▲2日間で2万1888人が来場した「東京キャンピングカーショー2015」。モーターホームやトレーラーの周りには多くの人が集まっていましたが、普段使いがしやすいモデルにも注目が ▲2日間で2万1888人が来場した「東京キャンピングカーショー2015」。モーターホームやトレーラーの周りには多くの人が集まっていましたが、普段使いがしやすいモデルにも注目が

コンパクトモデルに軽キャンパー以外の選択肢が増えている

北米やヨーロッパでは大きなキャンピングカーで長期間の旅を楽しむ人が多くいます。映画などでそんな光景を見て、「いつかは自分も」と夢見ている人は、案外たくさんいるのではないでしょうか。コンパクトかつオープンカーであるフィアット 500Cを日常の足にしている筆者も、小さい車の利便性を感じつつ、大きなキャンピングカーでの旅に憧れているひとり。

広い車内で優雅な旅を……と考えるなら、巨大なモーターホームや小型トラックをベースにした「キャブコン」と呼ばれるキャンピングカーが欲しいところ。でも日本は道も駐車場も狭いから、買うだけのお金があっても気軽に乗ることはできません。

で、多くのキャンピングカーユーザーが選んでいるのはトヨタ ハイエースや日産 NV350キャラバンをベースにした「バンコン」になります。ただ……これでもまだ大きいんですよね。複数台の車を所有できる環境なら何の問題もないけれど、1台ですべてを賄うのはちょっときつい。

「大きな車に抵抗を持つ奥さんが買い物や駅までの送り迎えに毎回ハイエースじゃ大変だな……」

そんなことを考えながら今年7月4日~5日に東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2015」の会場を歩いていると、あることに気付きました。出展車両はハイエースベースのバンコンやトヨタ カムロードベースのキャブコンが多いのですが、そこに混ざってミニバンやコンパクトカーをベースにしたキャンピングカーが目立つんです。

あるメーカーに話を聞いたところ、キャンピングカーへの憧れは年々高まっているが、筆者と同じように考えて諦める人が多いとのこと。それならと普段使いもしやすいサイズの車をベースに架装を最小限に抑えたキャンピングカーを作ってみたそう。これらはサイズが手頃なのはもちろん費用も抑えられるので多くの問い合わせがあるのだとか。

そもそも数週間の休みを取れる人なんてなかなかいないもの。キャンピングカーの旅と言っても長くて数泊という人が大多数です。だったら最低限の装備でも十分楽しめちゃうんですよね。しかもミニバンやコンパクトカーベースなら乗り心地の面も安心でしょう。

あくまで普段使いでの利便性を最優先し、休みが取れたらパッと出かけてアウトドアライフを満喫。そんな生活を気軽に楽しめるモデルは、キャンピングカーライフの入り口に最適! というわけで、会場で見つけた気になるキャンピングカーを紹介します。

▲MYSTIC TSCがヴェルファイアをベースに製作した「バルテオ」。Lクラスミニバンの風格を壊すことなくアウトドアで便利な機能を盛り込んでいます。車両本体価格は 476万7782円(税込)~ ▲MYSTIC TSCがヴェルファイアをベースに製作した「バルテオ」。Lクラスミニバンの風格を壊すことなくアウトドアで便利な機能を盛り込んでいます。車両本体価格は 476万7782円(税込)~
▲ベース車の3列目シート部分にレンジとシンクを装備。ヴェルファイアらしい高級感あるデザインとなっています。 ▲ベース車の3列目シート部分にレンジとシンクを装備。ヴェルファイアらしい高級感あるデザインとなっています
▲2列目シートは前向き、後ろ向き、フルフラットにできます。フルフラットにするとセミダブルサイズのベッドが現れます ▲2列目シートは前向き、後ろ向き、フルフラットにできます。フルフラットにするとセミダブルサイズのベッドが現れます
▲ノアのハイブリッド車をベースにバンテック新潟が製作したキャンピングカー「MR HYBRID」。5ナンバーサイズならではの取り回しの良さで普段使いも余裕!標準仕様の価格は432万円(税込)~ ▲ノアのハイブリッド車をベースにバンテック新潟が製作したキャンピングカー「MR HYBRID」。5ナンバーサイズならではの取り回しの良さで普段使いも余裕!標準仕様の価格は432万円(税込)~
▲3列目シートの位置に取り付けられたミニシンクは、ヘッドを外まで伸ばしシャワーとして使うこともできます ▲3列目シートの位置に取り付けられたミニシンクは、ヘッドを外まで伸ばしシャワーとして使うこともできます
▲サブバッテリー、1800Wインバーターシステム、ソーラー充電システムなど上級キャンパー並みの装備を備え、電子レンジやポットが使えるようになっています ▲サブバッテリー、1800Wインバーターシステム、ソーラー充電システムなど上級キャンパー並みの装備を備え、電子レンジやポットが使えるようになっています
▲今回目立っていたのが日産 NV200のキャンパー。ベースが商用車なので架装が容易なのだとか。トイファクトリーのエコロは車両価格256万円(税別)と入門モデルにピッタリです ▲今回目立っていたのが日産 NV200のキャンパー。ベースが商用車なので架装が容易なのだとか。トイファクトリーのエコロは車両価格256万円(税別)と入門モデルにピッタリです
▲ベッドにしたときに寝心地がいいよう、シート地は柔らかめのものに。子供用ベッドも上段に設置可能です ▲ベッドにしたときに寝心地がいいよう、シート地は柔らかめのものに。子供用ベッドも上段に設置可能です
▲運転席を回転させればテーブルを挟んでくつろぐことも可能。ウッドをふんだんに使い室内は落ち着いた雰囲気です ▲運転席を回転させればテーブルを挟んでくつろぐことも可能。ウッドをふんだんに使い室内は落ち着いた雰囲気です
▲WHITE HOUSEはフリードスパイク&フリードスパイクハイブリッドのキャンパー仕様「フリースタイル」を展示。ポップアップルーフは大人2人が寝られるスペースが確保されています。ポップアップルーフを備えるグレード「POP」(ハイブリッド車ベース)の価格は277万円(税抜)~ ▲WHITE HOUSEはフリードスパイク&フリードスパイクハイブリッドのキャンパー仕様「フリースタイル」を展示。ポップアップルーフは大人2人が寝られるスペースが確保されています。ポップアップルーフを備えるグレード「POP」(ハイブリッド車ベース) の価格は277万円(税抜)~
▲スライドドアとリアゲートにはモスキートネットがついています。またすべての窓にプライバシーカーテンが装備されています ▲スライドドアとリアゲートにはモスキートネットがついています。またすべての窓にプライバシーカーテンが装備されています
▲下段のベッド長は1800mm。コンパクトミニバンであるフリードがベースのフリードスパイクはロングホイールベースのメリットを生かし室内長が長くなっています! ▲下段のベッド長は1800mm。コンパクトミニバンであるフリードがベースのフリードスパイクはロングホイールベースのメリットを生かし室内長が長くなっています!
▲コンパクトサイズのキャンピングカーの代表といえば、軽キャンパー。レンジなどを装備したもの、背の高さを活かし2段ベッドを付けたもの、ポップアップルーフで就寝人数を増やしたものなど様々なモデルがあります。軽キャンパーは子育てを終えた夫婦に人気です ▲コンパクトサイズのキャンピングカーの代表といえば、軽キャンパー。レンジなどを装備したもの、背の高さを活かし2段ベッドを付けたもの、ポップアップルーフで就寝人数を増やしたものなど様々なモデルがあります。軽キャンパーは子育てを終えた夫婦に人気です
▲大きいキャンピングカーだとキャンプ場へのアプローチが通れなかったり、区画内に入らないということもあります。会場にはキャンピングカー歓迎のキャンプ場の案内も置かれていました ▲大きいキャンピングカーだとキャンプ場へのアプローチが通れなかったり、区画内に入らないということもあります。会場にはキャンピングカー歓迎のキャンプ場の案内も置かれていました
text & photo/高橋 満(BRIDGE MAN)