フランクフルトモーターショーに出展されたニューモデルに沸いていたところから一転、自動車関連のニュースはフォルクスワーゲンの排ガス不正に関する話題でもちきりです。今後の展開が気になるところです。今週も車ニュース斜め読み、いってみましょう。

不具合・リコール

■問題のフォルクスワーゲン車 国内の正式販売なし(9月23日|NHK発)

『ドイツのフォルクスワーゲンが排ガス規制をクリアするためディーゼル車に不正なソフトウエアを搭載していた問題で、フォルクスワーゲンの日本法人は、日本では現在、ディーゼル車を販売しておらず、改修が必要な車両はないとしています。ただ年内にも予定していた日本市場でのディーゼル車の発売の時期は見直しも検討するとしています』

FBで知人が「この夏、ゴルフ買ったばっかりなのに!」と頭を抱えていました。しかし落ち着いてください。今のところ、この問題は北米、そして欧州が中心になります。ディーゼルエンジン搭載車が導入されていなかった日本市場のユーザーには直接関係がありません(もちろん並行輸入車などはありますが……)。

もちろん、まったくの無関係でもありません。フォルクスワーゲンについては高い品質の好印象を抱いていたドライバーも多いはず。そういったブランドイメージが傷つくのは避けられない可能性もあります。

また、日本に導入される予定だったクリーンディーゼル搭載車が延期になるのなら、期待して待っていたドライバーも落胆することになります。

そして、フォルクスワーゲンCEOの引責による辞任が発表されました。一部の報道によると、年金を含めた退職金は最大約6000万ユーロ(約80億円)になるのだとか。問題の規模も大きいですが、退職金もビッグですね。

▲フォルクスワーゲンの排ガスに関する不正問題。ディーゼルエンジンが導入されていなかった日本市場では、この問題との関係は比較的薄いといえるでしょう ▲フォルクスワーゲンの排ガスに関する不正問題。ディーゼルエンジンが導入されていなかった日本市場では、この問題との関係は比較的薄いといえるでしょう

交通・インフラ

■渋滞緩和!?サーキット観戦帰宅組に朗報(9月25日|日本経済新聞発)

『三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで25~27日に開催されるF1日本グランプリの渋滞緩和策として、国土交通省三重河川国道事務所は、決勝が実施される27日午後2時から同11時まで会場周辺の道路の映像をリアルタイムでインターネット上に公開する。

鈴鹿インターチェンジ(IC)前や近畿日本鉄道白子駅など会場周辺の8カ所に調査員を配置し、道路状況を撮影した映像を配信する。映像は国や自治体などでつくる鈴鹿F1日本グランプリ地域活性化協議会のホームページで公開され、15分ごとに更新される』

ようやく本腰を上げて対策していただけるのでしょうか。何のことかと申し上げますと、F1のサーキット観戦終了後の渋滞対策です。

F1に限らず、日本で人気のSUPER GTなどはレース終了後に大変な渋滞が発生します。行楽シーズンの富士スピードウェイでは、駐車場から出口のゲートまで1時間近く、そこから東名・御殿場インターチェンジまで2時間……といったこともありました。

こうなると「こんなに渋滞に苦しめられるのなら二度と来ない」というドライバーがいても不思議はありません。いくらレースが盛り上がっても、また来たい」と思わないのであれば、なんとも残念です。

リアルタイムで混み具合がわかり、交通量が分散されるようになれば、渋滞が緩和される可能性があります。モータースポーツの盛り上がりのためにも実効力を期待しましょう。

▲旅先やイベントの素敵な思い出も劣悪な渋滞で台無し……というケースもあります。もっとスムーズに走りたいものですよね(写真は本文と関係ありません) ▲旅先やイベントの素敵な思い出も劣悪な渋滞で台無し……というケースもあります。もっとスムーズに走りたいものですよね(写真は本文と関係ありません)

交通ルール・マナー

■追突防止に「3秒ルール」が広がる!?(9月24日|毎日新聞発)

『車間距離は「メートル」ではなく「秒」で確認−−。九州大の松永勝也名誉教授(74)=安全科学=が提唱する「車間距離3秒」ルールを採用する動きが広がっている。「危ない」と気付くまでに約1.5秒、ブレーキを踏んで停車するまでを約1.3秒と想定し、誤差も考慮し3秒分、前の車両との距離をとるというもの。追突事故の多さに悩む大分県警は今年度から交通安全運動のチラシに採用。佐賀県警も普及に乗り出している』

車間距離をキープするための新しいムーブメントです。これまでも、高速道路の防音壁などには前車との車間距離を図るためのメーター表示がありました。この提唱では、そういった表示で判断するのではなく、前車と離れている秒数から安全な車間距離を保とうというのです。

具体的には、前を走っている車が目印となるポイントを通過した間から自分の乗っている車がそこを通過するまでの時間を計ります。

その時差が3秒であればOK。時速についての言及がないのは少し気になりますが、いっそう安全意識が高まるのはいずれの方法においても良いことです。

▲例えば、前の車が案内板を通り過ぎた瞬間から、自車がそこを通り過ぎるまでの秒数を計るようにします。果たして、新たな3秒ルールは定着するのでしょうか ▲例えば、前の車が案内板を通り過ぎた瞬間から、自車がそこを通り過ぎるまでの秒数を計るようにします。果たして、新たな3秒ルールは定着するのでしょうか

ニューモデル・スクープ

■Appleが電気自動車を2019年に発売?(9月22日|ウォールストリートジャーナル発)

『米アップルは電気自動車(EV)の開発を加速している。事情を知る複数の関係者によると、アップル社内ではEV開発を重要プロジェクトと位置付け、2019年の出荷開始を目指している。

同社は米カリフォルニア州の政府関係者らとの協議を行うなど、1年以上かけてアップルブランドの自動車が実現可能かを調査してきた。関係者の話では、「タイタン」と呼ばれる同プロジェクトの幹部らは、現在600人で構成する開発チームを3倍に拡大することを認められた』

ちょうどiPhone 6sの発売がスタートしました。新色ローズゴールドが話題になってはいますが、新しいユーザー体験を続々と提供していた一時の勢いはさすがにありません。

いよいよ次なるステップ、期待のニューモデルがApple Carとなるのでしょうか。その開発に向けてアップルが本腰を入れて体制を整えているという報道です。アップルが作るからにはスタイリングも期待していいのではないでしょうか。

いずれにせよ、電気自動車となるようなので、アップルだけにバッテリーのもちが気になるところではあります……。

▲iPhone 6sから、北米ではリースプランが用意されるようになりました。ご存じかもしれませんが、北米では車もリースプランの個人利用が非常に盛んです。Apple CarからApple Car sへ、そしてApple Car 2へと1年おきに最新モデルへ乗り替えることになるのでしょうか。お安くなったApple Carの中古車を上手に乗るのもありですね。まだ発売もされていませんが……(写真はアップルが提供しているApple Car Playのイメージカット) ▲iPhone 6sから、北米ではリースプランが用意されるようになりました。ご存じかもしれませんが、北米では車もリースプランの個人利用が非常に盛んです。Apple CarからApple Car sへ、そしてApple Car 2へと1年おきに最新モデルへ乗り替えることになるのでしょうか。お安くなったApple Carの中古車を上手に乗るのもありですね。まだ発売もされていませんが……(写真はアップルが提供しているApple Car Playのイメージカット)

まとめ

個人的には、Apple Carの動向が気になります。2019年といえば東京オリンピックに間に合うことになりますからね。気になるのは性能とお値段。32馬力、64馬力、124馬力から選べたりするのでしょうか。既存の自動車メーカーにはない“まったく新しい”売り方にも期待したいところです。

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

text/ブンタ
photo/graaab、アップル