第18回:『トルク』 【映画の名車】
カテゴリー: トレンド
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2008/05/27
スクリーンを飾ったあの名車、少ししか映らなかったけれど忘れがたい車…
そんな映画に登場した“気になる車”をカーセンサーnetで見つけよう!
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■湿っぽい気分を吹き飛ばす、超絶におバカなバイクアクション!
(C) 2003 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
(C) 2003 Village Roadshow Films (BVI) Ltd.
(C) 2003 Village Roadshow Films (BVI) Ltd.
DVD『トルク』発売中 03年・米 監督=ジョセフ・カーン 出演=マーティン・ヘンダーソン、アイス・キューブ、ジェイ・ヘルナンデス、モーネイ・マザー、マット・シャルツィほか 販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ ジャパン ¥1,500(税込)
だけれども、しかし。中途半端な“バカ”映画ほど腹立たしいものはないが、突き抜けた“おバカ”映画には、ひとしきりゲラゲラ笑って観終わった瞬間に内容をきれいさっぱり忘れて気分スッキリ!という効能があるのだ。本作はスピード&アクションを観る者に体感させることだけに特化した、紛うことなき“おバカ”映画である。上映時間もたったの81分! この程度なら忙しいアナタでも「時間を返せ! 」と叫ぶほどではないだろう。
圧倒的なスピードとテクニックでアプリリアRSV Milleを颯爽と乗りこなし、向かうところ敵ナシだったフォード(マーティン・ヘンダーソン)は、覚醒剤の密売容疑でFBIから目をつけられ、タイへ高飛びをしていた。だが、ほとぼりの冷めた頃に嫌疑を晴らすべく、住み慣れた街へ戻ってくる。しかし敵対する黒人バイカーギャングの1人が殺され、再び身に覚えのない罪で指名手配されてしまい…。
とまあ、手垢のついたストーリーが一応展開はするが、ハッキリ言ってそんなものはどうでもいい。観るべき点はただ一つ。荒唐無稽かつド迫力のチェイス&アクションだ。主人公のフォードを中心に、白人バイカーギャング、黒人バイカーギャング、FBIが入り乱れて、徹頭徹尾バイクと車を使ったバイオレンスアクションが繰り広げられる。ヤシの林で行われるトリッキーなバイクチェイス、走行中の列車の上をバイク同士で激突する驚愕バトル、ブロンドvsゴスッ娘の妖艶な美女対決、とどめはヘリコプターのエンジンを積んだMTTタービンスーパーバイク(通称Y2K)でロスの街を大激走ときたもんだ!
これらを徹底的に能天気なアメリカンテイストで味つけしてあるのも素晴らしい。なにせ主人公のTシャツはラモーンズでヒロインのTシャツはストーンズ、バイクの祭典では巨乳美女が大胆露出で洗車(このシーンがムダに長いのが嬉しい)、白人ギャングたちが横並びで立ちション、YSKが街中を走り抜ける際には美女のスカートがフワリ…と、低俗なお約束ポイントをあげたら枚挙に暇がない。これをアメリカ以外の国でやったらここまでカラッとは仕上がらないだろう。湿っぽい気分を豪快に吹き飛ばすこと請け合いの81分、頭を空っぽにしてご賞味アレ!
映画に登場する車たち
ホンダ インテグラタイプR
映画の冒頭で砂漠の一本道をエクリプスと共に爆走するのが、イエローのインテグラタイプR。ホンダが生産していたFF駆動のクーペセダンで、劇中に登場するDC5は最終形の前期型。アメリカではアキュラRSXの名で販売された。劇中では後ろからあおってきたフォードのRSVをぶっちぎるため、NOS(ナイトラス・オキサイドと呼ばれるガスをエンジン内部に噴射するシステム)を使って加速、160マイル(250km)を超えるスピードで爆走する。ところが、なんとウィリー走行で猛然と追い上げてきたRSVにあえなくちぎられてスピン! 初っ端から、ありえない展開に口をあんぐりと開けてしまうこと必至だ。三菱 エクリプス
インテグラと同様、冒頭でRSVの急襲を受けるのがレッド/カーボンのエクリプス。劇中に登場するのは1999年デビューの3代目。2代目までのプラットフォームは使用せずに専用のものを開発したため、駆動方式はFFのみとなる。あっという間にRSVに抜き去られて、あやうく大破しかけた2台の刺青ドライバーは、ダイナーに立ち寄っていたフォードに襲いかかるも、お約束の返り討ちに。しかもケンカのとばっちりを受けてインテもエクリプスもボコボコ…。車に罪はないのに、ひどい!!ポルシェ911(993型)
ハリウッドの能天気映画につきものの、いかにも悲惨な目にあいそうなパープリンカップルが乗っているのが、イエローのポルシェ911(993型)。1993年に発売された空冷最後のモデルだ。当初はバイクに乗っていたカップルだったが、白人バイカーギャングたちに手ひどい目にあい、4輪に乗り替えた…のだが、悪徳FBI捜査官の運転するハマーH1が横転した際に、頭上から直撃をくらい、ペシャンコになってしまう(2人は直前で脱出)。空中にポーンと飛び上がったH1が、グルリと仰向けになり、ポルシェをプレス! まるでプロレス技のごとき本作屈指のクラッシュシーンを見逃すことなかれ!日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
第18回:『トルク』 【映画の名車】/旬ネタ