元F1ドライバーの鈴木亜久里が率いるレーシングチーム「スーパーアグリ」が、2014年から開催されるFIA(国際自動車連盟)公認の新シリーズ、フォーミュラEで復活することとなった。正式なチーム名は「スーパーアグリ・フォーミュラE」となり、鈴木はエグゼクティブチェアマンを務める。

スーパーアグリは2006シーズンよりF1に参戦。2007年のスペイングランプリでは佐藤琢磨が8位入賞し、チーム初のポイント(1ポイント)を獲得。カナダグランプリでも佐藤が、当時マクラーレンのアロンソをオーバーテイクするなどの快走を見せて6位入賞(3ポイント)した。だが、チーム発足当初から続く慢性的な資金難から2008年の第4戦スペイングランプリを最後に活動を休止した。

今回はスーパーアグリF1チームのテクニカルディレクターだったマーク・プレストンがチーム代表を、ペーター・マクールがテクニカルディレクターを務める予定。参加枠は10チームに絞られているが、スーパーアグリは参戦を表明した6チーム目にあたり、FIAの最終承認を経て参戦が正式に決定することとなる。アラン・プロストやマイケル・アンドレッティが率いるチームも参戦予定だ。

フォーミュラEは電気自動車(EV)のフォーミュラカーによる世界選手権で、初年度は「パーク・ルノーSRT_01E」というマシンのワンメイクとなり、パワートレインを含めてルノーが技術を監修。翌年以降はチーム独自にマシンを製造・改良することが認められる。

1チームあたり2人のドライバーがレースをするのはF1と変わらないが、搭載するバッテリーの充電量に限度があるため、ドライバー1人あたり2台のマシンを使用し、レース中にピットで乗り換えるシステムとなる。2年目以降はピット停車中にワイヤレス充電するシステムが採用される予定だ。

秋に開幕し、初夏に終幕する全10戦のスケジュールとなっており、2014年9月20日に北京で開幕戦。全戦が公道を舞台としたストリートサーキットとなる。残念ながら日本でのレースは予定されていないが、日本のチームが参戦することで、新たな選手権として注目が集まりそうだ。

マシンのカラーリングはF1時代を思い起こさせる白地に赤のデザイン。日本人ドライバーが起用されるのか、注目が集まりそうだ

マシンのカラーリングはF1時代を思い起こさせる白地に赤のデザイン。日本人ドライバーが起用されるのか、注目が集まりそうだ

チームの首脳陣はスーパーアグリF1チームに参戦した主要メンバー。他チームも、F1やインディカーなど経験豊富なメンバーが揃う

チームの首脳陣はスーパーアグリF1チームに参戦した主要メンバー。他チームも、F1やインディカーなど経験豊富なメンバーが揃う