※この記事はカーセンサー関東版43号2004年11月11日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
(Tester/松下 宏 Photo/奥隅 圭之)

エンジンそして乗り心地ともにスムーズさが目立つ

コンセプト
小さな高級車に再度挑戦!内外装は高い質感

日産 ティーダ 走り|プレイバック試乗記日産 ティーダ リアスタイル|プレイバック試乗記
↑新開発のエンジンとCVTの相性がとても良く、街中であってもキビキビとした加速力を見せストレスのない走りを楽しめる(左)空力特性に優れたボディデザインをもち、揚力を抑えて高速走行時の安定性を高めた(右)
ティーダはコンパクトなボディサイズの中に高い質感を備えた車を目指して開発された。これまでもいくつかの国産車が挑戦してきた“小さな高級車”というジャンルに改めて挑戦した意欲作だ。

特にインテリア回りは素材から作り込みまで高い品質感が表現されているし、エクステリアも塗装の見映えも高級車並みに良くするなどの工夫が凝らされている。削るべきところではコストを削り、その余裕をインテリア回りの質感向上に費やすというメリハリの利いた車作りがなされている。

搭載エンジンは新しく開発された1.5L直列4気筒DOHCで、2005年には1.8Lも追加された。トルクフルなエンジンを無段変速のCVTと組み合わせることで、走りの質感にもこだわっている。

室内&荷室空間
室内の広さも質感もクラスの水準を超える

日産 ティーダ インパネ|プレイバック試乗記日産 ティーダ 後部座席|プレイバック試乗記
↑ドアトリムやアームレストなどは高級車のようなソフトな触り心地になっている(左)リアシートが240mmスライドするので、足元には大人が足を組めるスペースがある(右)
インテリアの品質感の高さは触れたときによくわかる。インストルメンタルパネルのパッドをはじめドアやピラーの内張り、ドアとセンターのアームレストなど、いずれも柔らかな感触と手触りによってソファのような品質感が表現されている。これまでのコンパクトクラスとは違う仕上がりだ。

室内空間の広さもクラスの水準を超えている。ボディサイズそのものは5ナンバー枠に収まる手頃なものだが、アクセルペダルからリアのヒップポイントまでの有効室内長はシーマ並みの数字を実現。後席の240mmのロングスライドも室内の広さにつながる。 そのスライドを前方に押し出せば、ステーションワゴン並みのラゲージスペースを作ることも可能で、自在な使い方が楽しめる。

ドライブフィール
やや柔らかめの足回りが路面からの振動を吸収

日産 ティーダ エンジン|プレイバック試乗記
↑新開発の1.5Lエンジン。低、中速域のトルクを高めて加速性能を向上させた
新開発の1.5L直4エンジンのパワー&トルクは、数字こそ平凡なものだが、実際に走らせたときのトルク感に好感がもてる。中低速域で十分なトルクを発生するので、レスポンスの良いスムーズな走りが可能だ。吹け上がりの軽快さも文句のないレベルである。組み合わされるエクストロニックCVTによる段差のない独特の変速フィールも、滑らかで力強い走りにつながるものとなっている。

足回りはやや柔らかめの設定でコーナーなどではそれなりにロールも出るが、安定感とのバランスも上々。路面が荒れたところでも不快な振動はよく抑えられているし、静粛性の高さもコンパクトカーの水準を超えている。全体にストレスや不満のない走りを示す車と思っていい。

こんな人にオススメ

コンパクトカーには若いユーザーというイメージがあるが、ティーダの品質感はより年齢の高いユーザー層に向いている。子離れした年齢層の人たちにこそ最適な車ではないか。オススメグレードは15Mで決まり。廉価版の15Sではメカニズムや装備に不満があるし、上級グレードの15Gの装備は価格差ほど魅力的ではない。
主要諸元のグレード 15M 2WD
駆動方式 FF
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4205×1695×1535
ホイールベース(mm) 2600
車両重量(kg) 1140
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1498
最高出力[kW(ps)rpm] 80kW(109ps)/6000rpm
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 148N・m(15.1kg-m)/4400rpm
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/45
車両本体価格 157.5万円