フランクフルトでモーターショーが終わったと思ったら、今度は東京モーターショーが控えていました。そのプレビュー的なニュースがチラホラ出ているので、まずは東京モーターショーの話題からいってみましょう。

イベント

■世界初出展車76台! 東京モーターショー概要発表(10月1日|日本経済新聞発)

『日本自動車工業会(自工会)は1日、東京ビッグサイト(東京・江東)で10月29日~11月8日に開催する「第44回東京モーターショー2015」の概要を発表した。世界初出展車両は76台で、国内外160社が出展する。車両に加え、自動運転技術や超小型車、水素エネルギーなどの次世代技術も展示する。排ガス不正問題で揺れる独フォルクスワーゲン(VW)も出展する』

世界初出展車両、つまりワールドプレミアが76台もズラリと勢揃い。いつにも増して盛り上がりそうです。とりわけ今や環境性能が高いのはアピールポイントというより、もはや身だしなみのレベル。そのうえで、どれほど魅力を備えているかが勝負どころになります。

例えば、注目に値するモデルの1台がマツダのスポーツカー。チラ見せ画像ではクーペが出現! シルエットからはロードスターのクーペ版というより、まったくの別物を想像させます。そのそばには1967年製のコスモスポーツが並べられるというのですから、「これは、もしやのロータリーエンジン搭載車の復活では!」 と夢想。期待しましょう!

▲東京モーターショーでマツダブースに展示されるクーペがチラ見せされました。恐ろしいほど美しいルーフライン、ゾクゾクさせるシルエット……。ひょっとしたら、あの名車が復活!? ▲東京モーターショーでマツダブースに展示されるクーペがチラ見せされました。恐ろしいほど美しいルーフライン、ゾクゾクさせるシルエット……。ひょっとしたら、あの名車が復活!?

ニューモデル

■ホンダの燃料電池車は航続距離が700km以上(10月1日|日本経済新聞発)

『ホンダは2016年3月に同社で初となる量産型の燃料電池車(FCV)を売り出す。走行距離は約700キロメートル以上とトヨタ自動車が昨年発売したFCV「ミライ」を上回る。ホンダの本格参入で普及に向けた競争が加速。インフラ整備も含めて次世代エコカー市場の活性化を促しそうだ。

10月末に開幕する東京モーターショーで一般公開する。30日に出展車両として新型FCVの概要を明らかにした。トヨタのミライに続く量産型のFCVになる』

FCVを開発し続けたホンダが、いよいよ市販モデルをリリースするようです。先行するトヨタ MIRAIの航続距離はJC08モードで約650km(2015年10月現在)といわれます。それを上回る走行距離を実現しているとのことですが、それに劣らず注目したいのがボンネット下に燃料電池やパワートレインを集約したとされる点(市販車として世界初)。これにより、大人5人がゆったりと座れる居住空間を実現しているとのこと。さすがに後発だけあって、より高い実用性を備えているようです。

気になるお値段は700万円台が想定されているのだとか。これは期待できそうな“量産型”になりそうですよ。

▲ノーズの長い、エレガントなスタイルが与えられているホンダの燃料電池車。車名は新型FCVと仮称になっていますが、どんなネーミングになるのでしょうか。もう未来の話ではなくなったのですから、“TODAY”なんていかがでしょう。軽すぎますでしょうか? ▲ノーズの長い、エレガントなスタイルが与えられているホンダの燃料電池車。車名は新型FCVと仮称になっていますが、どんなネーミングになるのでしょうか。もう未来の話ではなくなったのですから、“TODAY”なんていかがでしょう。軽すぎますでしょうか?

社会実験

■自動運転タクシーの実証実験がスタート(10月1日|ロイター発)

『政府は1日、乗客を無人で目的地まで運ぶ自動運転タクシーなどの実証実験を来年初めから開始すると発表した。地域を限定して規制を緩和する国家戦略特区の事業として行う。神奈川県湘南エリアを皮切りに、来年3月までに宮城県仙台市、愛知県名古屋市でも実施する予定。

政府が掲げる日本再興戦略では、運転手のいらない完全自動走行の実現により、日本の経済成長、新たな産業発展や地方創生につなげたい考え』

ついに来ました。自動運転車時代の到来です。実験をサポートするのは、以前も紹介したことのある「ロボットタクシー」。その親会社はソーシャルゲーム大手ディー・エヌ・エーなので、自動運転車の研究・開発というより実業の香りがすると申し上げましたが、一気に現実味が帯びてまいりました。

ただし安全確保のために、実験中は運転席に乗務員が座って緊急時に備えるとのこと。ですので、見た目は無人のタクシーではなく、普通にドライバーが座っているタクシーです(ちょっとだけ残念?)。

自動運転車のタクシーが実現するとカーライフがもっと自由になる可能性あります。例えば、オープン2シーターに乗りたいけれど、1~2ヵ月に一度、両親を乗せて出かけるからミニバンにしなければならない……。そんな方は好きな車に乗り替えて、大人数で移動するときは自動運転タクシーを利用するようになるかもしれません。24時間いつでも気軽に呼べるうえに、有人タクシーと比べて運賃がグッと引き下げられる可能性もありますからね。

▲実験に使われるのはロボットタクシーの車両。トヨタのエスティマがベースです。果たして、自動運転化されても、路上で手を振れば止まってくれるのでしょうか…… ▲実験に使われるのはロボットタクシーの車両。トヨタのエスティマがベースです。果たして、自動運転化されても、路上で手を振れば止まってくれるのでしょうか……

サービス

■飛行機からレクサス、そして飛行機への快適乗り換え術(9月30日|日本経済新聞発)

『全日本空輸は30日、羽田空港のターミナル間の送迎に、トヨタ自動車の高級車「レクサス」を使ったサービスを1日に始めると発表した。同社の国内線と国際線を乗り継ぎ、国際線区間でファーストクラスを利用する旅客が対象となる。これまでの空港内の送迎はバス車両などを使うのが一般的で、高級車を採用するのは初めてという。

「ANA&LEXUS CONNECTION」を始める。レクサスの最上級セダン「LS」とSUV(多目的スポーツ車)の「LX」を使う。1日20人前後の利用を見込む』

国際線が増えてから羽田空港がますます便利になりました。国内線で羽田にきて、そこから海外へ足を延ばす方がいるのも頷ける話です。そんな旅程を組む方に朗報。国内線と国際線の乗り換えがラグジュアリーになりました。レクサスとのコラボレーションにより、ずっと快適に、もっとセレブに空港をズバーンッと移動できるようになったのです。

ただし記事にもありますように、これは国際線でファーストクラスを利用する方へのサービスといいますか“おもてなし”です。羽田の存在で海外は近くなったような気はしますが、ファーストクラスとなると遠い存在です……。こうなったら空港内の移動は無理でも、日常生活では上手にレクサス LSやLXに乗りたいものです。カーセンサーで検索してみますかね!

▲羽田空港の国際線と国内線の乗り継ぎに快適なアシとなるレクサス LSとLX。国際線でファーストクラス利用者が対象のサービス ▲羽田空港の国際線と国内線の乗り継ぎに快適なアシとなるレクサス LSとLX。国際線でファーストクラス利用者が対象のサービス

まとめ

東京モーターショーでは次世代技術満載の車がお披露目されることでしょう。自動運転車は主役級ですが、もはや未来の話、夢物語ではなくなりましたね。また、スポーツカーのニューモデルなど、運転そのものを楽しみたいドライバーが喜べそうなトピックスも用意されていそうです。興奮を共有したい方は、10月29日から開催される東京モーターショーへ足を運んでみてはいかがでしょうか。

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

text/ブンタ
photo/マツダ、ホンダ、ロボットタクシー、ANA