▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム。今回は、完全自動運転(レベル5)が実現した世界を妄想しながら、“車を操る”ことの価値について徒然と……▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム。今回は、完全自動運転(レベル5)が実現した世界を妄想しながら、“車を操る”ことの価値について徒然と……

実は若い世代ほど強い「運転を楽しみたい」傾向

ここ最近、車の自動運転に関する話題を新聞やインターネット、テレビなどで頻繁に目にするようになった。そんなトレンドにあおられて、自動運転が進化した近未来の車との関わり方をSF映画ばりに妄想してみた。

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そこは、場所の限定なくシステムがすべてを操作する完全自動運転(レベル5)が実現した世界。

今でいう動画サービスのように、街のあちこちで待機している無人運転車を呼び出して使うスタイルが一般的に。

呼び出す際はAIスピーカーに話しかけるのがメインで、配車アプリは下火。支払いは都度課金やサブスクリプション(定額)制の他、新着モデルなど特定の無人運転車のみ課金制でその他は定額制の合わせ技なども選べる。

無人運転車の配車サービス各社は、規模やラインナップ、料金体系などで個性を競い、ユーザーは好みや用途に応じてそれらを使い分けている。

私「今から買い物に行きたいんだけど」
AIスピーカー(以下、AI)「近くに定額利用のパーソナルタイプとファミリータイプが1台ずつ周回しています。少し離れたところに、キャンペーン価格で乗れる新着モデルも1台あります」
私「新着モデルか。どんなやつ?」
AI「モニターに表示します」
私「かっこいいけど、今日は買い物だけだからいいや。定額のパーソナルタイプで」
AI「5分後に到着予定です」

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……そもそも、レベル5の完全自動運転を実現できるのか、という疑問はある。だが2018年の現在、ステアリング操作と加減速の両方が連携して運転をサポートするレベル2のモデルがすでに市販されている。

さらに、レベル3以降の本格的な自動運転フェーズへ官民挙げて向かっている現状を考えると、上記の妄想もあながち荒唐無稽な絵空事と言い切れない気がしてくる。

ここで、リクルート自動車総研が中古車購入者を対象に独自に行ったアンケートの結果を見てみよう。

※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より
※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より ※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より

「車を運転したくないか」という問いに対する回答を示したグラフ①では、運転したい人の数がまだまだ優勢だ。またグラフ②からは、若い世代ほど積極的に運転を楽しみたいと思う傾向が強いことがうかがえる。

ところで、音楽業界ではここ最近、ライブの動員観客数が増加傾向にあるという。ご存じのとおり、音楽の視聴スタイルは記録媒体(メディア)の進化とインターネットの普及によってめまぐるしく変化してきた。だが、ここへきて最も原始的ともいえるライブに回帰しているという現象はとても興味深い。

単に車を私的な移動手段と考えれば、システムに運転を委ねられる完全自動運転のメリットは大きいだろう。

だが、自動運転が進化するほど、音楽業界のように、自ら機械を操る楽しさに対する価値は上がってくると考えられないだろか。

そうなったら、未来の辞書では、『ドライブ』に運転する=『DRIVE』だけではなく、運転しているライブ感をもっと積極的に楽しむ=『DO-LIVE』の意味も加わっているかもしれない。

予算100万円! 今買いたい『DO-LIVE』感が満載なモデル3選

1:スズキ ジムニー(2代目)

▲実践するかどうかは別にしても、道なき道を制覇する最強の誉れ高いクロカン性能を与えられた車に乗っているというだけで気分はアガる。ぜひMT車をチョイスして! ▲実践するかどうかは別にしても、道なき道を制覇する最強の誉れ高いクロカン性能を与えられた車に乗っているというだけで気分はアガる。ぜひMT車をチョイスして!


2:マツダ ロードスター(3代目)

▲運転する喜びをライブで体感できるという意味で、初代から貫かれる「人馬一体」のコンセプトはDO-LIVEにぴったり。予算100万円で狙いやすくなってきた3代目に注目だ ▲運転する喜びをライブで体感できるという意味で、初代から貫かれる「人馬一体」のコンセプトはDO-LIVEにぴったり。予算100万円で狙いやすくなってきた3代目に注目だ


3:ローバー ミニ(初代)

▲生産終了から17年経過し、2018年の現在でもクラシックカー感が漂い始めている。狭い室内、独特のハンドル位置、ゴーカートのような乗り味など、まさにDO-LIVE感の塊 ▲生産終了から17年経過し、2018年の現在でもクラシックカー感が漂い始めている。狭い室内、独特のハンドル位置、ゴーカートのような乗り味など、まさにDO-LIVE感の塊


text/編集部
photo/Photo AC、スズキ、マツダ、BMW