▲犬を運転中の車に乗せるときには、ひざなどに乗せるなどは厳禁。いくら慣れていても動物なので、いつなんどき、どんな動きをするか分からず、事故にもつながり兼ねない ▲犬を運転中の車に乗せるときには、ひざなどに乗せるなどは厳禁。いくら慣れていても動物なので、いつなんどき、どんな動きをするか分からず、事故にもつながり兼ねない

ペットの犬の数は小中学生と同じ!?

平成25年度(2013年度)の「全国犬・猫飼育実態調査」(一般社団法人ペットフード協会)によると、全国で飼われている犬の推計頭数は1087万2000頭。なんとこの数は全国の小中学生とほぼ同等なのだとか。これだけ飼育数が多いと犬を車に乗せる人も多いと思うが、「なかなか車に慣れてくれない」という悩みを持つケースも珍しくないだろう。

犬を車に慣れさせるためには、いくつかのステップがある。例えば、幼犬の頃から車で動物病院に連れて行っていたら「車に乗る=病院」というネガティブなイメージがついてしまい車嫌いになってしまった、とはよく聞く話だ。そこで、「車=楽しい場所」と思わせることが重要になる。まずは車に乗ったらおやつをあげて褒めるということを繰り返そう。犬は「車に乗るとご褒美がもらえる」と覚えて、嫌がらずに乗り込むようになる。

車内に自ら乗り込むようになったら、次は移動。まずは5~10分程度で移動できる近場の公園などがオススメ。「車で移動すると楽しいことが待っている」と覚え込ませるのだ。このときに注意したいのが車酔い。犬も人間と同じように車酔いをしてしまう。こうなると、車に対してイヤなイメージがついてしまい、次から乗るのを嫌がってしまう。

車酔いに関しては人間も犬も同じ

車酔いの対策としては、まず車に乗せる直前に食事を与えないこと。人間と同じで、胃の中に食べ物が残っていると車酔いを助長してしまうことがある。次に、車内の臭いケア。人間の百万倍から1億倍ともいわれる嗅覚を持つ犬は、過度な芳香剤やタバコの残り香なども苦手なケースが多い。車内の風通しや温度などに留意することが必要だろう。

もうひとつ重要なのは、できるだけ揺れが少ない環境だ。できるだけ急のつく運転を避けるのは当然として、しっかりと固定できるキャリーケースや犬用シートベルトなどで、犬の体が安定するようにしておこう。

車に慣れてきたら、徐々に距離を伸ばしていく。その際、キョロキョロしたりヨダレを垂らし始めたら要注意。犬の乗り物酔いの最初の症状はめまいやよだれに現れる。その後、震えたり嘔吐をしたりするので、落ち着きがなくなったら停車して水を飲ませるなど、休憩させてあげよう。

▲犬の乗り物酔いも人間と同じ仕組み。三半規管などに揺れなどの刺激が与えられ続けることで起こる ▲犬の乗り物酔いも人間と同じ仕組み。三半規管などに揺れなどの刺激が与えられ続けることで起こる

長距離移動には犬用の酔い止めを使うという手段も

もし車に慣れていない犬を長時間車に乗せなくてはいけない状況になってしまったら、犬用の酔い止めを使用する方法もある。帰省や動物病院など、どうしても連れて行かなければならないときなどは、事前に獣医に相談してみるといいだろう。

人間と同じで、小さな頃から車に乗せていると、成犬になっても車に慣れる可能性が高くなる。もしも愛犬と一緒にドライブしたいと思っているのなら、飼い始めからしっかりと車に慣らしてあげよう。

text/コージー林田