都市部で生活し、仕事で忙しく、散歩もままならない…。わんこと暮らすうえで、誰もが少なからず抱える問題だろう。理想は、普段から人とわんこが一緒になって遊べる環境を作ること。住環境も含めた問題なので簡単ではないけれど、実現すれば絆はますます深まっていく。実践した飼い主さんの自然な笑顔を見れば、きっと興味が湧いてくるはず。

▲飼い主のジャッキーさんは、アウトドアで便利な衣類やバッグを作るギアクラフトマン▲飼い主のジャッキーさんは、アウトドアで便利な衣類やバッグを作るギアクラフトマン

日本には数えるほどしかいないコーイケルホンディエ

「ミンガス!」

よく通る、そして愛情のこもったかけ声に寸分の間を置くことなく、小柄なわんこが車から駆け降りてきた。

ミンガスちゃんは「コーイケルホンディエ」という犬種。

オランダでカモ猟に使われていた、小型の狩猟犬だ。

「日本ではとても珍しい犬種。繁殖は少数のブリーダーさんが厳密に管理していて、ペットショップで出合えることはありません」

そう語るのは、ミンガスちゃんを1年前から飼い始めたジャッキーさん。

ちなみにジャッキーというニックネームは、友人たちが昔からそう呼んでいたそうで、その由来はご本人も覚えていない。

▲希少な小型猟犬のミンガスちゃん。お出かけに使うジムニーは、彼女の大切な休憩場所でもある ▲希少な小型猟犬のミンガスちゃん。お出かけに使うジムニーは、彼女の大切な休憩場所でもある

アウトドア全般に通じるジャッキーさんは、よく遊びに行く丹沢山中で飼い主に連れられた「コーイケルホンディエ」を見かけたのを機に、興味を抱いたとか。

「以前から犬を飼いたいと思っていましたが、住まいを東京・高尾の一軒家に移し、自然との距離が近い環境で育てられるようになったのを機に、実行に移しました」

どんなわんこでも命の重みに変わりはないが、希少な犬種は安易な繁殖を避けるため、とりわけ飼い主の責任が問われる。

ジャッキーさんはブリーダーと面接して粘り強く交渉した結果、晴れて子犬のミンガスちゃんを我が家に連れて帰ることができた。

▲ジャッキーさんの自由な精神を受け継ぎながら、のびのびと育つミンガスちゃん ▲ジャッキーさんの自由な精神を受け継ぎながら、のびのびと育つミンガスちゃん

ジムニーに乗って、人とわんこがともに遊べるフィールドへ

「カモ猟に従事する犬種だから、水をあまり恐れず、鳥を追いかける習性があるんですよね」

取材場所が川の中流域にあるフィールドだったため、ミンガスちゃんは鳥の気配を感じると勢いよく走っていく。

「この夏、泳ぎも教えました。ただ、流れの強い川だと溺れてしまうので、ここでは無理ですね~」

わんこの健康に適切な運動は不可欠。狩猟犬ともなればなおさらだ。

▲カモがいなくても、水辺があるとついつい足が向いてしまう! それでもジャッキーさんが呼ぶと、踵を返して駆け戻る ▲カモがいなくても、水辺があるとついつい足が向いてしまう! それでもジャッキーさんが呼ぶと、踵を返して駆け戻る
▲取材当日は夏の終わりにつき、気温がかなり高め。ジムニーの下が気持ちいい! ▲取材当日は夏の終わりにつき、気温がかなり高め。ジムニーの下が気持ちいい!

スズキ ジムニーにMTBを積んでフィールドにジャッキーさんのそばには、いつもミンガスちゃんがいる。

「今までは日帰りだけでしたが、もう1歳なので泊まりのハイキング・キャンプに連れてこうと思います」

ジムニーやMTB、キャンプ道具といった道具を駆使して大好きな自然の中で遊ぶジャッキーさんは、ミンガスちゃんを従えるのではなく、一緒に遊ぶために連れて行く。

人とわんこの固い絆は、こうして結ばれていくのだろう。

▲ジムニーに積んだミンガスちゃんのベッドは、フィンランドのドッグブランド「Hurtta」(フルッタ)のもの。丸くなって眠るわんこの習性に合った、理想的なデザインだ ▲ジムニーに積んだミンガスちゃんのベッドは、フィンランドのドッグブランド「Hurtta」(フルッタ)のもの。丸くなって眠るわんこの習性に合った、理想的なデザインだ
▲MTBに乗るジャッキーさんと併走。ミンガスちゃんは体は小さくても、かなりの健脚ぶり ▲MTBに乗るジャッキーさんと併走。ミンガスちゃんは体は小さくても、かなりの健脚ぶり
▲2年後を目安に子作りにも挑戦したい、とジャッキーさん ▲2年後を目安に子作りにも挑戦したい、とジャッキーさん
text/櫻井香
photo/見城了