全米が泣いた歌姫のポルシェが競売に!今週のニュース斜め読み
カテゴリー: トレンド
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2015/09/19
フランクフルトモーターショー、一色に染まった今週の車関連ニュース。最新のコンセプトモデルに今後の自動車トレンドも見え隠れしたり……。現地に行って見られなかったのが残念なくらいです。ただし、10月には東京モーターショーがあります。こちらは、ぜひ足を運んで見たいですね。さて、今週の車ニュース斜め読み、いってみましょう。
芸能
■ジャニス・ジョプリンのポルシェが競売に出品(9月16日|ロイター発)
『1960年代に活躍した米ロック歌手、故ジャニス・ジョプリンが運転していたポルシェが12月10日にニューヨークで開催されるオークションに出品されることが明らかになった。
RMサザビーズによると、最高で40万ドル(約4810万円)以上の値が付く可能性がある』
アメリカの音楽史に名を刻む、女性ロックシンガーのジャニス・ジョプリンのポルシェがオークションに出されることになったようです。わずか27歳でこの世を去った彼女の音楽ジャンルはブルースロックやサイケデリックロックなどに分類されることがありますが、競売さえるポルシェの外装も実にサイケデリック!
1968年に購入したもので、もともとのボディカラーは白だったようですが、チョウやクラゲ、そしてジョプリン自身を描いたものとなっているとも伝えられています。ジョプリンの死後、レストアを経てアメリカ・オハイオ州にある「ロックの殿堂」に収蔵されていたようですが、遺族の意向で今回の競売となった模様です。
ちなみに、ジョプリンは惜しくも1970年にこの世を去りました。名曲「メルセデス・ベンツ」を収録した3日後だったそうです。
新しいオーナーのもとで、この「アート」なポルシェが美しい姿を保ち続けることを祈りましょう。
イベント
■独で自動車ショー開幕、小型SUVに熱視線(9月16日|日本経済新聞発)
『フランクフルト国際自動車ショーが15日開幕した。世界の自動車市場で最も売れる車種に成長する多目的スポーツ車(SUV)に熱い視線が注がれている。トヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)など各社がSUVを発表した。特に街乗りにも適する小型の開発が相次いでいる』
SUVや、SUVテイストを盛り込んだクロスオーバーモデルの人気が止まりません。スズキのハスラーやマツダのCX-3、フォルクスワーゲンのティグアンやBMWのX1など、軽自動車から輸入車までコンパクトなモデルを中心に国内でも盛り上がりをみせています。
そのトレンドが今後も続くと自動車メーカーが考えていることが、フランクフルトモーターショーで公然の事実となりました。日産は新型SUVのコンセプトモデル「グリップス」を発表。同時にマツダやトヨタもコンパクトSUVのコンセプトモデルを発表しています。
これらのコンセプトモデルが実際に発売されるまで、もう少しだけ時間がかかるのかもしれませんが、中古車を見渡せば、コンパクトSUVは実に豊富です。そろそろ終わるどころか、今後も続きそうなトレンドに乗って、コンパクトSUVを探してみるのも良いかもしれません。
法律・行政
■米国販売の新型車、自動ブレーキ標準搭載へ(9月16日|日刊工業新聞発)
『トヨタ自動車など日米欧の自動車メーカー10社が米国で販売するすべての新型車に自動ブレーキを搭載する。米運輸省道路交通安全局(NHTSA)と米道路安全保険協会(IIHS)と合意した。一部モデルに限られている自動ブレーキの普及をてこ入れする。自動緊急ブレーキ(AEB)を標準搭載することで合意した。NHTSAとIIHSとメーカーは今後数カ月かけて、実施スケジュールなどを協議する』
北米ではひと足早くAEBが全車に標準搭載されることになったようです。お金があれば付けられる、なければ付けられない。AEBをそういったオプション装備のひとつにしておくのではなく、すべてのオーナーが等しく恩恵を受けられるものにすべきという考え方です。
また、AEBが付いている車であっても、AEBが付いていない車に追突されるリスクは避けがたいものです。その観点からいえば、路上のすべての車にAEBが装着されてこそ、AEBの真価が発揮されると言えるのかもしれません。
日本でも、フォルクスワーゲンがパサート全車にAEBなど充実した安全装備をグレードに関係なく全車標準装備としています。北米に遅れをとる格好にはなりましたが、日本も遅かれ早かれ、AEBが付いていて当たり前になるのは時間の問題かと思われます。
テクノロジー
■googleが自動車メーカーになる? ならない?(9月16日|ロイター発)
『米グーグル幹部は15日、同社は自動車メーカーを目指すつもりはないと述べた。グーグルのドイツ、オーストリア、スイス、中東欧部門のマネジングディレクターを務めるフィリップ・ジャスタス氏が、フランクフルト国際自動車ショーで明らかにした。
グーグルは2009年、自動運転車の開発に着手。最近では、韓国・現代自動車の米国法人で最高経営責任者(CEO)を務めたジョン・クラフチック氏を自動運転車開発プロジェクトのCEOに迎える人事を発表し、将来的に事業化するための布石ではないかとの見方が出ていた。
だがジャスタス氏は「われわれ単独でできることではない」とし、自動車業界と提携して開発を進めていると指摘。その上で「googleは自動車メーカーになるつもりはない」と述べた』
Android携帯を生み出したgoogleは、Android OSを作ったのであって、スマートフォンメーカーではありません。googleのオリジナルブランドである「NEXUS」もサムスンやHTCなどがパートナーとして生産するものです。スマートフォンを作るよりも、google製OSを多くのメーカーが採用してくれることを望んでいるからでしょう。
自動運転車においても、googleが同じスタンスを取るのは十分にありえる話。自動(運転)車メーカーにはならないけれども、自動運転車用のインテリジェントシステムを開発し、これを幅広い自動車メーカーに採用して欲しいと考えているのかもしれません。
夢想すれば、汎用の自動運転システムをgoogleがリリースして、旧車なども自動運転車にコンバートできるようにならないものでしょうか。すでに世の中に存在する車も自動運転車にすることができれば、googleのシステムを使った自動運転車が爆発的に増える可能性もあります。
まとめ
自動ブレーキに、自動運転車、近未来の車にワクワクしつつも、旧車ともいえる1960年代の車にも夢を馳せてしまう……。車って本当に奥深いものですね。
今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。