乗り心地はマイルドに、コーナリング性能は明らかに向上した

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コンセプト

目に見えない地道な改良で正常進化を遂げた

ズバリ、インプレッサのピュアスポーツ版がSTiだ。従来はもっとハードな仕様で競技のベース車両であるRAが存在したが、今回のマイナーチェンジでは姿を消し、STiのみ仕様変更によって細部のリファインを受けた。

まずエクステリアではフロントグリルの変更やHIDロービーム仕様車のヘッドランプ回りの処理変更によってスポーティな印象が高められた。オーナメントが伝統の6連星(むつらぼし)になったことも特記できる。さらにスペック表には表れないが、サスペンションの取り付け剛性アップによってハンドリングや乗り心地の見直しが行われており、合わせてショックアブソーバーの減衰力の見直しも行われている。目に見えない地道な改良によって正常進化を遂げた。
室内&荷室空間

特に変更点はない室内。実用性の高さもそのまま

インテリアには特に変更はなく、モモ製のステアリングホイール、6速マニュアルトランスミッションなどもそのまま。リラックスした姿勢はとれないが体にぴったりフィットする形状のシートも相変わらずで、ドライビングポジションを正確にとることができる。いいものはいたずらに変える必要はないという判断なのだろう。

リアシートは、デザインこそフロントシート同様にブルーの表皮が一部に使われていて共通のイメージをもつが、ホールド性はない普通のシート。だが、そのおかげでかえって実用性は高い。乗り心地は大して望めないだろうが、レッグスペースは十分だ。

トランクはたっぷりとした容量をもち、開口部も大きくとられているので、使い勝手に優れる。
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ドライブフィール

乗り心地も良くなり操安性もさらに向上した

硬質な走りは従来からインプレッサSTiの特徴だが、さらに磨きがかかった感じだ。乗り心地も明らかに変わった。段差の乗り越えなどでの突き上げ感はそれなりにあるが、それも速度域によって印象は異なる。段差を乗り越えた後の上下収束が良くなったので、総じて乗り心地はこれまでよりマイルドになったのだ。

もう一つ確実に向上したのは、ステアリングを切った時に今まで以上に素直に反応してくれるようになったことだ。また、大きな横Gがかかるようなコーナリングをした時に、フロントタイヤのグリップ感がこれまで以上に向上したことも特筆できる。インプレッサのシュアなハンドリングには定評があるが、さらにニュートラルステアに近づいたといえよう。
こんな人にオススメ
WRXには大人しめのNAとNBというモデルも用意されるが、“らしいの” はやはりSTi。ランエボと比べてSTiにはアナログ的な面白さがある。安くなった価格設定も魅力だ。エアロパーツなどの装備を充実させたプロドライブスタイルというモデルも用意されるので、マニアにはそちらもオススメできる。
SPECIFICATIONS
グレード STi
駆動方式 4WD
トランスミッション 6MT
全長×全幅×全高(mm) 4405 x 1730 x 1435
ホイールベース(mm) 2525
車両重量(kg) 1430
乗車定員 5人
エンジン種類 水平対向4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1994
最高出力 206kW(280ps)/6400rpm
最大トルク 373N・m(38.0kg-m)/4000rpm
車両本体価格 289.5万円
写真:奥隅圭之 文:日下部保雄