400ccの排気量拡大で実用車レベルを超えた走りを披露

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コンセプト

スバルがGMグループに入った成果の表れ

新登場トラヴィックは、7人乗りも可能なミッドサイズワゴン。ボディシェルを見ればおわかりのように、これはGMオペルのザフィーラでそのスバル版。

スバルがGMグループ入りしたことの成果の一つで、GMがタイ工場で作っている豪州ホールデンがベース。したがって、トラヴィックはタイ製の輸入車である。

では、トラヴィックはザフィーラとは何が違うかというと、それはひとえに足。言い換えると足(とエンジン)以外は、すでに市場にあるオペルザフィーラと同じである。

ほぼ本国仕様と同じ足のSパッケージ(224万円)と、日本市場向きに、このくらい(乗り心地を少しマイルドにする)のほうがいいはずとチューニングされた豪華装備のLパッケージというラインナップ。
室内&荷室空間

やはりドイツ車らしい質実剛健なデザイン

シートはオペルのままというか、ドイツのベーシック系のシートが装備される。表皮までも硬いので、座った一瞬は驚くほど。だが、基本形状はよく練り込まれているので、硬いながらも不当な疲労感はない。他のドイツ車では、シートがややソフト志向化し始めたところもあるので、このハード感覚はいまや貴重!

サイドブレーキのレバーがちょっと遠くて、その操作力も重いとか、小物入れがあまりないといった、日本の路上で使ううえでの小さな欠点も散見する。が、質実剛健な感じのデザインは、素っ気ないが、よくまとまっている。

スポーティシートがオプションだが、このシートは小柄な日本人にはちょっと座面の前後長が長すぎる。ノーマルがおすすめ。
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ドライブフィール

本国仕様のSパッケージ。日本向けのLパッケージ

オペルザフィーラよりもエンジンが強化され、2.2Lを搭載したのは大正解。低中速のトルクが十分あるので、エンジン回転を上げてパワーを絞り出さなくても余裕で走れ、結果として静粛性にもいい影響を与えている。

めざましく速くはないが、意図するままに走れ、これは実用車のレベルを超えたパフォーマンス。

注目のLパッケージは、低速域での乗り心地を大事にした設定。一方、16インチタイヤでスポーティに“武装”したSパッケージ(ほぼオペル仕様のまま)は、イメージほどには乗り味は硬くない。ファミリィユースにこれを選んでも、大きな不満はなさそう。

ただ、荒れた舗装や細かい凹凸など、低中速域での乗り心地のきめ細かさではLパッケージが優位。
こんな人にオススメ
ヨーロッパ車には興味があるけど、この日本で使うにはどれくらいフィットしているのかな?こんなギモンをおもちの方にピッタリ!基本は欧州、そしてそれを日本に適応させたというのが、このトラヴィック。欧州風味が“濃い”ほうがいいならSパッケージ、日本へのアレンジ重視ならLパッケージを選ぶべし。
SPECIFICATIONS
グレード Lパッケージ
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4315 x 1740 x 1675
ホイールベース(mm) 2695
車両重量(kg) 1480
乗車定員 7人
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 2198
最高出力 108kW(147ps)/5800rpm
最大トルク 203N・m(20.7kg-m)/4000rpm
車両本体価格 234万円
写真:奥隅圭之 文:家村浩明