進化したCVTとエンジンが走りにキレの良さをプラス

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コンセプト

スポーツグレードRSを中心に細部を徹底改良

スズキやダイハツといった軽自動車をメインとしているメーカーとは違い、スバルはレガシィなどの売れ筋乗用車をラインナップしているメーカーである。

他社に比べ軽自動車のバリエーションを増やすというのは商売ベースで考えても難しいのが現実だ。ゆえにスバルの場合、1台でセダンやワゴンの優れた部分を集めた車、最近では流行のクロスオーバーモデルとしてプレオをラインナップさせている。

今回は新規格になって4年目を迎え、やや新鮮さを失いかけている商品力を強化するためにスポーティモデルRSを中心に改良、クラシックスタイルのネスタ、ファニーフェイスのニコットと3つのバリエーションを明確化しシリーズ全体の熟成を図ろうという意図だ。
室内&荷室空間

RSに豪華装備をプラス。シートリフターの出来も良い

今回の改良ではグレードが若干整理されている。今まではRMというSOHCスーパーチャージャーエンジンを搭載する上級モデルがあったのだが廃止、RSにそれらの装備を統合した形となっている。結果RS単体で見ればオートエアコン、電動格納式ドアミラー、デュアルエアバッグ、グレードアップされたオーディオなどが追加され魅力は増している。

その中で特に特筆すべきは運転席シートリフターである。シート脇のレバーで無段階に調整できるのだが、シートバック(背もたれ)を含め全体が上下するのでどの高さでもフィット感が良い。往々にして軽自動車の場合コストダウンを狙ってシートの座面のみを上下させるものが多い中でこの設計は良心的といえるだろう。
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ドライブフィール

CVTのクセを徹底排除。エンジンの静粛性もアップ

RSに搭載されるエンジンはかなり細部が改良された印象を受けた。特にCVTの変速タイミング等を変更することで、通常のATに比較して起きやすいCVT特有の「速度が後から付いてくる」感じが比較的少なくなった。また全体的に振動や騒音が変更前と比べるとよく抑えられているのも特徴だ。

CVTの7速マニュアルモードも変速比の改良などを受けているが相変わらずスポーティ感は上々、ステアリングに組み込まれたギアスイッチの操作で約0.2秒(間違いなく自分で操作するより速い)でギアチェンジを行える。驚いたのはサスペンションの剛性を上げるだけではなく、165サイズのタイヤを入れるために今回一部ボディを修正したという事実、スバルの走りに対するこだわりと言えるだろう。
こんな人にオススメ
RSが装備を充実したことで今までのような尖った人向けではなくプレオの最上級モデルとしてオススメできる。街乗り中心なのであれば10万円安いLSがオススメ、エンジンパワーは落ちるがアルミホイールなどスポーティ装備も満載。オーディオも6連奏CDチェンジャーを搭載しお買い得である。
SPECIFICATIONS
グレード RS
駆動方式 FF
トランスミッション 7速CVT
全長×全幅×全高(mm) 3395 x 1475 x 1575
ホイールベース(mm) 2315
車両重量(kg) 890
乗車定員 4人
エンジン種類 直列4気筒DOHC16バルブ
スーパーチャージャー
総排気量(cc) 658
最高出力 47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク 103N・m(10.5kg-m)/3200rpm
車両本体価格 129.5万円
写真:桜井健雄 文:高山正寛(本誌)