・活力」をキーワードに、躍動感と存在感のあるスタイリングで、全長3965mm、全幅1715mmとは思えないほどのボリューム感だ。

インテリアは、光沢のあるパネルやピアノブラックパーツ、クロームで縁取りされたメーターやスイッチ類などにより、高級感を演出している。

デビュー当初は、1.6Lの自然吸気エンジンとターボエンジンをラインナップ。2015年に実施されたマイナーチェンジのタイミングで、「Sport Chic(スポーツ・シック)」を除くすべてのグレードが1.2L ピュアテックターボエンジンへ変更となった。

マイナーチェンジをしたときの新車販売価格は、259万~296万円(スポーツ・シックを除く)。2021年5月17日時点での中古車価格は、支払総額約100万円からとなっている。流通台数は少ないが、ひと味違ったフレンチコンパクトカーに乗りたいのであればDS3がオススメだ。

【DSオートモビル DS3(後期)の主要スペック】
■全長×全幅×全高=3965mm×1715mm×1455mm
■エンジン:HN01型1.2L ピュアテックターボ
■出力:110ps/205N・m
■燃費(JC08モード):19.8km/L
 

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DSオートモビル DS3(初代)×1.2L ピュアテックターボエンジン搭載×全国

個性的なコンパクトクロスオーバーSUV
シトロエン C3(3代目)

シトロエン C3(3代目)▲個性的なスタイリングをもつシトロエン C3(3代目)

シトロエン C3(3代目)は、2017年に日本販売を開始したコンパクトカーで、クロスオーバーSUVテイストの遊び心あるモデルだ。

エクステリアは、2分割されたライトや左右のドア下部にある「エアバンプ」が個性を主張する。インテリアは、水平に広がるダッシュボードやアクセントカラーが配されたインパネが特徴だ。

搭載されるエンジンは、1.2L ピュアテックターボエンジンのみで、最高出力が110ps/5500rpm・最大トルクが205N・m/1500rpmの「HN01型」だ。トランスミッションには、6速AT(EAT6)が組み合わされる。

デビュー当時の新車販売価格は、216万~239万円だった。2021年5月17日時点での中古車価格は、支払総額約180万円からとなっている。

現行の個性的な輸入車が支払総額200万円を下回る価格で購入できるのは嬉しいポイントだ。また、世界に認められたエンジンを搭載しているため、信頼性が高く、走行性能にも不足がない。遊び心ある個性派コンパクトカーを探しているのであれば、シトロエン C3が最適だろう。

【シトロエン C3(3代目)の主要スペック】
■全長×全幅×全高=3995mm×1750mm×1495mm
■エンジン:HN01型1.2L ピュアテックターボ
■出力:110ps/205N・m
■燃費(JC08モード):18.7km/L
 

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3代目シトロエン C3×1.2L ピュアテックターボエンジン搭載×全国

使い勝手を追求したCセグメントハッチバック
シトロエン C4(2代目・後期)

シトロエン C4(2代目)▲実は使い勝手が良いシトロエン C4(2代目)

シトロエン C4(2代目)は、2011年に日本での販売を開始したCセグメントのハッチバックだ。2代目では、初代にあった3ドアモデルが「DS4」に移行したため、5ドアハッチバックのみの展開になった。

エクステリアは、シャープなヘッドライトと横型になったリアコンビランプによって、エレガントで落ち着きのあるスタイリングになっている。

インテリアは、優れた使い勝手を追求しているのが特徴だ。グレードによって異なるが、4本のペットボトルが入るセンターコンソールやパノラミックルーフを装着するモデルが選べる。また、トランクは、開口部を低くし380Lの容量を誇るスペースを備える。

デビュー当初は、1.6L自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類だったが、2015年のフェイスリフトのタイミングで、130ps/230N・mを発生する1.2L ピュアテックターボエンジンに統一された。

また、フェイスリフトでは、LEDを取り入れたライトまわりや3Dの視覚効果をもつリアコンビランプなどにより、洗練された外観も身に着けている。

2015年のフェイスリフト時の新車販売価格は、276万~296万円だった。2021年5月17日時点での中古車価格は、ピュアテックターボエンジン搭載モデルで、支払総額100万円以下からとなっている。

Cセグメントの実用性が高いハッチバックで、パワフルな130psのピュアテックターボエンジンを探しているのであればC4の後期モデル(2015年以降)がオススメだ。

【シトロエン C4(2代目後期)の主要スペック】
■全長×全幅×全高=4330mm×1790mm×1490mm
■エンジン:HN02型1.2L ピュアテックターボ
■出力:130ps/230N・m
■燃費(JC08モード):16.3km/L
 

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2代目シトロエン C4×1.2L ピュアテックターボエンジン搭載×全国
文/齊藤優太、写真/PSA

齊藤優太

ライター

齊藤優太

国産ディーラー販売員、教習指導員(普通自動車、普通自動二輪、応急救護)、中古車買取業務を経て、フリーライターに転身。自動車関連の業務に従事してきた経験を生かし、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車は、アウディ A4。